2006/9/19火
台風も去ってホットしています、しかし地球温暖化の影響でしょうか例年とは
違った天変が起こっているような気がします。
今日から布石を徹底研究してみたいとおもいますが
週2回ほどのアップロードを予定しています。
布石の順位と着点
地の大小によって勝敗が決まる一局の碁は、一般に(序盤)中盤、終盤(ヨセ)の三段階を経て終局に至るのが状態である。
中盤戦を有利に導いて有終の美を飾るためには、序盤戦で相手をリードしなければならない。一局の基礎工事の段階とも言うべき布石時代は、中盤戦を有利に戦うための根拠又は勢力争い。言い換えれば縄張り争いの場といっていいでしょう。
平行型第一局 黒・二連星
空隅占め方はもちろん碁によってさまざまだが黒1,3白2,4と互いに四隅を占めあってスタートする布石の例は専門家の実戦譜について90パーセントの比率を示している。黒1,3の星の連打を二連星と呼んでいる。
1,3と一辺の両隅を占め、これと平行に対峠して白2,4と対辺の両隅による布石を平行型という。平行型の布石をそのまま続ければ、傾向として大模様の碁になりやすい。その大模様作戦の意欲は、主として先着者で黒の側にあるのが常識だが、その方針を白が妨けるのもこれまた常識だから、平行型即大模様の碁とは限らない。白2の三々や星は一手で一隅の中心点を占めているから、適切なシマリ方もなく、したがってカカリも急がないが、黒5のカカリは小目の理想であるシマリを妨げた大場であり急務である。
平行型二連星一譜(1~5手)

白6の二間高バサミから白10の三間ビラキまでは現代の流行方。白10を省けば1図のように白△の根拠を狙われ黒1とつめる手が厳しく、黒、い、と開かれても白不利である。黒11では逆に黒、い、とカカリ、白11と受けさせて黒、ろ、と大場を占める布石もある。なを白が左辺に先べんす場合を想定すれば2図の白1が大場となる。
平行型二連星二譜(6~11手)

要点黒9のハシリは第二線ながら根拠に関する要点である。
1図

2図

白12の大ゲイマ受けは左下隅を強化すると同時に全曲的に位を保つ要点である。この受けを省いて3図の白1と反撃することは可能だが、黒2の圧迫が厳しい。白12で白、い、と低く受け、黒13に続いて白、は、と右辺にワリウチするのも一法である。白12と高く構えたのは下辺に重点を置く意図と理解していい。白、ろ、小ケイマ受けは白12に比べて発展性に乏しい。
平行型二連星三譜(12~15手)

要点黒13とヒライてハサミをかねたのは絶対に逃せぬ攻防の要点である。怠って4図の白1のハサミを許し、黒△一子を攻撃の的にさらすようなことがあってはならない。
3図

4図

白14とカカラずに、白、い、と下辺の大場を占めて白、ろ、のカカリを見るという考え方もある。白16は白、は、の拡大を含みとした大模様作戦である。白16では5図の白1、3も一法だが、黒、い、と肩から消す手段を見られる。
平行型二連星四譜(14~16手)

要点白14とカカれ場白16などの締めくくりは省けない。省けば6図黒1黒3の攻めが厳しいからで、一般にカカりっぱなしというのはよくない。白16と高い構えの弱点は黒、に、ほ、の打ち込みである
5図

6図

黒17(第三線)は黒△(第四線)と釣り合いを保った最後の大場である。白18のカカりに黒19の受けも当然。白20とすぐ三々に打ち込んだが、時機を失えば図の黒1と守る手が大きく、次の譜との差は二十目に達する。このように星の布石では辺の大場の争奪戦が終わると隅の三々をめぐる攻防が焦点になってくる。白22のハネに、皆さんの応手は?
平行型二連星五譜(17~22手)

要点8図黒△からの黒1では位が低く、譜の構えには及ばない。白18で9図の白1とカカるのは、黒2黒4と攻め立てられて、黒△一子が絶好のハサミとなるから面白くない。
7図

8図

9図

黒23,25と退いて守ったのはここに先手を取ってほかの好転に向かう意味である。黒23とオサエる手では他に10図の黒1,3と遮断する積極先方がある。白14のハシリから黒13のカケまでは変化の一例で、白の実利と黒の外勢というワカレになるが、白12のツギを省けば11図の黒1,3の両バネで無条件死となる。また9図黒13のカケも心得べきで12図の白1とすぐ動き出す手は黒12までの緩みシチョウで成立しない。譜の黒25までは9図よりも積極的だが、譜の運びは部分よりも全体を見て他の好転を重視した。
平行型二連星六譜(23~26)

10図

11図

12図

黒27のトビが勢力上の必争点であることは、この点を白27のトビに置き換えてみればわかる。黒27と飛ぶ手で黒、い、とカケる急戦法もあるが、譜の黒27は上辺、ろ、の打ち込みをうかがうと同時に白28を促して黒29と黒二子を強化する調子を求めた。
平行型二連星七譜(27~29手)

要点黒27のトビからは時機を選んで13図の黒1と打ち込む手が楽に成立する。14図もその一変化だが布石時代には相手の薄味を衝くこのような狙いをにらんでいることが大切である。
13図

14図

白30のコスミに対し黒31のコスミツケは自他の根拠に関する要点で逃せない。黒31を省けば、白、い、とハシって黒三子の根拠を脅かされると同時に白の一団が安定して攻めの利益が失われる。白32は逃げ越しの要着である。
平行型二連星八譜(30~32手)

要点白32のトビで15図の白1と他の好転に向かうことも考えられるが、黒、イ、の利きを含んだ黒2以下黒6の攻めが厳しく、その厚みを背景に黒8などの打ち込みも楽に成立することになる。
15図

この布石で黒の手番ならば上辺か下辺かのどちらかに打ち込みを決行する機会である。どちらも白の地模様をあらすだけの打ち込みだからA級の打ち込みではないが白、いの拡大に先立つ黒33の打ち込みは今がチャンスで、上辺白、ろ、の打ち込みよりは急務である。
平行型二連星九譜(33)

要点打ち込みのいろいろ。黒33では白の第四線のの弱点を咎めて16図黒1と横からの揺さぶりをかける打ち込みもある。白2とスソアキを守れば黒7までと荒らしていいし17図の黒9で黒成功である。
16図

17図


台風も去ってホットしています、しかし地球温暖化の影響でしょうか例年とは
違った天変が起こっているような気がします。
今日から布石を徹底研究してみたいとおもいますが
週2回ほどのアップロードを予定しています。
布石の順位と着点
地の大小によって勝敗が決まる一局の碁は、一般に(序盤)中盤、終盤(ヨセ)の三段階を経て終局に至るのが状態である。
中盤戦を有利に導いて有終の美を飾るためには、序盤戦で相手をリードしなければならない。一局の基礎工事の段階とも言うべき布石時代は、中盤戦を有利に戦うための根拠又は勢力争い。言い換えれば縄張り争いの場といっていいでしょう。
平行型第一局 黒・二連星
空隅占め方はもちろん碁によってさまざまだが黒1,3白2,4と互いに四隅を占めあってスタートする布石の例は専門家の実戦譜について90パーセントの比率を示している。黒1,3の星の連打を二連星と呼んでいる。
1,3と一辺の両隅を占め、これと平行に対峠して白2,4と対辺の両隅による布石を平行型という。平行型の布石をそのまま続ければ、傾向として大模様の碁になりやすい。その大模様作戦の意欲は、主として先着者で黒の側にあるのが常識だが、その方針を白が妨けるのもこれまた常識だから、平行型即大模様の碁とは限らない。白2の三々や星は一手で一隅の中心点を占めているから、適切なシマリ方もなく、したがってカカリも急がないが、黒5のカカリは小目の理想であるシマリを妨げた大場であり急務である。
平行型二連星一譜(1~5手)

白6の二間高バサミから白10の三間ビラキまでは現代の流行方。白10を省けば1図のように白△の根拠を狙われ黒1とつめる手が厳しく、黒、い、と開かれても白不利である。黒11では逆に黒、い、とカカリ、白11と受けさせて黒、ろ、と大場を占める布石もある。なを白が左辺に先べんす場合を想定すれば2図の白1が大場となる。
平行型二連星二譜(6~11手)

要点黒9のハシリは第二線ながら根拠に関する要点である。
1図

2図

白12の大ゲイマ受けは左下隅を強化すると同時に全曲的に位を保つ要点である。この受けを省いて3図の白1と反撃することは可能だが、黒2の圧迫が厳しい。白12で白、い、と低く受け、黒13に続いて白、は、と右辺にワリウチするのも一法である。白12と高く構えたのは下辺に重点を置く意図と理解していい。白、ろ、小ケイマ受けは白12に比べて発展性に乏しい。
平行型二連星三譜(12~15手)

要点黒13とヒライてハサミをかねたのは絶対に逃せぬ攻防の要点である。怠って4図の白1のハサミを許し、黒△一子を攻撃の的にさらすようなことがあってはならない。
3図

4図

白14とカカラずに、白、い、と下辺の大場を占めて白、ろ、のカカリを見るという考え方もある。白16は白、は、の拡大を含みとした大模様作戦である。白16では5図の白1、3も一法だが、黒、い、と肩から消す手段を見られる。
平行型二連星四譜(14~16手)

要点白14とカカれ場白16などの締めくくりは省けない。省けば6図黒1黒3の攻めが厳しいからで、一般にカカりっぱなしというのはよくない。白16と高い構えの弱点は黒、に、ほ、の打ち込みである
5図

6図

黒17(第三線)は黒△(第四線)と釣り合いを保った最後の大場である。白18のカカりに黒19の受けも当然。白20とすぐ三々に打ち込んだが、時機を失えば図の黒1と守る手が大きく、次の譜との差は二十目に達する。このように星の布石では辺の大場の争奪戦が終わると隅の三々をめぐる攻防が焦点になってくる。白22のハネに、皆さんの応手は?
平行型二連星五譜(17~22手)

要点8図黒△からの黒1では位が低く、譜の構えには及ばない。白18で9図の白1とカカるのは、黒2黒4と攻め立てられて、黒△一子が絶好のハサミとなるから面白くない。
7図

8図

9図

黒23,25と退いて守ったのはここに先手を取ってほかの好転に向かう意味である。黒23とオサエる手では他に10図の黒1,3と遮断する積極先方がある。白14のハシリから黒13のカケまでは変化の一例で、白の実利と黒の外勢というワカレになるが、白12のツギを省けば11図の黒1,3の両バネで無条件死となる。また9図黒13のカケも心得べきで12図の白1とすぐ動き出す手は黒12までの緩みシチョウで成立しない。譜の黒25までは9図よりも積極的だが、譜の運びは部分よりも全体を見て他の好転を重視した。
平行型二連星六譜(23~26)

10図

11図

12図

黒27のトビが勢力上の必争点であることは、この点を白27のトビに置き換えてみればわかる。黒27と飛ぶ手で黒、い、とカケる急戦法もあるが、譜の黒27は上辺、ろ、の打ち込みをうかがうと同時に白28を促して黒29と黒二子を強化する調子を求めた。
平行型二連星七譜(27~29手)

要点黒27のトビからは時機を選んで13図の黒1と打ち込む手が楽に成立する。14図もその一変化だが布石時代には相手の薄味を衝くこのような狙いをにらんでいることが大切である。
13図

14図

白30のコスミに対し黒31のコスミツケは自他の根拠に関する要点で逃せない。黒31を省けば、白、い、とハシって黒三子の根拠を脅かされると同時に白の一団が安定して攻めの利益が失われる。白32は逃げ越しの要着である。
平行型二連星八譜(30~32手)

要点白32のトビで15図の白1と他の好転に向かうことも考えられるが、黒、イ、の利きを含んだ黒2以下黒6の攻めが厳しく、その厚みを背景に黒8などの打ち込みも楽に成立することになる。
15図

この布石で黒の手番ならば上辺か下辺かのどちらかに打ち込みを決行する機会である。どちらも白の地模様をあらすだけの打ち込みだからA級の打ち込みではないが白、いの拡大に先立つ黒33の打ち込みは今がチャンスで、上辺白、ろ、の打ち込みよりは急務である。
平行型二連星九譜(33)

要点打ち込みのいろいろ。黒33では白の第四線のの弱点を咎めて16図黒1と横からの揺さぶりをかける打ち込みもある。白2とスソアキを守れば黒7までと荒らしていいし17図の黒9で黒成功である。
16図

17図
