知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

教育論。

2009年08月29日 | 国家論
学力テストが公開されましたが、沖縄に対する問題が浮き彫りになっています。
沖縄県は、低所得世帯が多く、学習という点では不利な状況にあります。

これをもって、沖縄県の学力レベルが低いということで終わらせるのではなく、
 沖縄県の学習環境を整備
する政策に生かすようにしなければ、意味がないと思います。

50億円使って、毎年、テストを実施して、
印刷業者や問題作成業者にお金をばらまくのではなく、
 自習スペースや特別授業など学習環境を整備するお金
に回した方がよっぽど国益にかないます。

所得レベルと学力レベルは、ほぼ一致します。
しかも、固定化します。
学力が乏しい場合、よい職にありつくことは困難であり、
低所得世帯となり、子供に学習の機会を与えることができず、
子供も低所得世帯を築きあげることになるからです。

企業は、新人研修をして、従業員を育てます。
それが、企業の利益になるからです。

同様に、国家も、教育を行い、国民を育てる責任を負っています。
それが、国家の利益になるからです。

人権として、教育の権利を認めているのも、その現れです。
国家は、貧困層に
 努力すれば富裕層になれるという機会
を保障する役割を担わなければならないわけです。

にもかかわらず、権力をチェックする役目を担う弁護士すら
 金持ちしかなれない
ようなシステムにしてしまいました。
これは、今後の20年で弁護士像が著しく変容されることを意味します。
過度の市場原理の導入により、
 利益追求型のビジネスマンのような弁護士
が急増し、ボランティアの仕事をしてくれる弁護士の数が相対的に減っていくことになるはずです。
 
ロースクールと弁護士数の増加による就職難のほか、
来年より司法修習生の給与が廃止されることで、この流れは
一層加速することになると思います。

この犠牲となるのが、弁護士費用を払えない貧困層です。



***
僕は、自己研修として、貧困層の多く住む町のホテル(とよべるか微妙)で一泊したことがあります。
その翌日は、前日の20倍もするホテルで一泊してみました。

後者のホテルは、それほど衝撃はなかったのですが、
前者は正直衝撃的でした。1時間くらいしか寝られなかったのを覚えています。


貧困問題として都市部に住んでいれば、ホームレスを目にすることはあるでしょうが、町全体が死にかけているような光景はあまり目にすることはないと思います。

今の教育は、
 都合の悪いところは、触れないようにしている
ように思われます。

課外学習で貧困問題や差別の問題を取り上げるところはないでしょう。

義務教育までは、国の施設などで、なんとか生活できても
その後、過酷な未来が待っている子供たちが多くいます。

スキルがないため、職にありつけず、アンダーな社会へ行く者。
日雇い派遣で高齢者になるまで働き、体が動かなくなった後ホームレス化する者。
刑務所の方が居心地がよいといって、出所後、すぐに罪を犯す者。

教育の目的は、
 過酷な世の中で生き残れるようにする
 サバイバル技術を身につけさせる
ことだと思っています。

それが、知的成長です。
話し方、お辞儀の仕方、文書の作成の仕方、読み、書き、計算などの基礎学力。
あいさつ、整理整頓、友達とうまくやっていく方法(コミュニケーション能力)。
感情のコントロール、場をわきまえる、マナー。
ルールを守る。権利と義務。
トラブルに巻き込まれない方法。断り方。逃げ方。相談の仕方。
夢を実現する方法。努力の仕方。時間の管理の仕方。計画の実行の仕方。
勝ち方。戦略の立て方。モチベーションの高め方。
道徳。社会貢献の意義。

つまり、教育の目的は、
 社会の一員として、どうやったら、うまくお金を稼げるか。
 困難な壁にぶち当たった時、どうやったら、うまく乗り越えられるか。
を自分で考えて、
 仮説を立て、検証をし、うまくいかなかったら、修正をする
というプロセスを習得させることだと思います。

そして、それが、
 国家の責任
だと思います。

従来は、経済の成長がある程度約束されており、
 マニュアルを覚え、前例通りに行動すれば成果が得られる
時代であったので、それなりに効果が得られました。

しかし、経済がどんどん悪化し、失業率が5パーセントを超える時代には、
 自分で考えて、お金を稼げるようにならなければ平穏には生きられない
わけです。

時代が変われば、教えることも変わります。
必要とされる人材も変わるからです。
そのため、戦国の世の処世術である、論語・大学・中庸、孫子の兵法など
戦略的に生きられるように、思考方法を教えておくべきだと思います。
コメント
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