知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

民主主義は本当に必要なのか?

2010年04月07日 | 国家論
考えるトレーニング。

民主主義は、本当に必要なのか?

プラトン君の意見。
 僕の大事なソクラテス先生は、民主主義で殺されました。
 だから、民主主義は、よくない制度だと思います。

A君
 いや、中国みたいな共産主義は悪だよ。

プラトン君
 一番の目的は、国民の幸せだよね。

A君
 そうだね。でも、そのためには民主主義が一番いいんだよ。

プラトン君
 優秀な国王がいて、国民の幸せのために政治をしたら、国民の幸せという目的は達成できるのでは?

A君
 確かにそうだね。でも、そんな王様っているの?

プラトン君
 そういう哲人皇帝を育て、継承していくようなシステムがあればよい。
 仮に、その制度がうまく機能すれば、民主主義でなくても国民の幸せは確保されるはずだよ。

A君
 できれば・・・ね。

プラトン君
 民主主義は、本当に国民を幸せにするの?

A君
 みんなで決めるっていういことが大切なんだよ。

プラトン君
 みんなで、間違ったことを決めるってこともあるのではないの?

A君
 絶対的に正しいってことはないかもね。
 でも、手続きがきちんとしていたら、そういう間違いは少なくなるよ。

プラトン君
 その手続きって?

A君
 選挙でみんなで選んで、選ばれた人が、国民全体の利益を考えて、決定するってことさ。

プラトン君
 でも、例えば、一つの国に多数派の民族と、少数派の民族がいたら、いつも多数派に得となるような決定がされるのでは?

A君
 ・・・・。
 いや、少数派の意見も、多数派の人は考えてくれるんだよ。

プラトン君
 そんな保証はあるの?
 だから、世界中で、少数民族が独立しようとするのでは?

A君
 確かに、少数派にとっては、厳しいこともあるよね。

プラトン君
 少数派だけではないよ。
 現在の国民が、将来の国民のつけで、利益を受けることの決定もできるよね。
 その場合、将来の国民の代弁者はいないわけだよね。
 そんなんで、手続きの保障が確保されていると言えるの?

A君
 現在の国民が、将来の国民のことを考えてだね・・・

プラトン君
 君は、みんなで決めるっていうことが大切なんだって言ったよね。
 将来の国民は、決める手続きの中に入ることはできないよね。
 だったら、手続きが保障されていないってことにならないかい。

A君
 ・・・・

プラトン君
 多数派が少数派の国民のことを考えて、意思を決定する。
 現在の国民が将来の国民のことを考えて、意思を決定する。
 民主主義が、正しいというには、この2つの条件が成り立つことが前提とならないかい。

A君
 確かに、そうだね。

プラトン君
 それって、かなり難しいことだよ。
 僕の言う哲人皇帝を見つける手続きが保証されていることと、そんなに変わらないよ。

A君
 ・・・・。

プラトン君
 国民が自己中心的で、馬鹿なやつばかりだったら、国家は間違った選択をする。
 その結果、国家が滅んでいくのでは?

A君
 君の思想は危険だよ。哲人皇帝なんて、独裁者だ!

プラトン君
 独裁者でも、国民を幸せにする政治をするのであれば、国民は幸せになるはずだよ。
 民主主義でも、国民を幸せにする政治ができないのであれば、国民は幸せにならないはずだよ。
 戦争は、民主主義の国家間でも起きているからね。

A君
 確かに民主主義の国家間で、戦争は起きているけれど・・・。

プラトン君
 つまり、民主主義なんて、手段の一つにすぎないってことさ。
 その手段がうまく機能するためには、構成員が賢くなければならない。
 自分だけのことでなく、少数者のことや将来の国民のことを考えるような。
 そのためには、教育によって、知的に成長していないといけない。
 
A君
 それが、できれば、国民の幸せという目的が達成できるってことだね。

プラトン君
 そうだね。

A君
 哲人皇帝は、どんなに立派な人でも、権力は腐敗するというリスクがあるし、
 その人の次の指導者が、立派な人かどうか分からないというリスクがある。
 だから、国民の幸せを第一に考える人が、永続的にリーダーになるって保証があればいいけど、その保証がないことが問題だね。

プラトン君
 そうだね。でも、それが担保されれば、民主主義より幸せになれるはずだよ。
 会社の後継者選びでも、哲人経営者が、会社の利益になる人を長い目で見て選んでいる。
 その後継者選びがうまくいけば、みんなで決めたリーダーよりも、会社が発展する可能性がある。  

A君
 たしかに、みんなで決めたリーダーが、能力なくて会社をつぶすことはあるけど。

プラトン君
 民主主義は、一見、みんなが参加できるよってことで、賛同は得られやすいけど、
 そのみんなが、数の暴力で、一部の人を犠牲にしたり、私欲をむさぼったりするリスクがあることを考えておくべきなんだ。

A君
 そもそも、
 選挙権が与えられていても、選挙に行かない国民ばかりだったり、
 政治や経済や社会に何の知識も関心も持たない人ばかりだったら、
 国民の幸せにつながる政治などできないね。

プラトン君
 だから、教育が必要なんだよ。
 一人一人が、民主主義が国民の幸せにつながる手段として機能するためにはね。

A君
 その点には、異論はないよ。


*************
検索するとよいキーワード。
 衆愚政治
 哲人皇帝
 多数派支配型民主主義
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厳しさの中にこそ幸せがある。

2010年04月07日 | 自分の未来を組み立てる。
 自由主義、消極国家
といった考え方は、
 自助努力
が強調されるので、
 厳しい社会
であるといえます。

ただ、厳しい環境で努力すれば、
 結果として、みんなが幸せになれる
と思います。


甘やかして育てた子供は、
 現在の厳しい社会に対応できず、成人した後に苦しむ
ことになります。

親ができることは、
 早い段階で、現実を教えて、生き抜く力を身につける手伝いをすること。

 厳しい社会だから、かわいい子供に財産を残してやろう
と思っても、
 知的レベルが低い場合、すぐに使ってしまうか、だまされて取られてなくなる
リスクが高い。

それよりも、
 知的レベルを高めるための教育を授けて、
 自分でお金を稼ぐ能力を身につけさせた方が、
 かえって子供のためになる
わけです。

これは、国民に対しても言えることです。

国家が、お金をばらまいて、国民の生活を支えても、
 国民が将来につながる投資をしない限り
 お金は使われてなくなってしまう。
そのため、
 永久にばらまき続けなければならない
わけです。

国家が、国民に稼ぐ能力につながる教育を行い、自由競争の環境を整備し、
 自分たちで頑張ってください
というスタンスを貫けば、
 国民は自分で創意工夫をして、稼ぐようになる。


国家としては、
 自由主義社会
が大原則です。

自由主義の社会には、
 弊害
もあります。

それが、格差の固定化。

知的レベルが低いと稼げないので、
 飢え死にする。
 永久に貧困のまま。

そういうときには、
 国が手を差し伸べ、生活を手伝う。
また、
 機会の平等を徹底するために、教育は国家の責任で行う。
 厳しい社会に放り込む前提として、最低限のサバイバル技術を身につけさせるということ。


生活保護などがセーフティーネットと言われるのは、
 安全を確保するネット
という意味で、自由主義で、落ちていってしまう人を救済するということ。

今は、落ちていく前に、
 みんなにいろいろなものを、将来の国民のつけで、与えている。


これを続けると、国民が家畜化するおそれがあります。
家畜は、自分で獲物をとることはできません。
そのため、餌の支給がなくなると、死んでいってしまいます。

原則は、野生です。
自分で森に獲物を狩って食べる必要がある。

今、中国は、野生のごとく、世界各地に資源を求めて、
 狩りをおこなっています。

中国企業も、お金を儲けるために、
 日本の中小企業に狙いをつけて、資金投入やM&Aを仕掛けています。

こういった野生意識は、危機感の表れでもあります。
あの規模の人口を養っていくためには、
 大量の資源を確保し、経済成長を続けなければならない
からです。

今、中国がまとまっているのは、豊かになりつつあるからです。
国民の不満は、和らげられる。
これが、経済成長率が悪化し続ければ、
 国家が崩壊する
おそれがあります。

グーグルを排除してでも、守りたかったものは、
 国家体制の維持。
国家体制の維持のためには、
 不満が高まるツールをなくしたい。

経済が悪化し、不満が高まったときに、
インターネットで自由な発言ができる状況であれば
不満が不満を生み出して、一気に暴動へと発達しかねない。

ひとたび暴動が起これば、天安門事件のときのように鎮圧もできない。
中国は、すでに国際社会に不可欠な存在となっており、
 国際社会から排除されたら、中国の存在もできない
からです。
(国際社会も崩壊することになる。)

中国の戦略は、経済の発展による国民の不満の除去。

徐々に、国際社会のルールを中国国内に浸透させ、国民の知的成長を促す。

きちんと自分のみならず、国家の利益も考えることができる程度に
国民が知的に成長した後で、民主主義を徐々に導入する。

おそらく、50年から100年くらいの国家戦略を描いて
 複数政党化へのアウトライン
をもっているのではないかと思います。

少し、それましたが、
こういった資源確保の動きは、
中国が知的に成長していることの例でもあります。

世界共通のルールとして、
 競争は常識
です。

日本は、島国というハードの面と、言語や文化の特殊性というソフトの面から、
 比較的競争から逃れる
ことができてきました。

これが、インターネットの普及、航空便の発達により、ハードが是正。
言語や文化も、日本の欧米化により特殊性が薄れてきている。
(IPADは英語圏だが、日本でもはやるはず。
今後は翻訳スタッフも充実し、言語の優位性も乏しくなる。
差別意識や閉鎖的な価値観という面も、若者を中心になくなりつつある。)

そうすると、
 さらに、厳しい競争社会に巻き込まれる
ことになる。


そして、
 国家の財政破綻によって、餌の支給がなくなる。

その結果、
 野生に家畜が放たれる
ことになる。

その時に、周りは自分たちよりも、
 餌をとる技術が優れている
と実感せざるをえなくなる。

知的成長戦略は、
 今から、自分を厳しい社会を見据えて、行動を起こす
ということです。

自分を野生化する。

国から与えられる餌には期待しない。

自分で自分の身を守る。
自分で自分の食べる餌を獲得する方法を身につける。

確かに、厳しいですが、
 結果として、厳しさが当たり前になれば、
 野生に放たれたときにも、普通に対応できる
ことになります。

厳しさの中にこそ幸せがあります。
甘えの中で育てば、
 人のせいにしたり、 
 努力をないがしろにしたり、
 簡単にあきらめたり
する人間になってしまいます。

明治の日本は、厳しい社会でした。
ただ、「富国」強兵という希望がありました。
その中で努力する若者は、結構楽しそうです(夏目漱石、森鴎外・・・)。
今の日本は、「富国」を達成しました。
しかし、大切な希望を失ってしまいました。
若者を中心に、楽しそうな人が少なくなってしまっているようです。

自殺者の割合は、明治や戦後の混乱期よりも圧倒的に多い。
デュルケームの自殺論からすれば、
 今後の不安
による自殺者の割合が多いということ。


人生の目的は、幸せに生きること。
そのためには、楽しむ必要があります。
そのためには、厳しい社会に身をおいて、努力を続ける必要があります。

部活をしていたことがある人はよくわかると思います。
厳しい練習だったけど、今から振り返ってみると、楽しかったな。

受験生もそうかもしれません。
めちゃめちゃ勉強してたよな。ほんと大変だったよな。
でも、合格発表の番号を見たときには、興奮したよな。

やはり、厳しさの中にこそ、幸せがあるようです。
厳しくて嫌な上司、
厳しい労働環境、
厳しい生活状況、
厳しい採用状況・・

その中で、努力して、創意工夫して頑張ることに
 幸せがある
と考えて、がんばってみると前向きになれると思います。

きっと、いい思い出に変わる日が来るからです。
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