ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

校歌斉唱!

2004年03月10日 | ゆきちゃんの日記
夕方学校へお迎えに行くと
由紀子がビーズの仕分けをしながら一人で待っていました。 

なんだかちょっとテンションが低いような気がしたのですが、
私が由紀子よりも遅れて教室に来たせいかと思っていました。 

すると、由紀子が突然席を立って「
校歌斉唱!」と言って、
先生の机にある歌本をもって
校歌をうたい始めました。
 
(・"・;) エ???? 


初めは訳がわからなかったのですが、
机の上を見たら卒業式のプログラムが作ってありました。 

その中に「校歌斉唱」があったので、
これか!と納得しました。 

そして、うたい終わって私にほめられると安心したように
席に座ってビーズの作業を再開しました。 

でも、まだちょっと沈み気味・・・。 

どうした?と聞いたら
「泣いちゃったんだ!」と答えました。 

(・_・)......ン? 

「お母さんのお迎えが遅かったから泣いたの?」 

「泣いちゃったんだ!」 

そうか・・・!と、
納得して帰ろうとした時に
K村先生に会って
一連の由紀子の行動の本当の訳を教えていただきました。 


卒業式のプログラムを作り上げて、
そのプログラムに沿って場面を想定し
練習をしていた時の事です。 

順調に進んで校歌斉唱で
由紀子が張り切って歌いだしたのはいいのですが、
なんと間違って2番の歌詞を歌ってしまったらしいのです。 

それで、もうパニックです。 

自分が間違った!

その事が許せなくて、
先生のなだめる声もやり直しをしようという誘いも
まったく耳に入らなくなってしまったそうです。 

どうしようもなくて先生は落ちつくのを
ずっと待ってくださったようです。
その間に由紀子が自分でビーズを持ってきて
仕分けを始めたそうです。 

気持ちを立て直しているように見えたので、
一人の方がいいと思って先生は教室を出て、
そこへ私が入ってきたというわけです。 
 

気持ちが落ち着いて
「校歌斉唱」をやり直したいと思って
私に歌を聞かせたのですね・・・。 

「泣いちゃったの!」も、
私が遅れたせいではなくパニックを起こした事を
私に伝えようとしたのです。 

パニックを起こした事は問題かもしれませんが、
自分でちゃんと気持ちを立て直して、
パニックを起こした時点まで戻せるようになった由紀子を
ほめてやりたいと思います。 
 

先生は、 

「プログラムを作った事でうまく行っていたんですよ。
これなら、式に参加できると思ったのですが、
まさかゆきちゃんが校歌をまちがえるとは・・・(笑)」

と、笑いながら話してくださいました。 

きっと大変なパニックだったんでしょうに、
いつもこうして笑顔で済ませて下さる先生です。 
 

明日はいよいよ予行練習です。 

今日のこの経験のおかげで
校歌もたぶん間違える事は無いでしょう(笑) 

うかうまく行きますように・・・。


=END=
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TEACCHプログラム

2004年03月08日 | ゆきちゃんの日記
以前、卒業式の練習の最中に
泣き出してしまうことを日記に書きました。 

日常に無い環境の中で、
じっと座っていることにはストレスを感じてしまう。

でも、言葉かけはしたいし、歌も歌いたい。 

そのジレンマで泣き出してしまう由紀子です。 

そこで、先生に卒業式のスケジュールを
詳しく由紀子に教えていただけるようにお願いをしました。 

できたら、それを紙に書いて
練習の間も由紀子に持たせてほしい事もお願いをしました。 

これは自閉症のケアのひとつ
TEACCHプログラムの応用です。 


以前、自傷行為がひどい時に
一日のスケジュールを写真で由紀子に教える事で
日常のストレスを軽くすることに成功した経験があるので、
今回もTEACCHを使ってみることにしたのです。 

長い式の間も次は何があって、
後何人のお話を聞いたら言葉かけをして歌を歌う。 

の見通しがつけば由紀子も我慢ができるかもしれません。 

それに、途中で式を抜け出すにしても
どこで席に戻れば声かけや歌にも参加できると解れば
安心して席をはずすことができると思うのです。 

これは普通の人も同じですよね・・・。 

ただ、普通の人はその事を無意識の間に
自分で確認をしているのですが、
由紀子のようなタイプの自閉症の人は
目に見える形で教えてあげないと解らないのです。 


私のお願いを先生は快く引き受けてくださいました。 

由紀子と一緒に確認をしながら作ってくださるそうです。 

いつも、私の意見を第一に聞いてくださるK村先生。 

本当にありがとうございます。
m(._.)m  


=END=
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

はずかしい!

2004年03月06日 | ゆきちゃんの日記
今日は土曜日でゆきちゃんはお休みです。 

でも、まーまーは施設実習中で今日も出勤です。 

同じ部屋で寝ている2人なので、
まーまーは由紀子を起こさないように
静かに着替えをしていたようです。 

そんな2人の部屋から声が聞こえて来ました。 

由紀子  「はずかし~い!」  

まーまー 「いや~ん!ゆきちゃん起きてたの~!?(笑)」  
 

どうも、由紀子は布団の中で目を覚まして、
まーまーの着替えをじっと見ていたようです。(笑) 

性教育でプライベートゾーンについてお勉強をしていて、
人に見せてはいけない場所があって、
人前で下着姿になるのも
恥ずかしいことだと教えてもらっています。 

それで、家族も由紀子が恥ずかしい姿をした時には
「はずかしい!」と声をかける事にしているのです。 

それを、今日は逆にまーまーが言われてしまったわけです。(笑) 

由紀子が眠っていると思って、
油断したまーまーも大笑いです。 
 

でも、これは性教育がちゃんと身についている証拠です。 

きっとM原先生も喜んでくださるでしょう。
d(>_・ )グッ! 


=END=
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

発表

2004年03月05日 | ゆきちゃんの日記
学年の学習発表会が体育館でありました。 

由紀子も交流学級のみんなと一緒に参加させてもらいました。 

クラス一人一人のいいところをお互いに言い合うシーンでは
相手の子どもさんへの言葉を上手に発表できました。 

由紀子も「卒業式の時の言葉かけを一生懸命やっている」と
褒めてもらいました。 

そして、クラスでの合奏! 

音楽祭の時に練習したドラゴンクエストの曲を演奏しました。 

相変わらず後半はK村先生に手を取ってもらって
無事に演奏することができました。 

本当はもう一人で演奏できるのかもしれないのですが、
「ここは先生と一緒!」と決めているようです。(笑) 

そして、いよいよ由紀子の歌の発表の時が来ました。 

土壇場で歌わないと言い出すのではないかという母の心配をよそに、
本人はのりのりでマイクを持って登場して来ました。

 

同じクラスのK君も横で楽器を使って応援してくれました。 

曲は「もののけ姫」 

音楽の先生にピアノで伴奏をしてもらって
とても気持ちよさそうに歌っていました。 

裏声でまるで米良さんの真似をしているような歌い方で・・・(笑) 

歌い終わると皆さんに大きな拍手をいただきました。 

母はこの瞬間緊張が切れて涙が止まらなくなってしまいました。 

本人は歌い終わって大満足! 

満面の笑みで手を広げて挨拶をしました。
まるでリサイタルの終わりの挨拶のようでした。(笑) 

自閉症という障害を抱えて生きている由紀子です。 

会話という手段でコミュニケーションを取る事は難しいけれど、
音楽でなら・・・歌でならみんなと心をつなぐ事ができます。 

そんな由紀子の事を理解して
発表の場を設けてくださった先生方に感謝します。 

たった一人の生徒にも光を当ててくださる先生方の気持ちが
本当にありがたいと思いました。 

そして、拍手を贈ってくれた
子どもたちや保護者の皆さんにも心から感謝します。

本当にありがとうございました。 

みんなの前で歌って拍手をもらった
今日のこの経験は由紀子の中で大きな自信になったと信じています。 

みんなと一緒に合唱をする時も、
由紀子はとてもいい笑顔でした。 

音楽!

これからのますます由紀子の中で
大切な物に育ってくれそうな予感がします。 


=END=
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

髪を切ってきたよ!

2004年03月04日 | ゆきちゃんの日記
くせ毛で伸びてくると
頭がジャングルになってしまうゆきちゃん。 

明日の発表会を控えて美容院へ行って来ました。 

引越して来てからずっとお世話になっているので、
お店のスタッフはみなさん顔なじみで
由紀子も安心して髪を切ってもらえます。 


写真はカットをしている風景ですが、
由紀子の手にご注目! 

大きな筆のような物を持っているでしょう?! 

これはカットした髪が顔につくのを嫌う由紀子に
担当の方がいつも持たせてくれる顔のお掃除用です。(笑) 

髪がぱらぱらと顔に落ちてくるとこれでパタパタと払います。 

この道具のおかげで
由紀子のストレスはかなり軽減されているみたいです。 

それに、どのスタッフの方も笑顔で対応してくれますが
必要以上に由紀子に話しかけることはしません。 

鏡の中で目が会うと笑いかけてくれて、
「前を切るよ!」とか
「顔をあげてね!」とか
「動いちゃだめだよ!」という
短い言葉かけだけで切ってくれます。

会話が苦手な由紀子は人に質問をされることが嫌いですから、
この対応はとてもありがたいのです。 

会話は少ないですが、
カットの途中でほかのスタッフの方があめ玉を持って来てくれたり、
お店を出る時にはみんな手を振って「
バイバイ!」と声をかけてくれたり
コミュニケーションはちゃんととれているんですよね。 

 
このお店の方たちは誰も自閉症の人の対応の仕方なんか
よく知らないと思うのですが、
由紀子と接しているうちに自然とこんな形が出来上がりました。 

これは、交流学級の子どもたちとの
関係を見ている時も感じることなのですが、
何も専門的な説明なんかしなくても、
人として触れ合うだけで
ちゃんと理解しあえるものがあるのだと確信させてくれます。 

心のバリアフリーってこういうのをいうのかな?ッて
思うんですよね!

 o(*^▽^*)o~♪ 


=END=
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする