家の下には小さなハヌマーン寺があり、そこは雨季の3ヶ月間は川の下ですが、乾季になると現れてサドゥーが住み着きます。
今回は珍しくそこに若い大学卒のサドゥーが洞泊しており、彼とはわりと仲良くなれました。
シータラマ-レディと名乗った彼は南インド出身のサドゥーで、もうすぐ南の聖地ラメシュワラムで大祭があるそうでそちらへ旅立って行きました。
レディはクシャトリア(武家)のカースト名だそうですが、シータとラマはヒンドゥー教の有名カップルの名前で、ちょっとオカマっぽいナルシストのサドゥーでしたが、親の遺産でお金には困ってないというコトで平等に付き合えました。
彼は自分こそバナーラスのサドゥーの中でNo.1だと主張しており、わたしはNo.2だと認めてくれました... ちょっとお調子者でやたらファッションに拘るヤツでしたが、南インド独特の温かみある顔付きが、ボブ-ディランの様に巻き上げたカール髪とマッチしてカッコ良かったです。
レディは以外と硬派なサドゥーで、一緒に火葬場の裏にあるサドゥーの溜り場テントに行った時も、そこで回ってくるチラム(大麻パイプ)には手を付けませんでした。
もちろんバングも食べずお酒も飲まずで、ストレートな心を保つのが大事だと語ってくれました。
久美子ハウスの下のハヌマーン寺はガートを見下ろすテラスにもなっており、靴を脱いで誰でもいつでも寛げます。
わたしはそこで唱題行やヨーガ、食事や読書もよくし、ガートは夜通し煌々と明るくて本が読めます。
まあでも、夜は犬がうるさく吠え出すのであまり夜遊びはせず、だいたい10時頃には久美子ハウスに帰ります。
ドミトリーでは大抵いつも夜遅くまでボン(みんなで大麻を吸うコト)が行われており、最近はよく雨が降って寒いので屋上では吸いませんが、暑い時期はみんな屋上にマットレスを持ち出して、ガンガーからの風を受けて寝てました。
屋上では音楽をガンガンかけっぱなしにしても苦情は来ず、それは夜通し火葬場でガンガン鐘を鳴らしているせいもあり、死者を送るのに音楽は大切で神聖モノと考えられています。
日本人旅行者はここで慣れないボンをキメようとし、その道に深入りする旅人もちらほら見掛けますが、お酒といっしょで飲み過ぎは善くないと抑制するのがミッションになっています。
葉っぱはあくまで「動物福祉向上」のタメに用いるべきで、火葬場の側にある「死を待つ人の家」などでこそ深く吸われるべきモノで、若者は仕事に支障が出ない程度に浅く長時間味わうべきだと勧めています。
バングを料理して食べるのがその道で、朝のグリーン-ティーをみんなに振る舞うのがとりあえずの目標になっています。