様々なアプローチから「心と健康」が論じられているの中で、私が特に注目するのは神経免疫学の開祖であられる安保徹先生の本です。
Dr.Aboについては Dr.Higaとの交友関係を前に紹介し、神経免疫学も有効微生物群と同じく、変革の初期には真っ向から逆波を受けたコトを語りました。
今では全ての血管の回りに張り巡らされた交感神経と副交感神経が、免疫システムに大きな影響を及ぼすコトは常識になっています。
ストレスなどの緊張が続くと交感神経により毛細血管は縮こまり、それに生体は危機感を覚えて顆粒球(免疫細胞)を過剰に放出してしまい、これは活性酸素で外敵を殺す兵器なので、暴走すると病変に繋がります。
逆にリラックスし過ぎて副交感神経が過剰に働くと、リンパ球(B.T.NK細胞など)が増えすぎます。
これは直接の害は無いのですが、顆粒球とリンパ球はバランスしているので、リンパ球が優位になると顆粒球が減って感染症のリスクが上がる他、統合失調症の悪化に繋がるともされます。(これは単にダラダラし過ぎが精神に良くないからでは…)
ここで「兵器の暴走」というテーマに脱線しますと、戦争や侵略は現象としてこれに当たり、これ以上でも以下でもないと思います。 やたらと兵器なんか作るから戦争が起きるのであり、軍産複合体が戦争の種を育てていると言った「陰謀論」もさにあらんかと思います。
プーチンなんかも軍産複合体の操り人形に過ぎず、この「病変の根っこ」については物語でも追及しました。(前の物語の「戦争の親玉」などで)
脱線ついでに言いますと、私は物語の登場人物を操るピグマリオン(人形使い)に成りたいとは思いますが、自分が操り人形にされたくはありません。
特に兵士にだけは成りたくなく、私がもしウクライナ人だったら、ロシアに潜入して反政府運動に加担するコトでしょう。
この運動はもちろん苦難の道で、地下や刑務所に潜って行うコトになりますが、それは宗教界の最高栄誉賞に輝いたソルジェニ-ツィンも歩んで来た道です。
私はロシア人に成りきるコトは出来ませんが、中国人に成りきるのはさして困難ではないので、中国がロシアのように暴走した時は、潜入して反政府運動に加担したいと思います。
話を「心と健康」に戻しまして、兵士のPTSDの問題に触れます。
これは殺したり殺されかけたりすると、その不安感がずっと残って全てに不安を覚えてしまう病気です。
チベットの絶滅収容所で働いた人民解放軍の兵士達も、多くの修羅場を越えて来て少なからずPTSDを抱えていたと想像されます。
こうした非常にネガティブな感情を紛らす為に、兵士達は酒や覚醒剤に依存して健康を害し、ますます精神は荒廃してしまいます。
そんな彼等を救う道として、死にゆくチベット人達と共に祈る「儀式」を描こうと思います。
これは前章で描いた山の洞窟での儀式と共通するモノですが、今度はシチュエーションがガラッと変わるので、次回に詳しく述べようと思います。