今回はそれが失われた心の状態、マリクパについて述べるのですが、話の流れから「Alcohol(酒)」と「Tea(T)」を引き合いにして語らせて貰います。
まずは酒のマリクパ(無明)から述べますが、身体的、精神的な影響は個人差が大きいので、ここでは社会的、慣習的な方面のマリクパをメインに論じます。
インドで酒が違法な事は前に書き、そのキビシさが州によってマチマチな事も書きましたが、それはイスラム教とヒンドゥー教(共に戒律で禁酒)の慣習が強く残っている地域では密売人は死刑まであり、ヒマラヤ山麓の仏教エリアとフランス植民地だった南部の一部の地域では普通に売られています。
同じ国でこんなに落差があるのは、その因縁を知らない旅行者にはガッテンしかねる所なのですが、酒を放任してる州では明らかにアル中の害が観られ、厳格に罰している州では密輸団と警察の抗争が後を絶ちません。
酒ごときの為にこんなに四苦八苦するインドの有り様は、成熟した酒文化を誇る日本や欧米から見るとマリクパ以外のなにものでもありません。
酒が飲めない州の若者達は飲める州に「アルコール観光」をし、ビールとウォッカの違いも知らない彼等はバカ飲みして死んじゃったりもします。
しかしこうしたマリクパは「Tea」の場合は日本人に当てはまり、オランダなどに「T観光」しに行った日本人がなにも知らずに呑み過ぎて、向こうの人にご迷惑をかける事がよく有るそうです。
まあ、草ごときいくら呑んでも食べでも死にはしませんが、慣れてないとパラノイア(数時間程度)に罹って周りに心配と迷惑をおかけします。
そうしたバッド トリップを防ぐ為に特別な体操(ヨーガ)や音楽(トランス)が発達しており、Tを深く味わうにはそれらの素養が求められます。
これはただ酔っ払ってマリクパになる事を求める酒とは趣が大きく異なり、逆にリクパを目覚めさせる目的でインドのサドゥー(遊行僧)などは草を摂取しております。
因みに、摂取の方法として煙を吸うのはタールの害が大きいのでお勧めしません。 Tはタバコの様にチュパチュパ吸っても効果は無く、全肺活量で吸ってとてもゆっくりと吐き出す必要があり、それは身体に有害なだけでなく精神にも過剰なアップ ダウンが生じて良くありません。
私も若い頃はそのジェットコースターのようなアップ ダウンを追求したモノですが、エベレスト トレッキングで知り合ったシェルパ族(日本人そっくり)のおじさんから、「Bhudda didn't smoke, he just eat it」と教わり、それは正しい教えだと信じるようになりました。
インドの聖地ベナレスには街角にバングラッシー店が在り、これはTeaの葉を粉にしてラッシーに混ぜたモノです。
子供はライト(軽い)しか飲ませて貰えませんが、大人(警官も飲んでる)はミディアムからスーパー ストロングまで選べ、これも観光客がいきなりスーパーに挑戦するのはお勧めしません。
たかが草と侮っていると、余りに周りとの友和感が強くなり過ぎて、世知辛いインド人からボッタクられること必至になります。
まあ、私が二十歳でベナレスに3ヶ月沈没した時は、物価が日本の1/10程だったのでいくらボッタクられても、お互いに良い事をしたぐらいの気持ちが持てました。
これについて周りの旅人からクレームが付くこともありましたが(タカリが増えるとして)、私としては喩えタカリであっても現地人とコミュニケーションを取る事に意義を感じ、どうしても1/10の物価に抑えたい理由があるならば、それを話せはインド人は喜んで理解してくれます。彼等はたんに外国人にチョッカイ出して退屈な日常を紛らわしたいだけなので、ヒマな旅人ならそれに付き合ってあげても良いでしょう。
ちょっと脱線しますが、タカリにはチベットでかなり遭った経験があり(外国人いちゃいけない所で捕まって)、あんまりふっかけて来る時には開き直って「刑務所入ったるからそんな金は出さん」と言うと、向こうはかなり罰金額を下げてくれました。
これに比べればインド人のタカリなんて可愛いもので、それに目くじら立ててる様じゃマリクパかなと思います。
しかし中には悪いインド人もおり、宝石の日本への密輸を手伝ってくれたら数百万円のリベートをくれるなんて話を持ちかけられ、人を疑う気持ちが何処かへ消え去ってしまう聖なる草の酔いからコロッと騙されて、有り金全部巻き上げられた事があります。
これは今思うと、よく日本に帰って来られたモノだ、と云った話しなのですが、脱線するのでここではしません。
とにかく、st+ Mary-Janeは人を疑う心を無くすので、これを悪用する人には気を付けて下さい。
最後にもう一度「酒のマリクパ」に話しを戻し、より深刻なアルコール依存症について述べようと思います。
これは日本でも深刻な問題なのですが、世界アル中トップは断トツで中国です。
中国は酒に税金を掛けていない稀な国で、酒類販売許可なんかも無いので路上で自家製の酒をビニール袋に注いで販売してたりします。
その値段は極端に安く(水よりも)、イギリスでインド人向けの食材が無税で極端に安いのと同じ感じです。
これではアル中大国に成るのは必至に思え、それはむしろ中国共産党の望む所なのかと勘ぐりたくなります。
酒のマリクパは刹那的な快楽に走り、それはMacaoが世界一のギャンブル都市に発展した事と明らかに関連しておりますが、この魔顔のカジノはコロナでシャットダウンされて壊滅状態になりました。
実は私はコロナ発生当初に武漢に立ち寄っており(病院にも)、そこで風邪をひいて暖かいマカオに療養しに行っており、その頃はまだカジノが開いてたのでけっこう咳して廻りました。
風邪はすぐに治ったのでコロナじゃないとは思いますが、もしかしたら私は魔顔をシャットダウンさせて酒のマリクパのウェイスト(浪費)を減らす事に貢献したのかも知れません。