三月の声をきき、春めいてくると思い出すこの歌、
白い手紙がとどいて明日は春となるうすいがらすも磨いて待たう
齋藤 史
齋藤史(さいとう ふみ)氏の第一歌集「魚歌」にある、心惹かれる歌のひとつ。自分のなかで 三月の歌 と、勝手に
決めつけている。
「魚歌」が発行されたのが1940年とあるから、もう70年も前の歌なのにそんなに古いとは思えないのが不思議な気がしている。
モダニズムな表現のこの歌は、当時ではきっと異色な歌であったのかも・・・
明日は春となる・・・とあるので立春の頃かもしれないとも考えるが、受け取る側の感覚は3月として読んでいる。
そこが短歌の自由なところで、読み取るほうは自分の感覚で読んでいいのではないかと、これはやーや独自の考えかもしれません。
短歌を詠むことは勿論ですが、人様の短歌を読み、あじあうことも楽しいことです。
好きな歌に出あえることを楽しみに、これからも短歌を読み続けたい思っています。