いのち

元気な時は


もっとあれもこれもしてほしい、って思い


手足がきかなくなると


もっといろんなところに行きたかった、と悔む


お話ができなくなると


もっといろいろ話したかった、なにかいって、とせがみ


意識がなくなると


わたしを見て、話を聞いて、とねがう


そうして


いのちが尽きてしまうと


その手があたたかいだけでよかったのに、と涙にくれる


もっとはなしをきいてあげればよかった


もっとありがとうをつたえればよかった


想いはつきない


でも


その想いのひとつひとつ


思い出のひとつひとつが


もう会えないいのちを


あしたへつなぐ


永遠に