米朝交渉 round 3

米朝関連で、興味深い記事を見かけた。

米財務省は３日、北朝鮮と取引を行ったロシアのアグロソユーズ商業銀行や
北朝鮮の外国為替銀行である朝鮮貿易銀行のダミー会社２社、モスクワ駐在
の朝鮮貿易銀行幹部を制裁対象に指定したと発表した。米国内の資産が凍結
され、米国人との取引も禁止される。
６月にシンガポールで行われた米朝首脳会談後、対北朝鮮制裁の発表は初め
てで、北朝鮮の反発は必至だ。米国は、北朝鮮が非核化を行うまで、制裁を
維持するよう各国に呼び掛けている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（JIJI.COM ８月４日配信）

どうやらアメリカは、非核化を進めようとしない北朝鮮に対して、信賞必罰
の姿勢で臨むことに決めたようだ。経済制裁の圧力を強め、制裁破りに加担
した企業は厳しく罰する。逆に、非核化に貢献すれば、これを褒めたたえ、
経済支援のご褒美を進呈しよう、というわけである。

北朝鮮は先日、朝鮮戦争で死亡した米兵の遺骨を返還した。これに対してト
ランプ米大統領は、ツイッターで謝意を示しこそすれ、経済制裁の圧力を緩
める姿勢は示そうとしない。「この程度のことで、お茶を濁そうとしても、
駄目だよ。きちんと非核化するまでは、制裁の解除なんて、あり得ないから」
ということだろう。

こうなると、日朝交渉はだいぶやりやすくなるのではないか。日本と北朝鮮
の外相はきのう、（国際会議が開かれている）シンガポールで接触したらし
い。（中国の援助が期待できるとはいえ）経済制裁の兵糧攻めで苦境に立た
されている北朝鮮にとっては、「拉致問題を解決すれば、経済支援もやぶさ
かではないぜ」という日本側の提案は、魅力的な甘〜い誘い水になるに違い
ない。

問題は、北朝鮮に対する日本の経済支援を、アメリカが認めるかどうかであ
る。拉致問題という懸案の解決は、日に日に人気の低下が著しい安倍首相に
とっては、起死回生の逆転ホームランになるはず。ドナルド、解ってくれよ、
と言いたいところだろうが、はたしてどうなりますことやら。