ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

米朝交渉 round 11

2018-08-25 11:53:10 | 日記
う〜む、解らない。ますますもって解らない。トランプ米大統領が何を考え
ているのか、私にはさっぱり解らない。
きょうの早朝に届いた日経の速報メールによれば、トランプ大統領は24日、
ポンペオ国務長官に訪朝を中止するよう求めた、とツイッターで発表したと
いう。

トランプ大統領は「マイク・ポンペオ国務長官に今の時点で北朝鮮を訪問し
ないよう求めた。朝鮮半島の非核化に関し十分な進展がないと感じているた
めだ」と説明。「また、われわれの中国に対する通商姿勢の大幅な厳格化を
理由に、(現在科されている国連(UN)制裁にもかかわらず)中国はかつて
ほど非核化のプロセスを後押ししていないと考えている」とも書き込んだ。
                     (AFP 8月25日配信)

きのう本ブログで書いたように、ポンペオ国務長官の訪朝は北朝鮮側の要請
に基づくものであり、この訪朝は暗礁に乗り上げた米朝交渉の、その打開の
いとぐちになるかも知れない(ならないかも知れない)、ーーそう私は思っ
ている。

北朝鮮がアメリカの非核化の要求に、そうやすやすと応じることはないだろ
う。だが妥結の可能性がゼロだと判ったわけでもないのに、訪朝の要請をこ
ちらから足蹴にするとは、一体どういうことなのか。

もしかするとトランプ大統領は、「非核化問題の解決=交渉の妥結」という
手柄を、ポンペオ長官に横取りされることを恐れ、訪朝計画つぶしの挙にで
たのだろうか。「交渉を妥結に導くのは、オレ様だ! オレ様でなければなら
ない!」と考えて、妥結の芽を摘むとしたら、これは愚かなふるまいと言う
しかない。ホントにそうなのだろうか。

トランプ大統領が何を考えているかを知りたくて、私は速報メールの細部に
目を凝らした。次の文言が目についた。

トランプ米大統領は24日、ツイッター(Twitter)への投稿で、来週予定され
ていたマイク・ポンペオ国務長官の訪朝の中止を発表するとともに、北朝鮮
の非核化の取り組みをめぐり中国を批判した。

この文言に示されているように、トランプ大統領はポンペオ長官の訪朝を中
止させた理由として、中国の(北朝鮮問題に対する)非協力的な姿勢をあげ
ている。これはどういうことなのだろう。

たしかに中国が対北経済制裁に非協力的で、制裁逃れに加担したままであれ
ば、アメリカの対北兵糧攻め作戦は充分に機能せず、北朝鮮はいつまでも非
核化要求に応じないだろう。北朝鮮攻略は、手順からすれば、中国を自陣に
引き入れ、北朝鮮への補給線を完全に絶つことが先決なのだ。中国に貿易戦
争を仕掛けたのは、そういう作戦の一環であると考えられ、したがって貿易
戦争の帰趨が対北交渉の大きな鍵をにぎることになる。対中貿易戦争の帰趨
を見極めるまで待て、とトランプ大統領は言いたいのだ。次の文言は、その
あたりの事情を物語っている。

トランプ大統領は別の投稿で、ポンペオ長官は「近い将来」に訪朝する見通
しだとした上で、その実現は米中通商関係が「解決」してからになるとの見
解を表明した。

いやー、ドナルド、なかなかやるじゃないか。私にはこの老人がなんだか
「北風の大袋を携えて、にこにこ微笑む笑顔の太陽」の姿に見えてきた。
コメント
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