こういうニュースに出くわした。
米国のボルトン大統領補佐官は、北朝鮮が6月の米朝首脳会談で確約した非核
化に必要な措置を取っていないと述べた。
ボルトン補佐官はまた、ポンペオ国務長官が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウ
ン)朝鮮労働党委員長と会談するために再度訪朝する用意があるとも述べた。
ボルトン氏は「われわれに必要なのはさらなる言葉ではなく、非核化に関する
北朝鮮の行動だ」と指摘。米国はシンガポール宣言に従って行動しているが、
「北朝鮮はわれわれが必要と考える非核化に向けた措置を講じていない」と
語った。その上で制裁の緩和は検討していないと強調した。
(8月7日 ロイター)
つまり、ボルトン米大統領補佐官はこう言明したのである。我が国は北朝鮮に
対して、今後は太陽から北風の姿勢に転じ、是々非々の態度で臨むことにする
から、よろしく、と。是とされるメインテーマは、言うまでもなく非核化の実
行である。
アメリカがこれほど非核化にこだわるのは、北朝鮮の核兵器がリアルな脅威と
して受けとられているからである。北朝鮮の核ミサイルが我が国に向けられ、
我が国に到達可能になれば、我が国は甚大な被害に曝される、これは相当ヤバ
いことだぞ。ーーアメリカの国民も為政者も、リアルにそう感じ取る想像力を
持っている。彼らの脳裏には、たぶん73年前の、あのヒロシマの惨状が思い
描かれているのだろう。
キ▲ガ▲が持つ刃物ほど怖いものはない。北朝鮮の非核化は国際社会全体の切
望するところであり、国際社会は一丸となって事に当たる・・・筈だった。経済制
裁の兵糧攻めを行えば、北朝鮮は追いつめられ、非核化を実行せざるを得なく
なる・・・筈だった。
だが、そうは問屋が卸さない。中国とロシアが、兵糧攻めの包囲網に 補給の抜
け穴を穿っている。中国とロシアは、北朝鮮が干上がらず、アメリカとの間の
「緩衝国家」としてしっかり存続することを望んでいるのだ。
これは以前、本ブログで述べたことだが、米-中間、米-露間の軍事的緊張が無
くなれば、中国もロシアも「緩衝国家」としての北朝鮮の存続を必要としなく
なり、そうなれば中露とも(国連安保理の)北に対する経済制裁に協力するよ
うになるだろう。
米-中間、米-露間の軍事的緊張が無くなれば、と今、私は書いたが、難しいの
はほかでもない、このことである。米中露の大国がそれぞれ大量に核ミサイル
を保有し、互いに「寄らば斬るぞ!」の構えで睨み合っている現状では、軍事
的緊張を無くすことなど夢のまた夢、望むべくもない。
きのう本ブログで書いたように、「核戦争を忌避し、『核戦争はなんとしても
無くすべきだ』と思う人が多数派を占めるようになれば」、この現状も変わる
ことだろう。だが独裁政治が行われる現今の中国とロシアで、はたしてそのよ
うな可能性があるのか、と考えると、どうにも心許ない。
米国のボルトン大統領補佐官は、北朝鮮が6月の米朝首脳会談で確約した非核
化に必要な措置を取っていないと述べた。
ボルトン補佐官はまた、ポンペオ国務長官が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウ
ン)朝鮮労働党委員長と会談するために再度訪朝する用意があるとも述べた。
ボルトン氏は「われわれに必要なのはさらなる言葉ではなく、非核化に関する
北朝鮮の行動だ」と指摘。米国はシンガポール宣言に従って行動しているが、
「北朝鮮はわれわれが必要と考える非核化に向けた措置を講じていない」と
語った。その上で制裁の緩和は検討していないと強調した。
(8月7日 ロイター)
つまり、ボルトン米大統領補佐官はこう言明したのである。我が国は北朝鮮に
対して、今後は太陽から北風の姿勢に転じ、是々非々の態度で臨むことにする
から、よろしく、と。是とされるメインテーマは、言うまでもなく非核化の実
行である。
アメリカがこれほど非核化にこだわるのは、北朝鮮の核兵器がリアルな脅威と
して受けとられているからである。北朝鮮の核ミサイルが我が国に向けられ、
我が国に到達可能になれば、我が国は甚大な被害に曝される、これは相当ヤバ
いことだぞ。ーーアメリカの国民も為政者も、リアルにそう感じ取る想像力を
持っている。彼らの脳裏には、たぶん73年前の、あのヒロシマの惨状が思い
描かれているのだろう。
キ▲ガ▲が持つ刃物ほど怖いものはない。北朝鮮の非核化は国際社会全体の切
望するところであり、国際社会は一丸となって事に当たる・・・筈だった。経済制
裁の兵糧攻めを行えば、北朝鮮は追いつめられ、非核化を実行せざるを得なく
なる・・・筈だった。
だが、そうは問屋が卸さない。中国とロシアが、兵糧攻めの包囲網に 補給の抜
け穴を穿っている。中国とロシアは、北朝鮮が干上がらず、アメリカとの間の
「緩衝国家」としてしっかり存続することを望んでいるのだ。
これは以前、本ブログで述べたことだが、米-中間、米-露間の軍事的緊張が無
くなれば、中国もロシアも「緩衝国家」としての北朝鮮の存続を必要としなく
なり、そうなれば中露とも(国連安保理の)北に対する経済制裁に協力するよ
うになるだろう。
米-中間、米-露間の軍事的緊張が無くなれば、と今、私は書いたが、難しいの
はほかでもない、このことである。米中露の大国がそれぞれ大量に核ミサイル
を保有し、互いに「寄らば斬るぞ!」の構えで睨み合っている現状では、軍事
的緊張を無くすことなど夢のまた夢、望むべくもない。
きのう本ブログで書いたように、「核戦争を忌避し、『核戦争はなんとしても
無くすべきだ』と思う人が多数派を占めるようになれば」、この現状も変わる
ことだろう。だが独裁政治が行われる現今の中国とロシアで、はたしてそのよ
うな可能性があるのか、と考えると、どうにも心許ない。