米朝交渉について取りあげた本ブログの前回冒頭部分で、私は次のように書
いた。「北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉は、完全に暗礁に乗り上げたよう
にみえる。」
こう書いたとき、私の念頭にあったのは、「非核化よりも(朝鮮戦争の)終
戦宣言のほうが先だ」とする北朝鮮の主張である。この主張は、(北朝鮮に
対して強硬に非核化をせまる)ボルトン米大統領補佐官やポンペオ国務長官
に向けられたものであり、批判の矛先はもっぱら彼らに向けられている。
ただ、こういう硬直した姿勢を見せながらも、北朝鮮は他方で、金正恩委員
長とトランプ大統領との直接会談を望んでいる。私が望みを見たのは、そう
いう報道に対してだった。北朝鮮のそうした柔軟な姿勢に、膠着した事態を
打開するいとぐちを見いだせるのではないか、ーーそう私は考えたのだった。
トランプ大統領は、ボルトン、ボンペオらの強硬派と違い、「終戦宣言を先
にしてもよい」と考えているふしがある。
だが今回、私はまたしても次のように書きたい気分になったのである。「北
朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉は、完全に暗礁に乗り上げたようにみえる」
と。
こう書きたい気分になったのは、ほかでもない、数日前、以下のような報道に
出くわしたからである。
米国務省のナウアート報道官は14日の記者会見で、北朝鮮が求める朝鮮戦争
(1950~53年)の終戦宣言に関し、「われわれは平和体制(構築)を支持し
ているが、主要な焦点は朝鮮半島の非核化だ」と指摘した。
終戦宣言よりも非核化の進展を優先する立場を改めて示した形だ。
(JIJICOM 8月15日配信)
つまり、「非核化よりも終戦宣言のほうが先だ」と主張する北朝鮮に対し
て、アメリカは「いや、終戦宣言よりも非核化のほうが先だ」と返したとい
うのである。これでは子供の喧嘩みたいで、埒が明かない。
問題は、今回の米国務省報道官の記者会見が、だれの意を体して行われたか
である。ポンペオ国務長官なのか、それともトランプ大統領なのか。それと
も、これはトランプ大統領が揺さぶりのために放った政権総ぐるみの仕掛け
花火なのか。それとも、様子見のためのアドバルーン、観測気球なのか。あ
るいは、厄介な交渉なんていっそチャラにして、北に軍事攻撃・・・なんてこと
は、ないよね? それとも、この軍事攻撃の可能性までもが、交渉のためのカー
ドというか、ポーズだったりして・・・。
さて、この先、どうなりますことやら。
いた。「北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉は、完全に暗礁に乗り上げたよう
にみえる。」
こう書いたとき、私の念頭にあったのは、「非核化よりも(朝鮮戦争の)終
戦宣言のほうが先だ」とする北朝鮮の主張である。この主張は、(北朝鮮に
対して強硬に非核化をせまる)ボルトン米大統領補佐官やポンペオ国務長官
に向けられたものであり、批判の矛先はもっぱら彼らに向けられている。
ただ、こういう硬直した姿勢を見せながらも、北朝鮮は他方で、金正恩委員
長とトランプ大統領との直接会談を望んでいる。私が望みを見たのは、そう
いう報道に対してだった。北朝鮮のそうした柔軟な姿勢に、膠着した事態を
打開するいとぐちを見いだせるのではないか、ーーそう私は考えたのだった。
トランプ大統領は、ボルトン、ボンペオらの強硬派と違い、「終戦宣言を先
にしてもよい」と考えているふしがある。
だが今回、私はまたしても次のように書きたい気分になったのである。「北
朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉は、完全に暗礁に乗り上げたようにみえる」
と。
こう書きたい気分になったのは、ほかでもない、数日前、以下のような報道に
出くわしたからである。
米国務省のナウアート報道官は14日の記者会見で、北朝鮮が求める朝鮮戦争
(1950~53年)の終戦宣言に関し、「われわれは平和体制(構築)を支持し
ているが、主要な焦点は朝鮮半島の非核化だ」と指摘した。
終戦宣言よりも非核化の進展を優先する立場を改めて示した形だ。
(JIJICOM 8月15日配信)
つまり、「非核化よりも終戦宣言のほうが先だ」と主張する北朝鮮に対し
て、アメリカは「いや、終戦宣言よりも非核化のほうが先だ」と返したとい
うのである。これでは子供の喧嘩みたいで、埒が明かない。
問題は、今回の米国務省報道官の記者会見が、だれの意を体して行われたか
である。ポンペオ国務長官なのか、それともトランプ大統領なのか。それと
も、これはトランプ大統領が揺さぶりのために放った政権総ぐるみの仕掛け
花火なのか。それとも、様子見のためのアドバルーン、観測気球なのか。あ
るいは、厄介な交渉なんていっそチャラにして、北に軍事攻撃・・・なんてこと
は、ないよね? それとも、この軍事攻撃の可能性までもが、交渉のためのカー
ドというか、ポーズだったりして・・・。
さて、この先、どうなりますことやら。