ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

コロナ下なのに 諍いの種を撒く米中は

2020-05-28 14:58:14 | 日記
世界各国がコロナとの戦いに追われ、ほとほと消耗しているというのに、中国の軍事行動だけは活発で、その膨張主義・軍拡路線は際立っている。中国の「やる気」は軍事予算にも表れている。朝日新聞によれば、中国の今年度の軍事予算は前年実績比で6・6%増の1兆2680億元(約19兆1700億円)。伸び率は前年比では0・9ポイント減だが、依然として高い水準にある。米国に次ぐ世界第2位の規模は変わらず、日本の防衛予算の4倍弱に上るという(朝日新聞DIGITAL5月23日《中国の国防費 危うい軍拡いつまで》)。

この膨大な軍事費の使途は、言うまでもなく覇権の拡大のためである。まずは南シナ海。この海域で、中国はベトナムやフィリピンに対して威圧行為を繰り返し、空母の訓練も行っている。この夏には、台湾が実効支配する島の奪取を想定した上陸演習を計画中だという。

中国の膨張主義の波は、日本の周辺にも押し寄せている。尖閣周辺では、中国公船の活動が活発化し、去る8日には、中国海警局所属の「海警」4隻が2時間にわたって日本の領海に侵入した。このうち2隻は、付近で操業中の日本漁船に接近するなどの威圧行動をおこなった。

しかしなぜなのかーー。中国の共産党指導部は、一体何を狙っているのか。コロナ禍の打撃を受けているのは、中国の内情も同じだろう。それなのになぜ中共指導部はかくもせっかちに軍拡へと邁進するのか。

おそらく共産党の指導部は、国内がコロナ禍で打撃を受けたからこそ、だからこそ軍拡に突っ走るのではないだろうか。コロナ禍で委縮した人民の心を、愛国心によって奮い立たせ、政権への求心力を高めようとしているのではないだろうか。

一方で、米中の対立も激しさを増している。アメリカの場合は、コロナ問題で失政気味のトランプ大統領が、人気を挽回し、再選への求心力を高めるため、有権者の反中感情を煽っているという事情がある。

内政上の理由で国際社会に諍(いさか)いの種を撒くという点では、アメリカの指導者も中国の指導者も、どっちもどっちである。コロナ問題はまだ片付いたわけではない。この難局を克服するため、国際社会が協調して事に当たるべきこの時期に、あろうことか悶着の種を撒くなんて・・・。習くんも、トランプくんも、ああ、困ったものだ。
コメント
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