筑紫文化財研究所

筑紫における歴史的文化の探求と漫遊

第52回 博多人形与一賞展

2022-07-16 08:32:05 | 人形


若手博多人形師の登竜門とされる「与一賞」は、 長年、博多人形の発展に尽くした博多人形師 故小島与一氏にちなんで 創設された賞で、博多人形の後継者の 創作意欲と技術技法の向上を目指し、 博多人形商工業組合により博多大丸アートギャラリーで毎年開催されてています。

[会期] 7月13日(水)~19日(火) 午前10時~午後8時(最終日は午後5時閉場)
[会場] 大丸福岡天神店 本館6階 アートギャラリー 入場無料

与一賞 石井美緒「道祖白兎大明神」
特選  阿部範子「大きくなったら鬼になる(上毛町子ども神楽)」
    桑原修 「平教経、八艘飛びを見送らざるを得ず」
大丸賞 青木利絵「高く」
博多人形商工業組合理事長賞
    川崎高歩「初陣」

2022ヤマ褒め2 10番山笠 天神1丁目

2022-07-10 12:41:03 | 人形


10番山笠 天神1丁目 表 
「天神縁起傳」
人形師 中村 信喬

福岡の中心街「天神」(昭和30年代頃まではテンジンノチョウと言ってました)の由来
天神様となった菅原道真公の生い立ちから大宰府で過ごした晩年2年間の話。
スポンサーの西日本新聞さんがこのヤマを太宰府の九博に展示するのを見込んでの標題か。
雲、花、松、岩瘤、波、波花等の背景の全ては昨年同様に印刷もので違和感がある。
番外の櫛田神社境内のヤマでは竹骨の旧来の岩瘤が使用されているところを見ると
信喬氏は中州と天神1丁目のヤマには確信的にこのプロッター出力の部材を使用している模様。
(参考;https://blog.goo.ne.jp/yuukodou/e/73c0d2cf8389dff685eb159cec54a1d5)
顔は木彫で道真公は太宰府天満宮前宮司にどことなく似て、ふくよかで若く表現される。
浄妙尼は眉丘が高いお爺さん顔で鬘がずれてしまっている。
下絵よりも水の流れが上から下へのつながりとして躍動的に表現される。



10番山笠 天神1丁目 見送り 
「清涼殿落雷」
人形師 白水 英章

道真公死後の都での神罰の場面。
顔は使いまわしでなくこのヤマのために制作された顔で
能ものが得意な白水家の特徴を出し
右下の藤原清貫は能面の尉面風に表現される。
東流や博多駅のヤマ同様に上位には小さな衣装人形が舞台に乗せられ表現される。
天神と雷神の乗る雲は暗雲でスチロール板の切り出しで細かく造形される。
全体の印象として屋形も多く余白が少なくやや下に詰まりすぎの感があるが、
人形も背景も精緻で丁寧で見ごたえのある仕上がり。

「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」in福岡の博多人形

2018-11-03 22:15:54 | 人形


伝統的工芸品への理解と普及を図ることを目的とした
「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」が、福岡市のマリンメッセで開催中(11/4まで)。
30年ぶりの福岡県での開催なのだそうです。




人形は「過去」「現在」「未来」と3つのコーナーで紹介され、


博多人形 × ニコライ・バーグマンのコラボ展示もあります。