筑紫文化財研究所

筑紫における歴史的文化の探求と漫遊

中ノ子型の内裏雛

2017-03-11 19:24:21 | 人形

春先のにぎわうとある店頭で中ノ子型のお内裏様に出会いました。
いわゆる郷土人形系の土人形としては非常に繊細な彩色が施されています。


こちらは以前紹介した中ノ子勝美氏六十代頃の作と思われる内裏雛です。
彩色は氏が苦心されて復刻されたもので、円熟し完成度の高い作です。




文様が異なるものの、男雛がやや右に首をかしげるような様から
同じ型からなる作と思われますが、表情は柔和で女性的で、
若さが感じられる面持ちとなっています。


平成27年大黒流すの二追善山

2015-07-12 10:28:33 | 人形

大黒流では11日の他流がきの後にヤマの功労者で物故者となった方の「追善山」がおこなわれます。


平成27年大黒流すの二では流の有名人であった阿部浩之助さんの追善山がおこなわれました。


詰め所に設えられた祭壇にヤマがかき入れられます。


流の役員が台から降りて棒の上に揃い口上を述べ、台の上で焼香します。
そののちに博多祝いうた1番がかき手全員で唱和され、手一本が入れられます。


町では酒やビール、つまみのお接待をし、子どもにはお菓子が配られます。
阿部さんは流の重鎮、若い人にとってはいわゆる「やかましもん」のおいしゃんとして
叱咤激励していただけるヤマやどんたくの先生的存在で、他町から多くの弔問を受けました。


10分ほどのあっという間のできごとでした。


先達あってのヤマです。
ヤマは行事に弔事を包含しており、こうしながら次の世代に継がれて来たのでしょう。
「こげな自由やけど組織だった祭りは他所にゃぁなかとですばい!」
写真の阿部さんが笑っておられました。