筑紫文化財研究所

筑紫における歴史的文化の探求と漫遊

野間焼について8

2013-04-02 23:01:47 | 野間焼

山王神社の拝殿に飾られた古写真です。
「大正5年5月 山王神社鳥居竣工記念写真 皿山3丁目小林ミエ様提供」
とタイトルが書かれています。


着ものに山高帽子、職人は長い袢纏を羽織っています。
鳥居の笠木にも人が乗って、その上に棟上げの飾りが上がって
村を挙げての大イベントだった様子がよく表現されています。
おそらくこの中心の人たちが陶工の当主達だったのでしょう。

野間焼について7

2013-04-01 21:59:49 | 野間焼

皿山山王神社(南から)

佐々木与七、澤田瞬山の窯があったと考えられる山王神社です。


神社の縁起書きによれば明治29年(1896年)4月に、
ここの陶工が京都から主神大山食咋神、
客神に火産霊神を勧請し落成したものとされています。
先に示した「日本近世窯業史」1921年の記述によれば、

・安政三年に藩庁が京都の陶工佐々木與三を招き開窯(別に横田與七の名あり)。
・明治十二年、與三の帰京に際し、同村澤田舜山が其工場を購う。
・澤田舜山も栗田陶工にて、先に当国須恵村の製磁業のため、当藩主に招かれた。

とされている。
窯場としては江戸末期に藩の陶器製陶所として創業し、
明治になって一時磁器も生産していたことがわかる。