妄想ジャンキー。202x

人生はネタだらけ、と書き続けてはや20年以上が経ちました。

『願い事』

2007-10-31 09:56:46 | 物書き
灰が最後まで落ちなかった。
願いが叶う。

猫が笑いかけてきた。
願いが叶う。

流れ星を見つけた。
願いが叶う。


私は今日も願う。
くだらない願い。
くだらない幸せ。


何億もの願いを思い浮かべて、20年が過ぎた。
たくさんの本を読んで、たくさんの人に会って、たくさんの景色を眺めて。

希望と絶望に向き合っているうちに、わかったことがある。


私が考えているよりも、世界はシビアだ。
0と1の世界。
白か黒かのどちらか。

計算しつくれさて、理知的で残酷な世界。
この世界では、行動をしたものだけが報われる。

願っているだけでは叶わない。
願いは現実のものとならない。


それをわかっているからこそ、願うだけでいい。
願いが叶った瞬間、また何かを求めるのはわかりきっている。
求めて拒まれた瞬間、また暗闇の世界に浸る。

願いは叶わなくていい。


私は願い続けるだろう。
くだらないこと。
くだらない幸せ。

この幸せが未来永劫続くことを願うだろう。



灰を落とさないように。
このまま最後まで吸えたら願いが叶う。

──あっ。

黒い塊は闇に落ちていった。
重力に身を任せて。

簡単な世界を動かす明らかな力。
逆らうことは出来ない。

力に任せて生きていこうか。

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