妄想ジャンキー。202x

人生はネタだらけ、と書き続けてはや20年以上が経ちました。

〈08冬、北海道・果ての岬〉川湯温泉の温もり

2008-02-14 19:53:34 | ○08冬、極寒北海道・果ての岬
網走に早く着き過ぎてもやることがないので、せっかくだから川湯温泉で降りてみることにした。

駅から温泉街まで、バスで10分。
駅行き最終に間に合わせるには滞在時間が30分もない。
――しかたない。
それに待ち時間は2時間もあるのだ。
駅構内に足湯があるとはいえ、幹線道路から離れた無人駅で、しかも真冬――ちょっと怖いなあ。
小銭がないというアクシデントもあったがどうにかこうにか、温泉街行きのバスに乗った。

途中ダイヤモンドダストパーティの会場を通った。
キラキラと金のイルミネーションが眩しい。
終点まで行き、最終バスの時間を確かめてから歩き出す。
「今日泊まるんじゃないの?」
「いえ、列車の待ち時間が長いんで暇つぶしがてらに来てみました」
「そうかい、焦って転ばないようにね。焦らないでね」
優しい心使いが暖かい。
北斗星の車掌もそうだったが、北国の人って優しいと思った。

時間はなくとも、少しくらいは見てみようと思った。
川湯温泉バスターミナルから温泉街へ。
「あっ」
いつだったかの『田舎に泊まろう』に出ていたケーキ屋さん。
原口あきまさが作った雪だるまもまだ残っている。
せっかくなのでお店におじゃますると、やっぱりテレビでみたお母さんが登場した。
「あの、こないだテレビでみました。原口あきまささんが」
「あらやだ、お恥ずかしい」
照れたお母さんが可愛い。
しばらく立ち話をした。
独り旅ではこんな交流が心から暖かく感じる。

終バスに間に合わせるためまたバスターミナルへとんぼ帰り。
さっきの運転手さんが待っていた。
「さあ帰ろう」
と話しかけてくれて、夜の川湯を大型車ドライブとあいなった。
埼玉から来たこと。
釧路湿原に感動したこと。
『田舎に泊まろう』を見て、ほんのちょっとでも来てみたくなったこと。
沖縄のおじいおばあにダイヤモンドダストを見せてあげたいと思ったこと。
運転手さんも、川湯での暮らしのこと。
ダイヤモンドダストのこと。
道東の冬の厳しさと素晴らしさ。
東京に行った一人息子のこと。
往復たった20分の間なのに、ずいぶん長いこと一緒にいるような気がした。
こういうとき独り旅をしていて良かったと実感する。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 〈08冬、北海道・果ての岬〉... | トップ | 〈08冬、北海道・果ての岬〉... »

コメントを投稿

○08冬、極寒北海道・果ての岬」カテゴリの最新記事