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『第3艦橋より』の読み応えポイント5つ

2014-12-27 22:03:20 | comico

<<ネタバレしてます。未読の方はご注意ください>>



comicoの推しマンのひとつ、木曜連載・城谷間間さんの『第3艦橋より』。





ストーリー構成が作者よがりでもなく読者媚びでもなく、物語として楽しめる。キャラも自立していて、ミステリー小説くらいの読み応えがあります。

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【「第3艦橋より」が本気でオススメできる理由5つ】

1.壮大な伏線。

第1話「それはTAMAYAからはじまった」より。

言語学者であるポピー・アジェナと、メイドのような恰好をしたスッチ・アベリアライトが出会うところから、物語は始まります。


初回のこの何気ない一文、「お母さんみたいな人」が後々に重要なポイントとなりました。

第37話「Preface」でスッチさんが語る真実、加えてその後の第59話「彼女の想いでV」でもさらに秘密が明らかになります。




あまりのストーリーの出来具合に、ひぐらし以来の鳥肌がたってる私です。
Web連載っていう新手法、しかも人気が落ちたものはジャンプよろしく打ち切り、っていうある意味不安定な状況だというのに、第1話から壮大な伏線が張られてて、1年以上経ってから回収されるっていうktkr感。




2.スマロとことみが泣ける。

スッチさんやポピーたちの日常の中に、とある出来事がきっかけで物語は壮大な展開を迎えます。
第9話「Attack3」より、走査ポットに連れ去られた(?)地球の女子高生・茂原ことみ。彼女をめぐってストーリーが進んでいきます。



ことみ自身を地球に還し、複製体を元老院に引き渡す、という作戦の元、複製施設を訪れたことみとポピー。そこに待っていたは旧式のアンドロイドでした。

第19話「Yarns to Earth」より。


このアンドロイド、ことみのスマートホンを壊して治した経緯から、「スマロ」と呼ばれるようになるんですが、スマロとことみの絆にジワジワ泣けてきます。

第40話「Reboot」と第41話「物理的にみた単細胞」より。こぴみ(後で説明)との戦闘で動けなくなったスマロ。
先に逃げろとことみに伝えるのですが、動かないことみに対してスマロは「物はいつか壊れる運命」と言います。
「生きること」「生命」の意味を問うスマロは、現代の生命倫理や、人間中心の消費社会に対する問いかけのようにも感じえます。
人工知能が人間の思考力をしのぐ時代が迫っているというニュースも耳に新しいですが、その時代を思わせるようです。



スマロをアンドロイド、ロボット、物ではなく「生きている」と言い切ったことみ。
危険をおかしながら迎えに来たことみが、スマロに対して「愛着」ではない「友情」のようなものを感じます。




3.こぴみが怖い

第34話「illegitimate child」にて、ことみのコピー(複製体)が完成しました。

このコピー(こぴみ)を元老院に差し出してことみを地球にかえすという計画だったのですが、こぴみが暴走しはじめます。
それが怖いったらもう。

第35話「soulless」あたりから深夜閲覧注意レベル警報が発令。
第47話「MOTHER」ではホラー顔負けの表情。


もうほんと怖いからこのへんで。




4.漢気マリゴー艦長とマリナさん。


QWERTYの艦長はマリーゴールド・ポテ。
第3話「QWERTY」で登場したときはどこぞのツインテールちゃんかと思いましたが。

第16話「blame」では艦長らしい表情を見せてくれます。
この艦長の艦長らしさも、見どころのひとつ。
見た目は可愛らしいしサムネでは地球食べちゃいそうなんだけど、実は漢気溢れるマリゴー艦長なんです。





艦長とスッチさん、元老院との関係も見所です。




5.スッチさんの秘密と、元老院の秘密、QWERTYの秘密……

物語全体のキーワードのひとつが、魂。
第37話「Prefece」から徐々に明らかになります。
母星の惑星を飛び立ったテヤ人でしたが、母星から離れるにつれて管理されているはずの人口が減少していきました。その理由が、『魂』と呼ばれるものではないか、と仮説かたてられます。



第43話「Sumaro」では、瀕死だったスマロの異変にスッチさんが気が付きます。
スマロ起きた異変が、後にことみのとある思い出と関連していることがわかります。

また、物語のキーワードでもある『元老院』
これが登場するのは第16話「blame」あたりから。マリーゴールド艦長とマリナ・メインが艦長権限を剥奪され、更迭されてしまいます。



マリゴー艦長と元老院の間には並々ならぬ確執があるようですが、その元老院の一人がスッチさんでした。

第30話「Senate」ではまた一つスッチさんの秘密が明らかになりますが、
第55話から59話にかけての「彼女の想いで」にて、壮絶な過去が明らかになります。



少し難解ながら、大きな謎を残しつつ少しずつ少しずつ明らかになっていきます。あのときなぜスマロは涙を流したのか、ポピーはことみの言葉に反応したのか、こぴみの行動の謎……伏線の話ともかぶるんですが、おそらく読者はことみ目線で謎が解明されるのを楽しめるのかなと思います。




……というわけで、本編読んでください。(回収しきれなかったので諦めた



第4話のクジラはいったい何を示唆しているのやら。

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