『あまちゃん』18週、「おら、地元に帰ろう?!」の感想まとめ。
伏線が回収されると同時にまたばらまかれる。
それにしてもこの週は演出手法にうならされます。
関連リンク
・『あまちゃん』17週、アキの知った真実と現実とウニとこれから。
・『あまちゃん』16週、「プライドあるから、このままじゃ終われないから」
・『あまちゃん』15週、ミズタク太巻アメ女GMT
・『あまちゃん』14週、ブティック今野がユイちゃんを救う。
・『あまちゃん』13週、じぇシュタルト崩壊(‘jjjjjjjjjjj’)
・『あまちゃん』12週、そして東京へ。
・『あまちゃん』9~11週、温かくて幸せな時間。
■伝説の15分
鈴鹿さん、それスイッチ入る。あかん。
この褒め言葉、海女カフェできたときにアキを褒めたときや、北三陸出るときにアキにかけた言葉とつながってるんだなあ。
■太巻と春子、その1
「バカにしないでよ」以来の再会。
メカゴジラになったゴジラが、メカキングギドラになったキングギドラと対決して、間にメカモスラもいる。(主人公どこ
「初めまして、天野アキの母です」
「太巻です。荒巻です。太一です」
アキは太巻との隠し子?!とガバいことを考えても致し方のない再会の仕方。
「タクシー来ました、タクシー来ましたけど…タクシー…キャンセルしましょうか」
タクシーっていうと若春子さんを救ったあと平成元年の正宗タクシーを連想させる。
もうそれには乗らず太巻と対峙する春子さん。
セリフと同時に顔では別のこと考えてる太巻と春子さん。
現実の人間ってそういうもんだから、それを演じる役者さんも演じさせる製作陣もすごい。
「いわばポンコツだ。GMTはポンコツとガラクタしかいない。ガラクタ市だ」
太巻のいうポンコツとガラクタは、ミズタクのいう原石と同じ意味だって信じてる。
この太巻の「フフフフ」にはラスボス感が漂ってるし、もう春子さんからは殺気しか感じないし、ミズタクは目が泳いでるし。
それにしても太巻はもしかして「わざと」ってこと知ってたんじゃないのかな。
当時、若春子と鈴鹿さんと考えて鈴鹿本人に「自分で歌って」って頼んだのかもしれない。
でも歌わなかった。それで「歌えって言っても歌わないくせに」って言ってたとか。
春子さん、過去を思い出してるのかな。それとも未来、アキのことを考えてるのかな。どっちもかな。
■「イライラするパパ_プロマイド」
そのころ、マサは。
正宗さんのイライラがじわっじわっクセになってくる再放送。
strong>「何よ、カーテンの色ちょっと明るくしちゃってさ。モテようとしてんの?うわっ間接照明!ウケる!独身か!」
ひどいけど納得できる何かがある。やばい、正宗さんがクセになるww
■アキの表情
状況に戸惑って、ショボーンってなって、鈴鹿さんの一声で復活が決まって、変わらぬ父と母のかけあいにニヤッとして。
「オラも一人っ子だべ。一人っ子同士仲良くやっぺ」
イライラする正宗さんとさっきまで殺気漂わせてた春子さんの表情を穏やかにしたアキ。
それにしてもアキの表情変化だけでも見所満載のこの週です。
■そのころ喫茶・リアスでは
弥生さんの後ろでユイちゃんが堪え切れない感じで笑ってる。
琥珀の歴史の長さを語ろうと口を開いた勉さん。
思いっきり大吉に「人間だもの!」と遮られても、「うん、うん」と頷く勉さんの優しさよ……
勉さんも大吉の気持ち、わかるのかしら。
つかやだ、こんな駅長www
■天野春子という生き方
このセリフだけとったら春子さんはモンペ臭がする。
でも春子さんがアキの向こう側にかつての自分をみてるんだとすれば、それは春子さんを自身がトンネルを抜けようとしてる言葉に思える。
専業主婦→スナックのママにしては高すぎるスペック。
■GMT
鈴鹿さんのはからいで1度目の復帰を果たしたアキ。
喜ぶリーダー・しおりの照れ隠しが可愛い。
『地元に帰ろう』でのわけありデビューが決まったGMT。
ステッカーもできました。
「あの薄汚いシンデレラの娘!」
確執があったことを忘れてステージ衣装にはしゃぐアキをはじめとするGMTが可愛いから、ゲス巻がよりゲスい。
しかし、そのデビューにはわけがあり……。
ゲス巻!!
■ひびき……
HBKは48。
■そのころ、純喫茶アイドルでは…
「アキちゃんは田舎が好きなはずだ。北鉄の窓から見える海や山、田んぼが好きなはずだ」
一見笑える大吉さんの言葉も、このあとのアキユイの対比に生きるんだもんなあ。
しかし鼻の孔真っ黒に関してはあながち嘘だとは言い切れない。
北三陸は空気綺麗そうだもんなあ
勉さんも好きだけど甲斐さんも好き。
私やっぱりマスターが何も知らなかったってのは信じられないなあ。
何かあるって気づいてたけど、聞くに聞けなかったのかなあ。
■大吉さんとあんべちゃん
あんべちゃん。・゜・(ノД`)・゜・。
だよね、あんべちゃんはアキの影武者だったんだもんね。
でも今のアキには、これからのアキにはあんべちゃんのまめぶが必要なの。
■大将!!
あまりに驚いてネタとシャリを逆に握ってしまったり。
勘定奉行にお任せあれ、からの
「出世払いでいいよ」と。
このときのアキの笑顔が最高に可愛い。
とにかく、そんな優しい梅さんが、こわいかおをしていたのがここ。
……まさか大将はこの軍艦詐欺がキッカケで北三陸さ向かったのか……?
■聞き覚えのあるその状況。
「は!出たよ、同情買ってCD売るパターン!」
「あんた間違っても土下座なんかしないでよ!わかった?」
そんな茶番でデビューした某朝娘は1990年代後半のJ-POPシーンを席巻しゴニョゴニョ。
しかしその年、倍返しされて土下座するかしないかで視聴者が釘付けになったドラマがありゴニョゴニョ。
■地元に帰ろう
みんなそれぞれの地元を思い出しながら唄ってるのかな。
■小野寺ちゃんをめぐるあれこれ。
小野寺ちゃんのボイストレーナーはこちらの方ですか。←そういうこと言わない。
やめなさいっ!!
■ユイちゃんが1歩を踏み出す。
カリスマって言葉に惹かれたか、ユイちゃん。
でもいいと思う、それでユイちゃんが前に進めるのなら。
東京でアイドルでも北三陸で海女さんでも、ユイちゃんの芯の部分は変わってないんだよね。
人前に立つこと。海女さんとしてアイドルになること。
その強い芯さえも白く壊してしまうのがあの日。
弥生さんがカリカリしてるときの、アキの表情。
驚いてるだけじゃなくてユイちゃんの決断に困惑してるのが伝わってくる。
アキはウニで郷愁スイッチ入っちゃうんだよね。
アキにとってウニは故郷。ウニは家族。ウニは自分。
大事なのはこの場面に種市先輩がいないこと。
別にね恋愛要素なくたって、女の子は成長できる。
純愛切ない要素がなくたって、面白いものは面白い。
ドラマや映画、漫画とか小説も、最近「女の子受け=恋愛」の傾向が、非常に強いのでこのへんは強調したい。
■いきなり何を。
普通の朝ドラはつまらない。家事しながら見てて、後に何も残らない朝ドラはつまらない。
手を止めてがっつり見入るほどではなくとも、終わったあとにちょっと思い出すくらいの何かは欲しい。
えっ?いきなり何言い出すんだって?
■プロジェ…プロダクトA
「テレビの中のテレビ」で見せるのがわかりやすくていいよね。
プロジェ……プロダクトAにすることで、プロとしての太巻がよりいっそう明らかになるし、それ以外の人物にはスポットが当たらなくなる。
モザイクかけても音声変えてもキョンキョンだって分かるがいね。
■視点のスイッチ
そしてはじまる太巻と春子の言い争い。
ここでミズタクを映すのがいいよね。
太巻と春子の言い争いに、ミズタクの視点を入れる。
ミズタクの視点は、平成元年の太巻の視点。
「いいたいことも言えない」
そんな気持ちがミズタクから伝わって、ミズタクに火をつける。
こっちもそう。
太巻と春子の後ろにアキを映してる。
アキ視点でこのふたりを見ると、「おらのためにママは太巻さんに…」ってアキの気持ちが伝わってくる。
だから後半のアキの決断にも納得がいくんだよなあ、って再放送で気付いた。
太巻が大阪弁で恫喝するシーンで、しおり、真奈ちゃん、ミズタク、アキ、それぞれGMT関係者を映していく。
多くの視点の組み合わせが、物語に重みと深みを与えていく。
つかこのシーン、カメラ何台入ったんだ?
■太巻と春子、その2
太巻がミズタクに「奈落にいたころのほうが面白かったよ」って言ってるシーンあったけど、
太巻は太巻なりにあのころの『面白さ』を取り戻そうとしてるのかもしれない。
それぞれのできること、できないことの『個性』が光ってたあの頃。
太巻と春子の言い争い。太巻も春子も、意地を張ってるように見える。
あの平成元年に戻りかけてる。戻ってやり直したいのかもしれない。
乗り越えたいのかもしれない。
「冗談じゃない。うちの娘、鈴鹿ひろ美と一緒にしないで!」
現代と25年前が交錯する瞬間はいくつかあるけれど、このときが秀逸だと思うの。
このとき太巻の目には若春子がみえていて、春子の目には若太巻がみえていたのかも。
怒っていた太巻の切なそうな顔。
消したい過去が蘇って、それをどうにか消そうとするんだけどどうにもならなくて、向き合わなきゃならないって気付いたのかな。
この一連の言い争いが、何週かあとの大人のケンカに繋がる。
■アキの決断
自主性どこ?と本放送のときは思っていたけれど。
でもアキくらいの歳頃なら、アキの心情なら、アキが春子の抱えた過去を知っているなら…春子についていくほうが至極自然に思える再放送なう。
これ、決断の前後でアキの位置が変わってるんだなあ。
やっぱりGMTの面々にドラマ内配役と似た状況の若手女優さんを使ったキャスティングの妙が光る。
同じ状況を体験したことがあるのかないのかはわからないけど、真実性が増すんだよね。
大丈夫、また会えるよ。
「簡単に土下座しないで」の春子の言葉、GMTのデビューを頼むことがアキのここ一番の頼みだったんだな。
ユイちゃんとはまた違う存在。
それに気付いて下手に励ましたりはしなかったミズタクも、アキのことよく見てきたんだなあ。
「天野の代わりはいません!」
ゲスなんだけど……
能年ちゃんの代わりもいないと思うの。
もし主演が能年ちゃんじゃなかったら、アキはアキじゃなかっただろうし、天野の代わりはそれなりにいたと思うの。
■物語の主人公の立ち位置によって、それは悲劇にもなるし喜劇にもなる。
「まだまだやるからね!ママがあんたのこと、絶対アイドルにしてやるからね!首にしたこと後悔させてやるんだから!」
春子とアキが映される。アキは不安そうに、春子は何かに駆られるように。
現実もそうだよね。
ひとつの出来事、ひとつの言葉は受け手によって意味が異なる。
それは喜劇かもしれないし悲劇かもしれない。
伏線が回収されると同時にまたばらまかれる。
それにしてもこの週は演出手法にうならされます。
関連リンク
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・『あまちゃん』16週、「プライドあるから、このままじゃ終われないから」
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■伝説の15分
鈴鹿さん、それスイッチ入る。あかん。
この褒め言葉、海女カフェできたときにアキを褒めたときや、北三陸出るときにアキにかけた言葉とつながってるんだなあ。
■太巻と春子、その1
「バカにしないでよ」以来の再会。
メカゴジラになったゴジラが、メカキングギドラになったキングギドラと対決して、間にメカモスラもいる。(主人公どこ
「初めまして、天野アキの母です」
「太巻です。荒巻です。太一です」
アキは太巻との隠し子?!とガバいことを考えても致し方のない再会の仕方。
「タクシー来ました、タクシー来ましたけど…タクシー…キャンセルしましょうか」
タクシーっていうと若春子さんを救ったあと平成元年の正宗タクシーを連想させる。
もうそれには乗らず太巻と対峙する春子さん。
セリフと同時に顔では別のこと考えてる太巻と春子さん。
現実の人間ってそういうもんだから、それを演じる役者さんも演じさせる製作陣もすごい。
「いわばポンコツだ。GMTはポンコツとガラクタしかいない。ガラクタ市だ」
太巻のいうポンコツとガラクタは、ミズタクのいう原石と同じ意味だって信じてる。
この太巻の「フフフフ」にはラスボス感が漂ってるし、もう春子さんからは殺気しか感じないし、ミズタクは目が泳いでるし。
それにしても太巻はもしかして「わざと」ってこと知ってたんじゃないのかな。
当時、若春子と鈴鹿さんと考えて鈴鹿本人に「自分で歌って」って頼んだのかもしれない。
でも歌わなかった。それで「歌えって言っても歌わないくせに」って言ってたとか。
春子さん、過去を思い出してるのかな。それとも未来、アキのことを考えてるのかな。どっちもかな。
■「イライラするパパ_プロマイド」
そのころ、マサは。
正宗さんのイライラがじわっじわっクセになってくる再放送。
strong>「何よ、カーテンの色ちょっと明るくしちゃってさ。モテようとしてんの?うわっ間接照明!ウケる!独身か!」
ひどいけど納得できる何かがある。やばい、正宗さんがクセになるww
■アキの表情
状況に戸惑って、ショボーンってなって、鈴鹿さんの一声で復活が決まって、変わらぬ父と母のかけあいにニヤッとして。
「オラも一人っ子だべ。一人っ子同士仲良くやっぺ」
イライラする正宗さんとさっきまで殺気漂わせてた春子さんの表情を穏やかにしたアキ。
それにしてもアキの表情変化だけでも見所満載のこの週です。
■そのころ喫茶・リアスでは
弥生さんの後ろでユイちゃんが堪え切れない感じで笑ってる。
琥珀の歴史の長さを語ろうと口を開いた勉さん。
思いっきり大吉に「人間だもの!」と遮られても、「うん、うん」と頷く勉さんの優しさよ……
勉さんも大吉の気持ち、わかるのかしら。
つかやだ、こんな駅長www
■天野春子という生き方
このセリフだけとったら春子さんはモンペ臭がする。
でも春子さんがアキの向こう側にかつての自分をみてるんだとすれば、それは春子さんを自身がトンネルを抜けようとしてる言葉に思える。
専業主婦→スナックのママにしては高すぎるスペック。
■GMT
鈴鹿さんのはからいで1度目の復帰を果たしたアキ。
喜ぶリーダー・しおりの照れ隠しが可愛い。
『地元に帰ろう』でのわけありデビューが決まったGMT。
ステッカーもできました。
「あの薄汚いシンデレラの娘!」
確執があったことを忘れてステージ衣装にはしゃぐアキをはじめとするGMTが可愛いから、ゲス巻がよりゲスい。
しかし、そのデビューにはわけがあり……。
ゲス巻!!
■ひびき……
HBKは48。
■そのころ、純喫茶アイドルでは…
「アキちゃんは田舎が好きなはずだ。北鉄の窓から見える海や山、田んぼが好きなはずだ」
一見笑える大吉さんの言葉も、このあとのアキユイの対比に生きるんだもんなあ。
しかし鼻の孔真っ黒に関してはあながち嘘だとは言い切れない。
北三陸は空気綺麗そうだもんなあ
勉さんも好きだけど甲斐さんも好き。
私やっぱりマスターが何も知らなかったってのは信じられないなあ。
何かあるって気づいてたけど、聞くに聞けなかったのかなあ。
■大吉さんとあんべちゃん
あんべちゃん。・゜・(ノД`)・゜・。
だよね、あんべちゃんはアキの影武者だったんだもんね。
でも今のアキには、これからのアキにはあんべちゃんのまめぶが必要なの。
■大将!!
あまりに驚いてネタとシャリを逆に握ってしまったり。
勘定奉行にお任せあれ、からの
「出世払いでいいよ」と。
このときのアキの笑顔が最高に可愛い。
とにかく、そんな優しい梅さんが、こわいかおをしていたのがここ。
……まさか大将はこの軍艦詐欺がキッカケで北三陸さ向かったのか……?
■聞き覚えのあるその状況。
「は!出たよ、同情買ってCD売るパターン!」
「あんた間違っても土下座なんかしないでよ!わかった?」
そんな茶番でデビューした某朝娘は1990年代後半のJ-POPシーンを席巻しゴニョゴニョ。
しかしその年、倍返しされて土下座するかしないかで視聴者が釘付けになったドラマがありゴニョゴニョ。
■地元に帰ろう
みんなそれぞれの地元を思い出しながら唄ってるのかな。
■小野寺ちゃんをめぐるあれこれ。
小野寺ちゃんのボイストレーナーはこちらの方ですか。←そういうこと言わない。
やめなさいっ!!
■ユイちゃんが1歩を踏み出す。
カリスマって言葉に惹かれたか、ユイちゃん。
でもいいと思う、それでユイちゃんが前に進めるのなら。
東京でアイドルでも北三陸で海女さんでも、ユイちゃんの芯の部分は変わってないんだよね。
人前に立つこと。海女さんとしてアイドルになること。
その強い芯さえも白く壊してしまうのがあの日。
弥生さんがカリカリしてるときの、アキの表情。
驚いてるだけじゃなくてユイちゃんの決断に困惑してるのが伝わってくる。
アキはウニで郷愁スイッチ入っちゃうんだよね。
アキにとってウニは故郷。ウニは家族。ウニは自分。
大事なのはこの場面に種市先輩がいないこと。
別にね恋愛要素なくたって、女の子は成長できる。
純愛切ない要素がなくたって、面白いものは面白い。
ドラマや映画、漫画とか小説も、最近「女の子受け=恋愛」の傾向が、非常に強いのでこのへんは強調したい。
■いきなり何を。
普通の朝ドラはつまらない。家事しながら見てて、後に何も残らない朝ドラはつまらない。
手を止めてがっつり見入るほどではなくとも、終わったあとにちょっと思い出すくらいの何かは欲しい。
えっ?いきなり何言い出すんだって?
■プロジェ…プロダクトA
「テレビの中のテレビ」で見せるのがわかりやすくていいよね。
プロジェ……プロダクトAにすることで、プロとしての太巻がよりいっそう明らかになるし、それ以外の人物にはスポットが当たらなくなる。
モザイクかけても音声変えてもキョンキョンだって分かるがいね。
■視点のスイッチ
そしてはじまる太巻と春子の言い争い。
ここでミズタクを映すのがいいよね。
太巻と春子の言い争いに、ミズタクの視点を入れる。
ミズタクの視点は、平成元年の太巻の視点。
「いいたいことも言えない」
そんな気持ちがミズタクから伝わって、ミズタクに火をつける。
こっちもそう。
太巻と春子の後ろにアキを映してる。
アキ視点でこのふたりを見ると、「おらのためにママは太巻さんに…」ってアキの気持ちが伝わってくる。
だから後半のアキの決断にも納得がいくんだよなあ、って再放送で気付いた。
太巻が大阪弁で恫喝するシーンで、しおり、真奈ちゃん、ミズタク、アキ、それぞれGMT関係者を映していく。
多くの視点の組み合わせが、物語に重みと深みを与えていく。
つかこのシーン、カメラ何台入ったんだ?
■太巻と春子、その2
太巻がミズタクに「奈落にいたころのほうが面白かったよ」って言ってるシーンあったけど、
太巻は太巻なりにあのころの『面白さ』を取り戻そうとしてるのかもしれない。
それぞれのできること、できないことの『個性』が光ってたあの頃。
太巻と春子の言い争い。太巻も春子も、意地を張ってるように見える。
あの平成元年に戻りかけてる。戻ってやり直したいのかもしれない。
乗り越えたいのかもしれない。
「冗談じゃない。うちの娘、鈴鹿ひろ美と一緒にしないで!」
現代と25年前が交錯する瞬間はいくつかあるけれど、このときが秀逸だと思うの。
このとき太巻の目には若春子がみえていて、春子の目には若太巻がみえていたのかも。
怒っていた太巻の切なそうな顔。
消したい過去が蘇って、それをどうにか消そうとするんだけどどうにもならなくて、向き合わなきゃならないって気付いたのかな。
この一連の言い争いが、何週かあとの大人のケンカに繋がる。
■アキの決断
自主性どこ?と本放送のときは思っていたけれど。
でもアキくらいの歳頃なら、アキの心情なら、アキが春子の抱えた過去を知っているなら…春子についていくほうが至極自然に思える再放送なう。
これ、決断の前後でアキの位置が変わってるんだなあ。
やっぱりGMTの面々にドラマ内配役と似た状況の若手女優さんを使ったキャスティングの妙が光る。
同じ状況を体験したことがあるのかないのかはわからないけど、真実性が増すんだよね。
大丈夫、また会えるよ。
「簡単に土下座しないで」の春子の言葉、GMTのデビューを頼むことがアキのここ一番の頼みだったんだな。
ユイちゃんとはまた違う存在。
それに気付いて下手に励ましたりはしなかったミズタクも、アキのことよく見てきたんだなあ。
「天野の代わりはいません!」
ゲスなんだけど……
能年ちゃんの代わりもいないと思うの。
もし主演が能年ちゃんじゃなかったら、アキはアキじゃなかっただろうし、天野の代わりはそれなりにいたと思うの。
■物語の主人公の立ち位置によって、それは悲劇にもなるし喜劇にもなる。
「まだまだやるからね!ママがあんたのこと、絶対アイドルにしてやるからね!首にしたこと後悔させてやるんだから!」
春子とアキが映される。アキは不安そうに、春子は何かに駆られるように。
現実もそうだよね。
ひとつの出来事、ひとつの言葉は受け手によって意味が異なる。
それは喜劇かもしれないし悲劇かもしれない。
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