就活が楽しくなる!そのカギは、私たちが日々”無意識”に行っている自己分析を早期に”意識化”することです。
「大学生のための自己分析のススメ」と題して、簡単にできる自己分析の手法と活用法を、分かりやすく解説してゆきます。
自分を知ることは周囲や世間とつながってゆくことを意味します。あなたにしかできない就活を楽しんでください。
【3-2】情報の統合と演出(自己PR)
いよいよ、情報発信に向けての最終段階である、話題(ネタ)作りに入って行きます。
前回までの3つの項目(性格特性・行動特性・価値観)の整理ができたら、次は情報の統合と演出という、最も厄介で悩ましい分野に突入します。まさにこれからの領域が冒頭に述べた「自己分析を難しくしている部分」です。
しかし私は、これから説明する内容は、自分なりのやり方とペースを掴むことさえできれば、きっと社会人となってからの方が役に立つことが多いと思っています。なので、どうか諦めずに、最後までやり遂げて下さい。
最初は難しいことでも、慣れてくると徐々にスピードも増し、最終的には楽しむことが出来れば、もう一生ものの表現法を身に付けることができると信じています。
情報の統合
ここでは、自己表現の中でも特に自己PRの基になるネタ作りに焦点を当てます。
自分の中の性格特性、行動特性、価値観の3つの項目で作ったアウトプット情報を統合し、最も自分を的確に説明できるネタにして行く手法を説明して行きます。
下記に、2つの例を上げますが、ケース①は仕事に対する姿勢という視点、ケース②は組織に対する姿勢という視点の場合です。どちらも、同じ人物という設定とします。
ケース①:仕事に対する姿勢を軸に考える場合
性格特性:「熱くて責任感が強い性格です。」
行動特性:「忙しい時こそ、帰って冷静な行動を取ります。」
価値観:「熱くならきゃ仕事じゃない」が私のキャッチフレーズです。
統合し、ネタにすると・・・
「私は、熱くならなきゃ仕事じゃない!をモットーとして仕事に取り組みます。どんなに忙しい時でも、仕事に手を抜かない責任感が強みです。何事にも積極的にチャレンジする反面、冷静さも忘れない、熱さと冷静さのバランスの取れた人材を目指しています。」
といった感じになります。
ケース②:組織に対する姿勢を軸に考える場合
性格特性:「前向きでさっぱりした性格です。」
行動特性:「初対面の人には、自分から挨拶します。」
価値観:「私のモットーは自分に厳しく、人に優しく」です。
統合し、ネタにすると・・・
「私は、周囲の人と直ぐに打ち解けることが出来ます。初対面の人には自分から挨拶をし、自己紹介することを心掛けています。私のモットーは「自分に厳しく、人に優しく」です。新しい職場でも、前向きでさっぱりした性格を武器に、誰よりも早く先輩方に名前を覚えていただき、ビシビシ鍛えて欲しいと思っています。目標達成に向け絶えず努力することで、先輩方に信頼される存在になりたいです。」
といった感じになります。
自己PRのPとRって何の頭文字か、知ってますか?
私は、かつてハローワークで出会った若者のほとんどに、この質問をしたところ、たった一人しか答えられませんでした。
「PR=宣伝・広報」と答えた学生は数人いましたが、「Public Relations」と即答したのは、大学で宣伝や広報の研究をしていた学生一人だけでした。
なぜこんな質問をするのかというと、ほとんどの若者が自己PR=すごい自分・優れている側面というイメージが強すぎるからです。
宣伝という言葉が、そのような連想をさせるのかと思いますが、私はPublic=公の Relations=関係という意味を素直に受け止めて「普段の自分」で十分だと思っています。
「誰もが知っている自分こそ自己PRだ」と捉えると、インプットの他者の声で集めた情報がすべて自己PRになると言っても良いくらいです。
つまり、自己PRは、そんなに難しく考えなくてもいいということです。
次回は、自己PRに企業研究の成果を入れる演出方を紹介します。