はなむらさき不定期便

もうちょっとだけ

つづくんじゃよ。

天下一品で恥をかく。

2005年01月13日 23時24分27秒 | Weblog
恥の多い生涯を送ってきました。

あれは2年ほど前の事でしょうか。その晩、父と母は葬式だか、通夜だかで家を留守にしたのです。
残されたのは、わたくしと弟の二人きり。夕食は済んでおりません。
仕方が無いので、わたくしが夕げの仕度をしようと台所に立ったのですが、
「おまえのカレーは不味い。」
と、弟に一喝され、わたくしどもは外食に出掛ける事に致しました。
そして連れて行かれたのが、「天下一品」でございました。
独特のこってりスープが売りの、近頃流行りのらあめん屋でございます。
それにしても、弟は何故わたくしがカレーを作ろうとしていると分かったのでしょうか?
何を作るとも言っていないのに。
彼は、わたくしの料理のレパァトリイがカレーしか無いと知っていたのでしょうか?

不可解な疑問を抱きつつも、店内に入ると、なんとも美味しそうな香りが鼻腔を擽ります。
早速、自慢のこってりらあめんを注文し、らあめんの登場をしばし待ちます。
その間、店内をぐるりと見回すと、目に留まるのは壁に貼られたサイドメニュウの数々。
餃子・手羽先餃子・皿ワンタン…なんとも美味しそうなメニュウ達・・・。
その中に、気になる一品が。その名も「お牛ん棒」
なにやら、牛肉の串焼きとでも言うような、実に美味しそうな一品でございます。

早速、注文する事に致しました。

「すみませーん。この『おぎゅんぼう』2本下さい。」
「あぁ、『おうしんぼう』ですね?他には何か?」
「え?あ、じゃぁ、そのうし?と、あと手羽餃子一皿で。」
「かしこまりました~。」


なんという事でしょう!「牛」の部分は、「ぎゅう」 では無くそのまま 「うし」 と読めばよかったのです。
初め、「おぎゅうんぼう」と読んでみたものの、あまりの語呂の悪さに勝手に「おぎゅんぼう」と改名し、さらにその謎のネーミングを店員さんに披露してしまうとは!
店員さんの涼やかな対応が、逆にわたくしを惨めな気持ちに致します。
あまりの恥ずかしさに、その後、ずっとうつむいてらあめんを啜っておりました。
こってりスープが胃に染み渡ります。ごめんね。姉さんには、このスープ、ちょっとこってり過ぎるみたい。
口に残るこってり感に苦戦しつつも、ただ黙々と完食。
店を出た時、弟はわたくしに、こう言い放ちました。


「『おぎゅんぼう』はねぇだろ。さすがに。」


まぁちゃん(弟)ごめんね。ごめんね。ポンコツ姉さんでごめんね。
姉さん、もっと頑張るから。家族に恥をかかせない立派な姉さんになるから。

この日を機に、わたくしは、心に誓ったのでございます。<第一部・了>



…自伝小説風味に書いてみたら、意味不明になってしまった…。
私の人生は、こういう小さな恥の積み重ねで成り立っております。
この一件での教訓は「聞くは一時の恥」でございました。
はじめから「これ、なんて読むんですか?」と聞いていれば、謎のネーミング「おぎゅんぼう」を披露せずにすんだのに…!

あれから2年。そろそろ「おぎゅんぼう」の恥ずかしさも薄れて来たので、本日再び「天下一品」に行ってきました。
今度は友人と4人での来店です。
内、2名はこってりラーメン初挑戦。お口に合いますかどうか。
事前に、「天一」マニアから、「トッピングでネギ多めにすると大変美味しい。」との情報を得たので、今回はネギたっぷりオーダーです。
さて、お味はいかが?
…う~ん。ネギの効果か、前回よりはサッパリと食べられますが、やはり独特のこってり感が口に残ります。味は割にあっさりしているのですが。
好きと嫌いがきっぱり分かれる味です。友人達も同じく「こってり過ぎた。」という感想。
そういえば、店内は男性ばかり。女性には、コノこってり感が受けないのか?
マニア情報によると、3回食べれば病みつきなる。そうです。
あと1回食べれば病みつきになれるらしいので、その内また行ってみようかと思います。
こってりスープは、別にとんこつ味という訳では無く、鶏ガラと野菜を煮込んだスープだそうです。
あのこってり感に、興味のある方は一度召し上がって見てください。そして、もしよければ感想を聞かせて下さい。コメント・TBお待ちしています。

そして、「お牛ん棒」と手羽餃子は、狂牛病、いわゆるBSEと、鳥インフルエンザの影響か、その姿を消しておりました。残念。今度こそ、ちゃんと注文したかったのに。

そして、弟よ。あれから姉さん、料理結構頑張ってるんだよ。
夕飯の仕度だって、毎日手伝ってる。
だから姉さんのカレーはもう不味くないハズなんだよ。
食ってみろって。頼むから。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする