馬鹿も一心!

表題を変えました。
人生要領良く生きられず、騙されても騙されも
懸命に働いています。

5月北アルプス みんな逝ってしまった。

2024-05-04 17:32:31 | 日記
春5月 連休中
娘は夫の単身赴任先 岩手盛岡へ
息子は、海外との取引で休めず
我が夫婦は作業もひと段落・
慎ましく静かな連休。
青春時代、連休に家にいることは侘しい事だった。
パソコンデスクに山岳部同期の写真を見やる。


残雪の頂で富士を背景に微笑む。
そうして、想うのだ。
スクラップ帳に貼り付けたセピア色の写真を取り出す。


昭和46年3月北アルプス蝶が岳への登頂途中の一休み
4年生として最後の登山。
一番左は、一年生の時の4年生でOBとして参加。
後のヒマラヤ ヌンの登攀隊長。
一心が1年生 5月連休、谷川岳合宿を終えて下山
しかし、先輩は、谷川岳から北アルプス穂高滝谷でクライミングに向かった。
2日後、TV報道と新聞で滑落で4年生二人が滑落のニュース。
しかし、ヘリコプターで搬送
50日間の死中を彷徨いながらも生きた。
左から2番目は、私と同期で、又、滑落した先輩の高校山岳部の後輩。
同期は、24歳の時、同じく北アルプス穂高滝谷で滑落死


一心は左から3番目
右端は51歳で脳腫瘍で死去
故郷の富山平野の田んぼの畦道の墓で
北アルプス立山を仰ぎ見ている。
その先輩の会社に勤める女性と一心は結婚した。
先輩は3年前、膠原病で死去。
死期を悟った時、八王子の高層マンション最上階に引っ越した。
「動かぬ体を窓辺から富士山を朝な夕なに眺めて死にたい」
先輩がこよなく愛した北アルプス
5月、涸沢から見上げる碧の天空の下
穂高の峰々は、岩と雪と緑の屏風のように連なる。

私は77歳になった。
4人のセピア色写真
一心以外はみんな逝ってしまった。
昨日、何を食べたか忘れてしまうのに
若き青春時代のアクシデントは鮮明に焼き付いている。
過ぎ去ってしまった想い出だけだ。
余命あるがアルプスに登ることはないだろう。
先輩と山で死んだ同期の墓は故あって知らない。
富山への墓参りもしないだろう。
みんなと再会するのは、黄泉の谷を越えて
三途の川の対岸で3人が待ち構えて
「おい、遅いぞ」叫ぶ
5月、雪溶けて岩稜には緑の芽吹き
見上げる天空はスカイブルー
雷鳥はハイマツにかくれんぼ。
釜トンネルには、雫が落ちているだろう

梓川は雪解け冷流が流れ

春風に乗って山鳥が鳴き声あげて飛び交う。
森羅万象(ものみな)最後には
無情な無限の悲哀が漂う。









いつかある日 ダークダックス