Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

敗戦の中の光(2/26広州恒大対浦和)

2013-02-28 18:40:50 | 浦和レッズ
浦和の対戦相手、広州恒大は中国最強チームだけに強さを感じた負けっぷりになりました。ただ、そんな黒星の中にも光明はあったので、浦和の良かった点から先に書きます。この試合のスタメンは森脇を除けば去年の主力メンバーだったので、プレーを見たことがない選手は途中出場の大卒ルーキー阪野だけでした。

阪野にとっては興梠の負傷欠場という絶好のチャンスでしたが、ミシャが好きそうな選手に思えます。1トップに入った阪野はしっかりトップの位置に張ってくれて起点を作れる足元のうまさは武器になります。また、スピードもあってDFラインの裏に意欲的に飛び出していました。

まだまだオフサイドラインとの駆け引きは未熟なところもありますが、広島時代に佐藤寿人を1トップに置いたミシャらしく、機動力のある1トップは欲しかったでしょう。また、途中出場の関口の右アウトサイドも機能していました。

関口の脚質は長い距離が速いタイプで、広州が左SB孫翔を積極的に上げてくるので、その裏のスペースを狙う動きは良かったです。浦和は長身FWがいないチームなのでクロスは合いませんでしたが、中に入って自らシュートを打つ動きができるようになれば大きな戦力になれると思います。

この試合のポイントは一人一人の能力は広州が上でも、それをチームとして機能させているかでした。プレッシングサッカーで世界を制した敵将リッピは、俊足選手の多い広州に合ったカウンターサッカーをベースに、最後の仕上げはムリキ、バリオス、コンカの3人に任せる戦術で浦和に対抗しました。

特に浦和が面食らったのはブラジル人FWムリキの驚異的なスピードで、このレベルだとチーム一の俊足DF坪井でも対抗できるかわからず、最終ラインはズタズタに切り裂かれてしまいました。アルゼンチン人MFコンカのパスやFKの曲がり具合も一流のプレーでした。

知名度は抜群のバリオスはそのがたいの良さとは裏腹に、いいボールに反応するタイプでした。1点は取りましたがごっつぁんゴールで、次にホームで当たるときはバリオスよりムリキの対策を立てた方が良さそうに思えます。

しかし、ただ負けるだけでなく、得失点差でマイナス3点をつけられたのは非常に痛いです。次のムアントン戦と全北戦は連勝が必須条件で、最初から緊張感漂う試合になりそうです。
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広島戦プレビュー

2013-02-27 18:41:17 | 浦和レッズ
広州恒大戦はまだビデオを見ていないので、ちょっと早いですが浦和のJリーグ開幕戦、広島戦のプレビュー記事にします。浦和は広州帰りで疲れているとは思いますが、ACLがあるのは広島も一緒です。

広島はゼロックス杯を見ましたが、昨年優勝したチーム力はほぼ維持しています。右アウトサイドのミキッチが負傷で離脱しているのは残念ですが、代役に若手の伸び盛りの石川がいて、チーム力は落ちていません。

広島は昨年のJリーグ得点王、佐藤寿人が好調です。ゼロックス杯のアクロバティックな決勝ゴールはさすがで、これは森脇を補強している浦和DFでも止められないでしょう。戦術的には森保監督がミシャ時代を受け継いでいて、苦しくなったら5バックにしてもいいところは浦和と似ています。

昨年の浦和対広島は1勝1敗でした。去年も開幕戦で広島と当たり、スコアこそ1-0でしたが内容的には完敗でした。もっとも、ホームでは逆に浦和の方が会心のサッカーで完勝しているので、オープンゲームにはならずどちらかが会心のサッカーをすると予想しています。

浦和は広州戦では昨年のメンバーを中心にしたスタメンで完敗しました。興梠が負傷欠場したのは痛かったですが、代わりに新人の阪野が途中出場で出番を得ました。興梠が広島戦に間に合うかどうかは微妙ですが、阪野は特徴を知られていない選手なので、意外と通用する可能性もあります。

浦和も広島も3-6-1で攻撃時には4-1-5気味にシフトチェンジするところは一緒です。このシステムは4バックのチームを相手にするとアウトサイドが面白いように空くのが売り物ですが、同じシステムの広島相手だとそうはうまくいかないでしょう。

そうなると、意外な選手がオーバーラップをすると効くはずで、去年の埼玉スタジアムでは鈴木啓太の上がりが相手の意表を突きました。槙野もDFでありながら1試合に1本は惜しいシュートを放ちます。広州帰りのコンディション次第では那須や関口をスタメンで起用する可能性もあり、ミシャ采配には注目しています。
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頭に頼らないターゲット(ACミラン対ボローニャ)

2013-02-27 12:37:50 | ワールドサッカー
浦和の広州恒大戦は日テレの録画放送があり、後日ビデオで見ますが、いつ見られるかはわからないので、今日は穴埋めネタでBS12chの無料放送で見たACミラン対ボローニャからネタを引っ張ってきます。開幕2戦目というかなり前の試合なので、ミランはチームが出来上がっていませんでしたが、今季エースストライカーに定着したエルシャーラウィの動きを注目していました。

エルシャーラウィは20歳の若手選手ですが、スピードを生かしたDFライン裏の飛び出しが売り物です。ただ、この試合は2トップの相棒、パッツィーニがハットトリックの活躍で、そっちの方が目立っていました。パッツィーニは今季カッサーノとの交換でインテルからやってきた長身FWです。

パッツィーニはインテル時代はヘディングの強さが売り物でしたが、今回のハットトリックは最初の1点こそPKでしたが、頭より足元の強さで決めたハットトリックです。4-3-3のミランは昨年在籍していたポストプレーヤーのイブラヒモビッチが抜けたので、FWの中央のパッツィーニはターゲットとして期待されている選手です。

パッツィーニはワンタッチゴールが得意で、速いクロスを送れば体のどこかに当てて枠内シュートを放てる力を持っています。イブラヒモビッチのような圧倒的なキープ力はありませんが、右足のアウトサイドで決めた混戦の中で決めたシュートはミランの違った売り物になると思います。

10番がボアテング、8番がノチェリーノというミランの新しい番号にはまだ馴染んでいませんが、前に話題にした欧州CLのバルセロナ戦を突破すれば一躍優勝候補に浮上するはずで、大舞台のミランが見られる可能性はあると思います。

敗れたボローニャもいいチームでした。トップ下のディアマンテがボールをキープできて、サイドから何本もクロスを送り込んでミランゴールを脅かしました。バイタルエリアでファウルを何回かもらっていたので、これで1点でも取れればチャンスもあったと思います。

ミランにとってはアウェイの3-1勝利は大きな結果で、チームの成熟度が高くなかった序盤戦にしては貴重な勝利だったと思います。
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波乱を起こした戦略(ACミラン対バルセロナ)

2013-02-26 16:56:41 | ワールドサッカー
熱も下がり、ワールドサッカーもいつもの集中力で見ることができたので、BS12で無料放送していた欧州CL決勝トーナメント1回戦、ACミラン(イタリア)対バルセロナ(スペイン)のビデオを見ました。この試合は相手がバルサということで、ACミランの戦い方が注目でした。

バルサは監督がグアルディオラからビラノバに変わっているので、一昨年のクラブW杯のサッカーは参考程度でしょうが、その浅いラインと驚異的なボール支配率とミスの少なさは驚異的なチームです。4年連続バロンドールのメッシもゴールを量産し、今年も優勝候補の一角です。

そんな相手にミランが取った戦略は、3ラインをコンパクトに保ち、バルサのボール回しを後ろにさせるものでした。いわゆるリトリートサッカーで、選手間の距離を短くしてメッシがドリブルで仕掛けてもすぐに複数で守る体勢ができていて、これほどまでにメッシが目立たない試合があるというのが驚きでした。

また、ミランはセカンドボールへの集中力は非常に高かったです。バルサがクロスを入れてもこぼれ球をしっかりクリアで切って、バルサに決定機をほとんど許しませんでした。FWのエルシャーラウィまで守備に帰り、ボール支配はされても崩されない安定したサッカーで前半を0-0で折り返します。

実況によれば、ミランのこういうサッカーはセリエAでもほとんどやっていないらしく、世界最強チームという評価のバルサには特別な戦略が必要とアレグリ監督が急造で作った戦略ですが、ミランの選手の技術も高いので消化できるだろうと判断したようです。

ただ、こういう戦いを徹底させても、点を取ることは難しいのですが、ミランにはちょっと運もありました。ミドルシュートが17番の選手に当たってコースが変わったところをボアテングが蹴りこんだ先制点は、17番のハンドを故意ではないと主審が取らなかった幸運ゆえのゴールでした。

このゴールでバルサは前に出てきたので、ミランにもカウンターのチャンスは生まれ、途中出場のニアンがDFライン裏のボールに追いついたチャンスから、エルシャーラウィがつないでムンタリが蹴りこんだ2点目は、第二戦がたとえアウェイのカンプノウでも突破の可能性が大いに膨らむゴールになりました。

ミランは開幕直後こそ思うように勝てませんでしたが、セリエAでも最近は好調で、マンチェスターCからバロテッリを補強して上り調子です。そういういいタイミングでバルサと当たれれば、こんな番狂わせを起こせるポテンシャルはあることを証明しました。
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フィオレンティーナの思い出

2013-02-26 13:13:32 | ワールドサッカー
風邪で会社を休み、こんな時間の更新になります。こういうときはワールドサッカーを見るチャンスで、ACミラン対ボローニャの映像も見ましたが、その試合は機会があればあとで書くことにして、書きためていたネタをとりあえず出します。

先日、ビデオで見たフィオレンティーナ対インテルはフィレンツェのアルテミオ・フランキスタジアムで行われました。ここは1920年代に作られた古いスタジアムで、昔行われた競馬のトラックの跡があり、スタンドとピッチが離れて見にくいスタジアムです。

このスタジアムには1999年に行ったことがあります。当時のカードはフィオレンティーナ対ペルージャで、今でも記憶に残っているのは中田英寿とバティストゥータ(以下バティ)です。特に全盛期のバティを見ておいたのは貴重な経験でした。

バティといえばノーステップで放つ強力なシュートでセリエA得点王にもなった元アルゼンチン代表FWです。もっとも、この試合ではペルージャGKマッツァンティーニがバティのシュートを研究していて、その強烈なシュートに合わせてセービングしたので、なかなか点は入りませんでした。

そんなとき、バティは一つミスキックをします。マッツァンティーニにとっては予想外の軌道で、ゴロで足元を転がったのが得点になり、すっきりしないもののバティゴールです。この試合は5-1の大差でフィオレンティーナが圧勝していて、ルイ・コスタとエジムンドが2点ずつ取っていると当時の観戦メモに書いてありますが、今でも覚えているのはバティだけです。

中田英寿はチーム内の信頼感を実感しました。当時はペルージャの1年目でしたが、セリエAで二桁得点を記録した年で、PKのキッカーも任されていました。この試合は大敗はしましたが、ボールが中田英寿に自然に集まってくるところは既に中心選手の貫禄でした。

もっとも、当時のペルージャには中田英寿のセンスについてこられる選手がおらず、エクアドル代表のカビエデスはトラップが足につかずチャンスを潰していました。これは中田英寿はいつかビッグクラブに移籍すべきと思いましたが、ローマではトッティの控えに置かれ、結果的にはビッグクラブは向いてなかったことが後でわかりますが。
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縦に速く(ニューカッスル対ボルドー)

2013-02-24 18:07:28 | ワールドサッカー
今日は晴れてはいるものの、最高気温一桁の寒さと窓が音を立てる強風に恐れをなして散歩には出ず、家でワールドサッカーのビデオを見ていました。カードは欧州リーグのニューカッスル(イングランド)対ボルドー(フランス)です。

まったく知らないチームを楽しむ方法は、国立競技場に来たクラブW杯で少しは身につけましたが、後でビデオに入れてまで見る試合ということになると、少しは知っているチームが優先になります。

ニューカッスルは吉田のいるサウサンプトンと対戦した映像を一度見たことがあり、セネガル代表のシセなど少しは知っている選手もいます。もっとも、この試合はサウサンプトンが会心のサッカーをした試合で、ニューカッスルは追い込まれてロングボールを蹴ってしまった、内容の良くない試合でした。

ボルドーはフランスの中では強豪で、1995年にはジダン、デュガリー、リザラズを擁してUEFA杯で準優勝したこともあります。今のチームは知っている選手はチェコ代表のプラシルくらいですが、以前同じフランスのオセールがRマドリードを相手にロングボールを生かしたカウンターサッカーを機能させたことがあるので、ボルドーの戦術的工夫が見られればと期待していました。

しかし、この試合はニューカッスルが会心のサッカーをしました。プレミアリーグの試合からはメンバーを落としていたニューカッスルはエースストライカーのデンバ・バを温存していましたが、印象に残ったのは左MFオベルタンのスピードあるドリブルでした。

ボルドーがポゼッションサッカーをしようとしていたので、カウンター狙いに絞ったニューカッスルの攻めは面白いように機能しました。オベルタンの動きに合わせて動いた2トップのシセとアメオビが追い付き両方ともワンタッチゴールを決めて勝負を決めました。

オベルタンはかつての三都主のように、走るスピードとドリブルのスピードがあまり変わらないのが売り物で、相手ボールのCKからセカンドボールを拾えば、オベルタンと2トップでカウンターを機能させられるところは面白いと思います。

逆にボルドーは機能しない中盤に苛立って監督がハーフタイムに二人交代させたのは逆効果でした。3点目を失った後のボルドーは明らかに緊張感を欠き、すっかりチームとしての体裁をなしていませんでした。
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上体を振ったドリブル(金崎夢生)

2013-02-24 16:48:15 | 他チーム
今オフ、名古屋を戦力外になりながら移籍先がドイツのニュルンベルクと、意外な形で海外挑戦できた金崎夢生選手の思い出です。金崎は高校サッカーの名門、滝川二高を出てプロのキャリアを大分でスタートしています。

大分ではプロ2年目に当時のトップ下梅崎が浦和に移籍したチャンスをものにして、大分のトップ下に定着します。ナビスコ杯の決勝戦で国立競技場に来たときにじっくり観察してみましたが、当時のシャムスカ監督の戦術をよく理解しているところが売り物でした。

当時の大分は攻撃の多くがウェズレイ、高松大樹、金崎の3人に任されていました。トップ下の金崎はパスよりも思い切った個人技で相手を崩す役割でした。慎重なシャムスカ采配では金崎が上がった穴は2トップのウェズレイか高松が下がって埋めることになっていましたが、このサッカーは機能してナビスコ杯のタイトルを取ります。

後に金崎は名古屋に移籍して左のFWに定着して、NACK5スタジアムの大宮戦でじっくり個人技を見ることができました。戦術的な動きは埼玉スタジアムや国立競技場でも十分追えますが、細かいテクニックはスタンドが近いNACK5スタジアムで見るのがベストです。

この試合では金崎の役割はクロスを上げることで、大宮の右SBに動き勝つ必要がありました。金崎のフェイントは上体を使うもので、内側に行くと見せかけて実際は縦に行く個人技は面白いと思いました。名古屋が3トップのチームなので、金崎がやりやすいトップ下でプレーすることは叶いませんでしたが、左のFWというポジションも消化していました。

ただ、名古屋では3トップの左は激戦区でした。玉田、永井ら強力なFWは数多くいて、金崎の出場機会は限られました。それでも、金崎はまだ若く、年齢的にはまだ上積みも期待できるだけに、今回の戦力外は驚きました。Jリーグで戦力外になると移籍金はただになるので、もしニュルンベルクが目をつけていることを名古屋が知っていればと思うと惜しまれます。
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カウンターの旗手(フランクフルト対ニュルンベルク)

2013-02-24 11:23:02 | ワールドサッカー
今朝は時間があったので、たまったワールドサッカーのビデオを見ていました。カードは日本人対決のフランクフルト対ニュルンベルクです。両チームとも世界的な選手を集めているチームではないので、知っている選手は乾と清武を除けばフランクフルトのベンチにいたマトムール(アルジェリア代表)だけです。

そのため、この試合の注目ポイントは乾と清武に絞りました。乾が右のサイドハーフ、清武が左のサイドハーフなので、試合中はこの二人のマッチアップも見られました。フランクフルトは以前見た通りの4-2-3-1ですが、ニュルンベルクは4-1-4-1で、ポゼッションのフランクフルト、カウンターのニュルンベルクとチームカラーが対照的な両者でした。

乾はテクニックで信頼されていることは以前書きましたが、ドリブルに強引に行くよりは簡単に2タッチ以内ではたくプレーを得意にしていて、乾にボールが入りそうな場面で味方が信じて上がってくれるところに信頼を感じます。また、乾自身が飛び出すプレーも時には見られました。

清武はCKやFKのキッカーを任されていることはダイジェスト映像などでご存知の方もいらっしゃるでしょう。それだけでも十分信頼されていることは感じますが、清武の優れているところはニュルンベルクのカウンターサッカーの起点になれるところです。こぼれ球をうまく拾えば、清武を起点に次々といろんな選手が連動してきて、清武も安心してパスが出せます。

試合は0-0のスコアレスドローでした。この結果はホーム戦だった4位のフランクフルトには不満で、逆にアウェイの14位ニュルンベルクにとっては悪くないものだったでしょう。点が入っていないので、どうしても乾と清武以外の選手を注目するのは難しかったですが、少なくとも彼ら日本人がスピードやテクニックで信頼を得ていることがわかったのは良かったと思います。

また、ニュルンベルクには名古屋から金崎夢生選手も移籍して加入しています。この日はベンチ入りしたものの出場機会はありませんでした。もっとも、金崎はJリーグ時代のプレーが結構印象的な選手だったので、オフネタでどこかで記事にしようと思います。次節は清武と同時出場したらしいので。
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選手が湧き出してくる(フィオレンティーナ対インテル)

2013-02-23 18:31:43 | ワールドサッカー
スコアはフィオレンティーナの4-1という圧勝だったことは知っていましたが、普段見ることのできないフィオレンティーナの攻撃陣をチェックしてみようと思ったのが、この試合を見た理由です。昨年から大きく選手が入れ替わっているフィオレンティーナ(以下フィオ)はFWのモンテネグロ代表ヨベティッチ(8番)のほか3人程度しか昨年からいる選手がいないほどです。

そんなフィオですが、この試合はインテル相手に会心のサッカーをした試合でした。インテルのラノッキア、ジュアンの両SBはスピードに難があることもあって、どうしても裏のスペースが気になって余り気味のポジションを取ってきます。その最終ラインの弱点でバイタルエリアが空くので、イタリア代表MFアクイラーニ(10番)やチリ人のアンカー、ピサロ(7番)あたりは自由にボールを持て、得意のロングパスを自在に供給することが可能でした。

フィオで特に目を引いたのはアクイラーニです。ACミランにもいたテクニシャンですが、華麗な個人技とロングキックを持っており、ヨベティッチの2点目をアシストしたヒールキックの視野の広さとテクニックはさすが代表にも入る選手ということを示しました。ヨベティッチもいい選手です。彼の売り物はその運動量で、マスコミにはCFと書いてありますが、引いてきたりサイドに流れたりといろいろな位置でボールを持て、この日は2得点とシュートのうまさも持っています。

この日のフィオは、インテル相手に果敢に高い位置からプレスを掛けたのが勝因です。左FWのクアドラード(11番)が長友の上がりを牽制したのも一つの勝因ですが、セカンドボールを粘り強く拾い、後ろからSBが攻撃参加できる時間を作れたので、フィオの攻撃は次々にフリーな選手が刺客としてやってくる、インテルにとっては対応が後手に回った試合でした。

インテルは、ポストプレーヤーのミリートが前節の欧州リーグでひざのじん帯を損傷して全治6ヶ月の診断で今季絶望になりました。カウンターからカッサーノに入れて、ミリートを中継点に逆サイドに振るサッカーを確立しかけていたインテルにとっては痛い誤算で、この日はカッサーノ、パラシオの2トップでしたが、どういう形を機能させたいか、この試合からは見えてきませんでした。また、新戦力のコバティッチ(10番)も守備で足を引っ張っており、またベストの形を模索しながら次節のミラノダービーに挑まざるを得ないのは苦しいです。
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鮮やかなダイレクトボレー(2/23広島対柏)

2013-02-23 18:25:03 | 他チーム
今日は開幕前の一つのイベント、リーグ王者と天皇杯王者が戦うゼロックス・スーパーカップでした。カードは広島対柏という中立観戦で、今年の冬は相当厳しい冷え込みなので、私のような他チームサポの根性なしはテレビ観戦で妥協しましたが、両チームのサポーターにとってはこういう大舞台は楽しみにしていたと思います。

広島は森脇を浦和に引き抜かれていますが、ほぼ昨年のメンバーで、未知の戦力を見たいという意味では楽しみはあまりありません。もっとも、佐藤寿人のDFライン裏への走りこみや高萩のキープ、森崎浩司のシュートなど持ち味は十分な選手が揃っており、攻撃サッカーをやるには十分な選手を誇っています。

広島戦ではいつも楽しみにしている、激しく上下動できる体力を持った右アウトサイドのミキッチが故障で欠場していたのは残念ですが、1-0の最終スコアとなったこの試合唯一のゴールは非常に面白い形でした。

左からのクロスを水本が後ろにそらし、そこに走り込んだ佐藤寿人のダイレクトボレーで、ポストに当たって跳ね返ったのは運もありますが、このシュートの難度は高く、佐藤寿人の驚異的な運動神経がなければ決められなかったと思います。

柏は1トップのクレオ、右アウトサイドのキム・チャンスと知らない選手が加入しており、移籍組の鈴木大輔も3バックの一角に入れるなど意欲的に新戦力を融合させようとしています。特に、酒井宏樹の抜けた右サイドは昨年も苦労した補強ポイントで、キム・チャンスを前目で使おうとしたのが、この日に3バックを採用した理由と思います。

もっとも、この布陣だとジョルジ・ワグネルが左アウトサイドで起用されることになるので、広島はジョルジ・ワグネルのところにプレスを掛けて速攻という狙いは見て取れました。ジョルジ・ワグネルは左SBに置くと攻撃好きの性格が出てしまい、ボランチ気味の位置を取って穴を開けてしまうので、後ろを3枚にすれば多少はスペースも埋まるという発想での3バックだったと思います。

ジョルジ・ワグネルが狙われることに気付いた柏は、5バックにしてもいいから守れという指示を送り、キム・チャンスやジョルジ・ワグネルに対する広島のプレスを緩和する理由もあったと思います。もっとも、これでチームバランスが後ろ気味になってしまったので、エースのレアンドロ・ドミンゲスに生きたボールが入りませんでした。

広島もレアンドロの実力はわかっていますから、森崎和幸をレアンドロにつけてフリーでボールを持たせず、先制点の入った広島が柏のいいところを消そうとした、慎重な試合に終始しました。また、期待の1トップ、クレオの存在感は薄く、特徴を把握できるほどプレー機会はありませんでした。形が出来上がっていたのは広島、最適な形は見つけられていない柏と、チームの完成度の差がこの試合の結果を左右したと思います。
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