Kobby loves 埼玉&レッズ

埼玉と浦和レッズを愛する管理者のブログです。

機能した「諸刃の剣」(11/30FC東京対浦和)

2019-11-30 22:41:37 | 浦和レッズ
タイトルの「諸刃の剣」とは、左アウトサイドでスタメン起用された山中亮輔のことです。おそらく、関根がACL決勝でアルヒラルのMFカリージョに徹底的に打ちのめされたので、精神的にも疲れているだろうという起用でしょうが、山中がスタメンのときは相手が容赦なく浦和の左サイドを仕掛けてきます。前半の劣勢は多くが山中のサイドで、山中自身も警告を受けるなど不安定な印象を受けました。

また、アルヒラル戦で相手に使われた、ボランチとDFラインの間のスペースも狙われました。FC東京にDオリベイラと永井の2トップが出ている時間は、この2トップの力を生かすFC東京の攻めの前に、浦和は防戦一方で苦しみました。それでも、山中を起用しているということはもちろん意味はあります。守備で穴を空ける分はその分得点に絡んで欲しいというものです。

その期待には応えました。浦和が右サイドを仕掛けたチャンスから、FC東京のクリアボールに反応した山中が、無回転の変化するシュートを放ちます。これはGK林も弾くのが手一杯で、そのこぼれ球に詰めていたマルティノスのシュートがうまくワンバウンドしてゴールになり、浦和は前半を1-0とリードして折り返すことに成功します。

また、FC東京ももちろん強い相手ですが、先日ACL決勝で対戦したアルヒラルほど恐ろしい相手ではなかった印象です。アルヒラルは攻撃が速く常に決定機に持ち込んでいた相手ですが、FC東京は粘ってカバーリングに行くとミスをしてくれる相手でした。それだけ、アルヒラルのような強い相手と対戦したという意義はあったと思います。

それでも、優勝を目指すためには勝利が欲しいFC東京は浦和に仕掛けてきました。FC東京の同点ゴールはCKからで、ナサンホのシュートはGK西川が止めたものの、その跳ね返りを田川が合わせて1-1の同点に追いつかれます。後半になると少し浦和も相手のリズムに慣れてきて、柏木がトラップで森重を置き去りにする、鈴木大輔が良いカバーリングで守るなどいいプレーも出始めてきました。

負けていてもおかしくない試合ではありましたが、何とか引き分けに持ち込んだ浦和は残留争いを有利に運ぶ、大きな勝ち点1を得ました。残留の条件は別記事にまとめましたが、99.9%残留決定とみてよい条件です。それだけ、残留争いのようなシビアな試合では、取れる勝ち点は1でも大きいです。それを得られたことが、今日の大きな成果だったと見て良いでしょう。
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浦和のJ1残留条件

2019-11-30 21:54:19 | 浦和レッズ
今日の浦和のFC東京戦で、貴重な勝ち点1を得た浦和の残留条件は以下の通りです。

1.浦和が最終戦のG大阪戦で勝つまたは引き分ける⇒残留決定
2.浦和が敗れても
2-1.湘南が負けるか引き分ける⇒残留決定
2-2.湘南が勝っても
 2-2-1.清水対鳥栖の直接対決がどちらかの勝利に終わる⇒残留決定
2-2-2.清水対鳥栖が引き分けても、浦和が9点差以内の敗戦⇒残留決定

という条件です。これは99.9%残留決定とみて間違いなく、少し落ち着いて埼スタで最終戦を見届けられそうです。
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田中達也の記憶

2019-11-29 22:37:07 | 浦和レッズ
先日、J2新潟に所属するFW田中達也選手が契約満了で退団するニュースがありました。37歳という年齢を考えると来季以降の所属は気になるところですが、思い出したので記事にしたいと思います。田中達也は山口県の出身ですが、高校は越境入学して東京の帝京高校でした。1年生からレギュラーだったのでエリートかと思えましたが、実際は「100人中80番目の選手」から這い上がったと聞きます。

田中達也といえば思い出すのは、2001年入団で半年だけ一緒だった、当時のゲームメーカー小野伸二と最も感覚が合っていた印象が強いです。2001年5月の国立競技場での磐田戦で、試合は0-2で敗れたものの、途中出場だった田中達也が小野伸二が出しやすいような体の向きやスペースに反応する動きなどを見せて、小野伸二も嬉しそうにパスを出していた記憶です。

小野伸二がオランダに渡る、2001年7月の広島戦では田中達也が2ゴールを決めて小野伸二を送り出しました。そんな田中達也にとって、一番輝いた時期は2003年にエメルソンと2トップを組んでいた頃でしょう。かつては「ドリブルを見せる」ことにこだわっていた田中達也ですが、エメルソンと組んだときに彼の長所をうまく盗んだようで、枠が見えたら打つなど、ゴールに対する意識を向上させた日々でした。

2003年のナビスコ杯(現ルヴァン杯)で、雨の中の鹿島戦で4-0と勝利を飾って、浦和史上初のタイトルを取れたときは、田中達也の前途は洋々としているように思えました。しかし、試合中の不運な負傷で足首を脱臼骨折したことがたたり、それからは彼のサッカー人生は負傷との戦いになってしまいました。

また、彼の特徴として、1トップに向いていないというのがあります。どうしても、2トップで横にいるFWと連携を見せて点を取るタイプの彼にとって、キープ力を要求される1トップは得意でない印象を受けます。そのため、3-6-1のミシャ時代にポジションを失い、その後は新潟に移籍して途中出場が多くなります。

それでも、新潟でよく7年も頑張ったと思います。試合に出るためにはMFもこなしたと聞きます。プロ意識の高さはずっと武器にしてきたので、指導者になってもいい指導を見せてくれるのではと期待もできます。どういう道を選ぶにしても、彼の納得いく結果が得られることを願うばかりです。
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岩舘直、浦和退団

2019-11-28 22:55:33 | 浦和レッズ
今日、浦和GK岩舘直(いわだてなお)選手の契約満了による浦和退団が発表になっていました。先日の川崎戦で、もしかしたら彼の姿を見るのは最後かもしれないと撮ったこの写真が、浦和の選手としては最後の写真になるでしょう。彼はJ2の水戸から、第三GKが必要になった浦和に2014年6月に加入し、5年半の間試合には出られなかったものの浦和の一員としてプレーしました。

この記事を書くにあたって、浦和のオフィシャルサイトを調べましたが、彼は浦和ではもちろん、水戸時代も公式戦に出場していません。2010年、2011年とJFLのアルテ高崎に在籍し、天皇杯に4試合出たのが唯一のトップレベルの公式戦です。31歳とベテランの域にさしかかった彼が試合出場経験がないというのは痛く、今回の退団はやむを得ないところもあります。

それでも、第三GKという、他のGKに負傷者が出ない限り絶対に試合に出られないという苦しい位置を、5年半も守ってくれた彼の価値はあります。本人は「自分が第三GKでいいやと思うと他の二人に迷惑がかかるので、試合出場を目指してトレーニングしてゆく」と新加入の当時、コメントしていました。

彼が試合に出られなかった理由は、もちろん正GK西川が抜群の安定感を誇っていたからです。岩舘の在籍期間はほぼ西川の在籍期間とかぶり、西川がどんなときでもスタメンを譲らなかったことで、時折ベンチ入りするのが関の山でした。GKというポジションが、好調な限り入れ替えないのが鉄則のポジションだったのも彼には不運でした。

そんな岩舘を、最後に埼スタのピッチで見られたのは奇跡的でした。ちょうど、アウェイのアルヒラル戦に西川が出場停止だったので、サブGK福島を温存するために、川崎戦のベンチに入ったのが岩舘でした。試合に出ていないのでプレーを見たことがなく、どのくらいのカテゴリーならプレーできるかわからないのが残念ですが、J3やJFLで試合に出られる環境を得られるように願うばかりです。
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FC東京戦プレビュー

2019-11-27 22:17:37 | 浦和レッズ
ACLのタイトルを逃して意気消沈の浦和ではありますが、試合は続き、現実の残留争いに引き戻されます。浦和は勝ち点36の13位で、前節で自動降格の可能性こそ消えましたが、まだ16位でプレーオフの可能性が残っています。このプレーオフはホームで行い、引き分けでも残留という条件の試合ですが、一発勝負の1試合だけに何が起こるかわかりません。避けられるなら避けるに越したことはありません。

今度の土曜日の相手はFC東京で、アウェイの味の素スタジアムでの試合です。FC東京は現在首位と勝ち点1差の2位で、最終戦は首位横浜FMとの直接対決が残っており、この試合にできるだけいい条件で臨みたいでしょう。勝ちたい思いは強いと思いますが、前節の湘南戦の映像を見た限りでは、最後に森重のミドルで辛くも勝ち点1は得たものの、攻撃がかみ合っておらずチーム状態はあまり良さそうに見えません。

FC東京は基本は4-4-2で、Dオリベイラと永井の2トップで戦うことの多いチームです。この2トップが得点ランキングの上位にいることを考えると攻めの形は十分に構築できているチームの可能性が高いです。FC東京を率いる長谷川健太監督は、もともとチーム作りの上手さに定評があり、清水やG大阪に組織を浸透させてきた実績があります。

もっとも、残留争いの浦和にとっては、この厳しい試合でも勝ちを目指し、残留を勝ち取らなければなりません。勝利なら即残留決定、引き分けでも湘南の結果次第で残留が決まりますが、緊張で動けなくなるリスクは双方とも抱えている一戦になります。こういうときはベテランが頼りで、経験豊富な槙野や西川あたりがチームをうまくまとめて欲しいものです。

ACLで消耗している浦和ではありますが、もう今季は残り2試合しかありません。ここに最後の力をぶつけるつもりで、最後の天王山を乗り越えて欲しいものです。来季監督には大槻監督に続投要請をしたという埼玉新聞の記事を見ましたが、まずは残るために、大槻監督以下皆がまとまって戦って欲しいです。
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アルヒラル戦マニアック分析

2019-11-26 23:06:55 | 浦和レッズ
後半戦、浦和の旗色が悪いことはいろんなところに表れるようになってきました。まずは関根のところです。Jリーグが相手のときは個人技で仕掛けられる関根が、アルヒラルのSBのアルブライク相手にまったく通用しませんでした。相手の4-2-3-1に対して3-6-1の浦和は、アウトサイドの攻撃力が最も使いたい武器ですが、ここが通用しなかったことは大きな痛手となりました。

また、チーム一番の身体能力があるDF鈴木大輔は、相手の1トップのゴミスに付きました。この対決で勝ってきたことが浦和の決勝進出の一つの要因でしたが、ゴミスは強さとともに体の幅も持っており、ポストプレーをしているときに鈴木大輔はまったくボールに絡めませんでした。これでは、相手にポイントを作られてしまいます。

さらに決定的だったのは、浦和の守備陣にイエローカードが出始めたことです。1stレグでは警告をあまり出さずに止められた浦和の守備ですが、2試合続けての劣勢はさすがに辛かったようで、前半の関根に続き、岩波、青木、槙野にも警告が出ることになります。これでは、どうしても退場を恐れて厳しい守備ができないことになり、劣勢は決定的となります。

また、ベンチ入りの人選も影響しました。大槻監督は少ない点を取って逃げ切るプランを立てていた様子で、ベンチ入りはGK福島、DFマウリシオ、MF宇賀神、MF阿部勇樹、MF柴戸、MF柏木、FW杉本と守りの選手を多くベンチに入れていました。追う展開になったら苦しいのは自明で、最初の交代枠は長澤out柏木inでしたが、柏木は今季は良くなく、彼の悪い癖であるフリーになりたいと思うあまり下がり出す展開になってしまいました。

そんな展開故、直接の原因になったのは興梠のパスミスでしたが、そこから食らったカウンターで浦和は対応することができず、折り返しをアルドーサリに決められて、決定的とも言えるアウェイゴールを相手に決められてしまいました。これで、浦和の逆転には3点が必要な状況になり、追いかける選手をベンチに入れていなかった大槻監督の采配もあって試合は決定してしまいました。

最終スコアは0-2でしたが、スコア以上に内容の差が大きかった試合でした。やはり、浦和がアジアの強豪相手に長期戦であるACLを戦うには、選手層の厚みが足りませんでした。本気でアルヒラルのような相手に勝つことを狙うなら、ワールドクラスの選手一人は必要だと、強く感じざるを得ませんでした。














ジョビンコ


ゴミス









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大相撲九州場所総括

2019-11-25 22:03:06 | 他スポーツ
大相撲九州場所は昨日、千秋楽を迎えました。九州場所は荒れにくいというイメージ通り、本命白鵬の14勝1敗での優勝でした。白鵬も、さすがに34歳と全盛期は過ぎており、下位相手でも張り手やかちあげなどの奇襲で拾った星もあります。昔の、余裕すら漂う勝ち方ではないですが、それでもまだ相撲界最強は白鵬というのは間違いないと思います。

その白鵬を、2日目に破って金星を得た、前頭筆頭の大栄翔は8勝7敗と勝ち越して初の殊勲賞に輝きました。これまでは上位では跳ね返されてきた大栄翔が、上位陣と五分に渡り合った今場所は自信になったはずで、来場所はおそらく新三役(小結)になると思います。小結は初日に横綱と当てられ、序盤から上位戦が続く難しい地位ですが、ここで勝ち越すようなら上位定着も見えてくるでしょう。

また、写真の朝乃山の頑張りも光った場所です。彼が終盤まで3敗をキープして白鵬を追ったのは、この場所の盛り上がりに一役買いました。右四つの型が評価されて技能賞にも輝き、来場所は関脇昇進の可能性も高いです。こういう、本格的な四つ相撲の力士はしばらく出ていなかったので、より来場所以降の成長が楽しみです。

三役争いは、関脇御嶽海が6勝9敗で平幕落ち、関脇栃ノ心も休場し平幕に落ちます。小結北勝富士、小結遠藤が負け越して平幕に落ちます。大関から陥落してくる高安の扱いにもよりますが、関脇に朝乃山と阿炎の可能性もあります。そうなると、空く枠は一つまたは二つで、東前頭筆頭で8勝7敗の大栄翔はかなり有望で、枠が二つなら東前頭2枚目の妙義龍にもチャンスはあります。

白鵬以外の上位陣は振るいませんでした。左ひじの負傷を押して出場したカド番の高安は、場所中に腰痛を発症して無念の途中休場に終わりました。相撲内容を見ていると相撲が取れる状態ではなかった様子で、来場所の大関復帰の10勝に賭けるしかないでしょう。唯一、大関陣で最後まで出た貴景勝も9勝6敗で、大関を守るだけで手いっぱいだった様子です。

下位では、元大関照ノ富士が幕下で7戦全勝優勝を飾り、来場所は十両に戻ってきます。一時は序二段にまで落ちて、心理的にも辛かったと思いますが、伊勢ヶ浜部屋では「大関」と呼ばれており尊敬はされていた様子です。十両でどこまでできるか、幕内にまで戻って来られるか、楽しみに来場所を待ちたいと思います。
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完全に力負け(11/24浦和対アルヒラル)

2019-11-24 22:55:11 | 浦和レッズ
今日のアルヒラル戦、完全に力負けでした。相手が強かったです。詳細は明日以降、記載します。

以下翌日追記

1stレグのビデオを見る限り、アルヒラルの強みは右MFカリージョのところでした。彼が後ろから駆け上がってチャンスを作り、真ん中のゴミスやトップ下のジョビンコに合わせるのが一つの型です。まずは、カリージョを浦和がどうやって消せるか、それが最初のポイントでした。左アウトサイドに守備の強い宇賀神を置く手もありましたが、大槻監督の決断はあえて1stレグで苦戦した関根の左アウトサイド起用でした。

もちろん、関根に1対1で守らせて破綻をきたした、1stレグからは修正を加えていました。ボランチの青木やDFの槙野が関根をフォローして、可能な限り2対1の形を作ってカリージョに対して守るという手で、前半はある程度カリージョを消せていました。カリージョにカウンターで走られると厳しいですが、自陣に備えがあればカリージョ相手でもある程度戦える形は見せたと思います。

もっとも、2点差の勝利が必要な浦和としては、カリージョを消すだけでは十分ではありません。どうやって攻めの形を作るかが、この試合で課せられた大きなテーマでした。後ろからのビルドアップに対しては、アルヒラルの守備意識が高く、苦しくなってバックパスから西川のフィードが通らないという最悪の循環になってしまいました。

それでも、序盤を見ているとアルヒラルに対して通用したパターンはありました。それは、トップ下のファブリシオのキープと、興梠の持っている個人技でした。ファブリシオで収めるか、カウンターで興梠に出して、折り返しを誰かが合わせればという期待はありました。それが実現しかけた23分のチャンスでは、興梠のクロスから関根がシュートを放ち、GK正面を突いたものの可能性があった場面でした。

試合時間が進んでくると、アルヒラルという相手が非常に強いことが次第に明らかになってきます。このチームは、元フランス代表のゴミスや元イタリア代表のジョビンコというネームバリューもさることながら、彼らに高い守備意識が備わっている強みがあります。浦和が後ろでゆっくり回していると、彼らアタッカー陣が激しくプレスに来る、欧州強豪チーム並みの組織力を持っている相手でした。

この相手には2点差での勝利は厳しく、どうにか1-0で勝利して延長戦に持ち込むしかないと覚悟しました。事実、前半の浦和は押され続け、GK西川ら守備陣で何とか相手に点を許さないのが手一杯の印象はありました。そんな試合は、最後に破綻することになるのですが、それについては明日、マニアック分析で補足します。





























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67kgからの出発(白鵬)

2019-11-23 21:42:29 | 他スポーツ
大相撲九州場所は、写真の横綱白鵬の43回目の優勝に終わりました。最近は負傷がちになっている白鵬ですが、まだ優勝できる力は維持しており、34歳の今年も無事乗り切りました。この優勝43回は、ほぼ不滅の大記録と言ってよく、若くして昇進して長く綱を張るという両方の力が必要な大記録です。

白鵬の思い出は、入門時のエピソードがあります。白鵬は、大相撲に入門する前は体重67kgのどこにでもいる一般人体型でした。しかも、今思えば無謀ですが、受け入れ先の部屋が決まっていない状態で来日してきました。滞在ビザが切れる直前で、宮城野親方が受け入れる決断をしていなければ、横綱白鵬はなかったと言ってよいでしょう。

当時の白鵬は、最初は稽古をさせず食事だけさせて、体重が80kgになった時点でようやく稽古が許可されたという、体重を増やすのに必死だったエピソードがあります。今は160kg近い体ですが、検査結果ではほとんどが筋肉だったといわれており、努力してこの体を作り上げたことを示すデータです。

もっとも、出世は順調でした。新入幕で12勝を挙げてすぐに上位力士になり、新三役で二桁勝つというなかなかない記録も作っています。大関にも横綱にも、順調に上がったため、彼にとっては相撲で勝つための挫折はほとんどなかったと言ってよいでしょう。また、ちょうど充実期を迎えたところでライバル朝青龍が不祥事で相撲界を去っており、優勝回数を積み重ねる好条件は揃っていました。

それでも、年間勝利数86勝など、これまでになかった次元の強さを誇っており、休場もほとんどしなかったので、これだけの大記録が生まれたのでしょう。若手育成にも心を配り、私が見に行った大相撲さいたま巡業でも、当時若手だった遠藤や逸ノ城らを指名して激しい稽古をしていました。

そんな白鵬にとって、今のライバルは「怪我」かもしれません。今年は腕の筋肉を断裂したり、足の小指を骨折したりしました。さすがに34歳となり、昔のように下位相手には余裕で取るような強さには陰りも見えますが、まだまだ角界の第一人者の地位は譲らないというところを、今回の優勝では見せたと思います。
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アジア2次予選他組動向201911_3

2019-11-22 16:04:37 | ワールドサッカー
グループE日程&結果

【順位表】
1.カタール(13)+10
2.オマーン(12)+7
3.アフガニスタン(4)-9
4.インド(3)-2
5.バングラデシュ(1)-6

第5節※試合なし:カタール
11月14日(木)
アフガニスタン 1-1 インド
オマーン 4-1 バングラデシュ

第6節※試合なし:バングラデシュ
11月19日(火)
アフガニスタン 0-1 カタール
オマーン 1-0 インド

カタールが首位を走るこの組ですが、2位オマーンが着実に勝ち点を伸ばしています。オマーンは過去にはそれほどサッカーの強い国ではなかったですが、ここ数大会では最終予選に何度か進出しています。最近は、そういう小さな国に、欧州で実績のある名監督が就任するケースが増えてきており、意外な国が強くなる可能性はあります。そういう名監督としては、代表選手が国内組主体でじっくりと代表を強化できる環境は魅力的なのかもしれません。

グループG日程&結果

【順位表】
1.ベトナム(11)+4
2.マレーシア(9)+2
3.タイ(8)+3
4.UAE(6)+4
5.インドネシア(0)-13

第5節※試合なし:インドネシア
11月14日(木)
マレーシア 2-1 タイ
ベトナム 1-0 UAE

第6節※試合なし:UAE
11月19日(火)
マレーシア 2-0 インドネシア
ベトナム 0-0 タイ

この組は大混戦になっています。ベトナムが天王山のUAEとのホームゲームを勝利して首位に立ち、続くタイ戦を引き分けて首位を守っています。本命UAEのまさかのもたつきで、この組はもつれており、今回はマレーシアがタイ、インドネシアと連勝して2位まで勝ち点を伸ばしてきました。マレーシアはサッカーは弱小国の部類で、2007年アジアカップに開催国で出場したものの惨敗に終わっていますが、今回の躍進は予想外でした。最下位インドネシア以外の4チームすべてに予選通過の可能性がある、予想の難しい組です。

グループH日程&結果

【順位表】
1.トルクメニスタン(9)+3
2.韓国(8)+10
3.レバノン(8)+2
4.北朝鮮(8)+1
5.スリランカ(0)-16

第5節※試合なし:スリランカ
11月14日(木)
トルクメニスタン 3-1 北朝鮮
レバノン 0-0 韓国

第6節※試合なし:韓国
11月19日(火)
トルクメニスタン 2-0 スリランカ
レバノン 0-0 北朝鮮

この組も、驚くべき途中経過になっています。首位に立っているのは、中央アジアの小国トルクメニスタンです。領土こそ広いですがほとんどが砂漠という国で、住むことができるのはわずかな山岳地帯だけです。トルクメニスタンは今年のアジアカップで日本相手に1-2の接戦を演じるなど強くなってきていますが、まさか韓国を抑えて首位に立つとはと驚いています。それでも韓国はまだ1位最有力候補で、アウェイのレバノン戦は無観客試合を強いられましたが、最低限の勝ち点1は確保してきました。
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