すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【アジア杯・究極の二択】いいサッカーか? 勝つサッカーか?

2019-01-26 09:45:46 | サッカー日本代表
勝って得られるものはデカい

 勝てないが美しいサッカーがいいか? 内容は別にして勝つサッカーがいいか? 究極の二択だが、日本人は伝統的に前者を支持してきたような気がする。

 いいサッカーをした。でも届かなかった。だけど内容がよく美しかったから満足だーー。どうも日本では「滅びの美学」の人気が高い。

 だがアジア杯での森保ジャパンは、日本人が出してきたこの究極の二択の答えに強い異議を唱えている。強烈な問題提起だ。今回彼らが演じているのは、たとえ内容は悪くてもしぶとく勝つサッカーである。

よかったのはウズベ戦とサウジ戦の「守備」だけ

 ここまでのアジア杯、森保ジャパンの内容がよかったのはサブ組が先発した1次リーグ3戦目のウズベキスタン戦と、決勝トーナメント1回戦・サウジ戦での「守備」だけだ。

 トルクメニスタン戦とベトナム戦では敵の「引いて守ってカウンター」に手を焼き、オマーン戦ではPKをもらったあとにPKを見逃されるジャッジで勝った。結果的に日本が堅守速攻になったサウジ戦では、守備はよかったがカウンターを決められなかった。

 内容がよかったか? と問われれば「NO!」と言わざるをえない。

 だが重要なのは、ここまでの5試合を苦しみながらすべて1点差で競り勝っている点だ。粘り強く勝つサッカーである。

勝つための経験と強者のメンタリティ

 おそらく森保監督は別にこういうサッカーを志向しているわけじゃない。試合の流れや得点差、今大会の戦力、自分たちのコンディションなどを秤にかけ、状況に応じたベストを選んで行ったら結果的にこうなっているのだろう。

 チームにとって、この経験は非常に貴重だ。なにより状況に合わせた応用力がつく。また勝てば次も勝つことが前提になり、自然と強者のメンタリティが備わって行く。どう勝てばいいか、ノウハウも蓄積される。ワールドカップの決勝トーナメントの常連国たちは、こうして自国のサッカーを積み上げて行ったのだろう。

 いや初戦のトルクメニスタン戦はひどい内容だったし、ベトナム戦前半の拙攻は見ていられなかった。ミスも多い。だがそれでも彼らはすべて1点差で試合をモノにしている。これが大きい。プロゆえにまず勝つこと。そのあとで細部は微調整して行けばいい。

 次なる準決勝の相手はアジア最強のイランだ。彼らはフィジカルが強くデュエルに勝り技術レベルが高い。ハンパない相手だ。そんなチームに森保ジャパンはどんなサッカーをするのだろうか? カギはハードワークだ。泥のようなハードワークでイランに競り合いを挑み、粘り強く今大会ピカイチの突き抜けた勝ち方をしてほしい。

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