『オイ元気か？ オレ アベだよ 覚えているかい？』 昨日の夕方 スマホに電話
見知らぬ番号であるし 一瞬戸惑っていたら『オレ アベ○○』すぐ分かった
ただ直接電話を交す相手では無いが 現役時代は同僚 ある役員の仲間でもあった
なんで？ これも察知したらしく『たまたま電話番号見たら懐かしくなってさ』と言う
実に２５年は経つか 四半世紀だよ それでも昔の交流がぎゅっと濃縮して思い浮かぶ
なんで？の次に ある心配が胸に拡がる 電話もしなくなって長いのに どうした？
実は バンド仲間のベースマンの義兄でもあるのだ 彼がどうかしたか？
３年前だか バンド仲間のドラム担当が あの世に遠征に行ってしまったのだ
でも アベ氏は声も明るい そんなことは無さそう ベースマンは元気か？
拭えぬ心配に聞いた『ああ 先日我が家に来たよ アルバイトはコロナで止めたがね』
安心して 昔の思い出話や同僚たちの話に 一気に話が咲く
アベ氏は酒は大好き 私を誘ってスナックも行った そして必ず飲み屋へはしごだ
飲み屋へは結構付き合う なんたって 酒のつまみは どこへ行っても旨い
それでも深夜近くなると さすがの私も家に帰りたい もっと行こうよ 腕を絡ませる
亀戸の裏町あたりをよろよろ 旅館が一軒 今でもあるが ここに泊まろうなんて言う
大体 この手の旅館は訳アリ女性と入るような ヒミツの宿 なんで男同士だよ～
そんなアベ氏を 途中で突き放して 家に帰ったこともある
高度成長期が過ぎると 会社は数年おきにリストラの風が吹き荒れた
彼は早期退職したが 何と親戚の縁で とあるスーパー銭湯の支配人に落ち着いていた
当時 バンドは健康ランドにも出演していていたが ここへ出て見ないかと誘われる
スーパー銭湯は好きだから 彼の送ってくれる無料券で 何度か通ったときがある
休憩施設の他に 夜になれば下町のクラブ様なフロアがあり 遠慮せず依頼に応えた
ギャラは要らないが 店で出す寿司をメンバーに食わせてくれ それとピール
話は長くなった 同僚のあいつは？ 亡くなったよ 他の奴は？ 亡くなった・・
オールド・ブラック・ジョーの歌詞が 電話を切ってから頭に流れる
♪ 若き日 はや夢と過ぎ わが友みな世を去りて あの世に楽しく眠り
微かに我を呼ぶ オールド・ブラック・ジョー
我も行かん はや老いたれば かすかに我を呼ぶオールド・ブラック・ジョー♪
決して感傷に浸っていない 老いたとも思っていない 私のブラックジョークの一環
あいつも死んだ こいつも死んだ 今度は私の番か お吉物語の歌もこんな歌詞である
『いつか逢いたいね』『そうだね まずは コロナが収まったらなぁ』
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