8月22日の朝、十数年ぶりに帯広駅を眺めました。
2~3年に一度は帯広を訪ねていますが、ほぼ全てが自家用車での訪問なので、帯広駅を見ていないのです。
駅は以前よりこざっぱりした印象に変わっていました。
駅前の温度計が23.5℃を示しますが、その最大値は35℃で最小値がマイナス35℃です。
帯広は夏が暑く冬は寒い大陸性気候なのです。
帯広駅で、青春18きっぷに4度目の検印が押され、私は6時51分発の新得行きに乗り込みました。
十勝平野の懐かしい景色を楽しみながら新得に向かい、新得駅で8時0分発の代行バスに乗り換えて東鹿越へ向かいました。
根室本線の新得-富良野間は2024年3月末に廃止されますので、このバスに乗れるのはこれが最後です。
バスは順調に走り続け、9時8分に東鹿越に到着し、東鹿越で9時16分発の滝川行きに乗車しました。
発車した列車が山部に近づくと、今日こそ芦別岳を拝みたいと願ったのですが、状況は昨日と同じでした。
1978年の3月下旬頃と思いますが、芦別岳新道からピークを経て、旧道経由でユーフレ小屋へ下ったことがあります。
その時、旧道の1579m地点から、芦別岳を写した写真があります。
昨年記した「芦別岳・夕張岳の想い出」のコメント欄に、後輩の森さんが、「2022年の5月に芦別本谷を詰めた」と記してくれましたが、その本谷とは、上の写真のピーク右手の鞍部へ、沢を一直線に上り詰める雪の急斜面です。
森さんも多分古希を迎えた筈ですが、たいしたものです。
そして列車は富良野を過ぎ、
水清き空知川を渡り、滝川を目指しました。
列車が次の野花南駅に停車すると、駅裏の民家にアカマツらしき木を認めました。
今回の目的の一つが、北海道のアカマツ、クロマツの分布確認なので、私はちょっと嬉しくなりました。
更に列車が赤平駅に着くと、駅に接する公園にアカマツを認めました。
記事を書くに当たり、この地域の年間最低気温を調べると、富良野-14.4℃ 滝川-11.7℃ 芦別-11.3℃ (1991~2020年平均値)で、富良野より下流域の芦別、滝川は富良野より3℃程最低気温が高いことが分かりました。
以前の「別寒辺牛(ベカンベウシ)湿原でシカに急ブレーキ」で記したように、厚岸駅でクロマツらしき木を見ましたが、厚岸町の榊町アメダスが記録した年間最低気温は-11.7℃です。
このことから推測するアカマツ、クロマツの生育限界最低気温は-11℃辺りかもしれません。
これからも観察を続けたいと思います。
赤平を過ぎた辺りで、車窓に田園風景が広がりました。
日本の文化芸術の成立熟成に大きな影響を与えたイネとマツですが、イネの栽培可能域とマツの自生分布域はほぼ重なります。
イネの生育には、年間最低気温よりも5-9月の平均気温が影響するので、気温のみの観点から、イネとマツの生育エリアが重なる理由は見えないでしょうが、マツが育つ条件・状況を、そんな視点からも観察し続けたいと思います。
列車が滝川駅に到着する直前、鉄道線路の柵にクズらしき植物が葉を広げていました。
前回の青春18きっぷの旅以降、クズの北限に興味を持つ私にとって、これは大きな事件ですが、一枚の写真だけでは確信が持てません。
本当にクズなのか否か、確認すべきですし、したいと思います。
その後私は、滝川から函館本線で岩見沢へ、
岩見沢で苫小牧行きに乗り換え、
前回の青春18きっぷの旅と同じルートで、私は函館港からフェリーで青森へ渡りました。
前回の「青春18きっぷ」 「青春18きっぷ」花の旅 北海道
「花の旅」の全て 「花の旅」 総合目次
筆者のホームページ 「PAPYRUS」