青函フェリーは3時20分に青森埠頭に到着しました。
フェリーターミナルで夜明けを待ちます。
4時半ごろ、東の方角に八甲田山塊が見え始めたので、青森駅へ向かって歩き始めました。
メマツヨイグサが歩道の脇でカナリア色の花を咲かせていました。
車道の反対側にアカマツが並んでいます。
足元に、アカマツの実生が育ち始めていました。
津軽海峡を渡り、アカマツの自生可能な環境に入ったことが分かります。
その横で、ヒルガオが薄桃色にラベンダー色を重ねた花を咲かせ、ガガイモが象牙色の花弁にアズキ色の星を見せていました。
そして5時1分、東の空に突然太陽が姿を現しました。
オレンジ色の輝きが、今日一日の安泰を予告しています。
そんな風に思わせる朝が始まりました。
青森ベイブリッジの手前で道路を渡り、パチンコ屋の駐車場に沿って青森駅へ向かいました。
駅の西口に人影はなく、5日前に、この場所に降り立った日が遠い昔のことのように感じられました。
駅の東西をつなぐ連絡橋を進み、改札口の前に立つと、りんごジュースばっかりのりんご自販機が私を待っていました。
改札口で、青春18きっぷに5回目の検印を受け、青い森鉄道の列車が待つ1番線ホームに下りました。
青春18きっぷは、JRのみ利用可能で、青い森鉄道は第三セクターでJRではありません。しかし特例として、八戸駅で八戸線に乗り継ぐ場合等に限り、青森-八戸間の青い森鉄道が利用できます。
今日はその特例を利用し、八戸から久慈へ、そこから三陸鉄道で三陸海岸を南下する予定です。
一度は乗りたいと思っていた三陸鉄道です。
何だかわくわくしてきました。
青い森鉄道の吊りポスターに、
「青い森鉄道の青森駅~目時駅間は121.9kmで、車両はその先の盛岡駅まで乗り入れている」、
「年間約450万人、一日当たり12.000人の利用者がある」と記されていました。
ウィキペディアに、「青い森鉄道は当初、年間約16億円の赤字が見込まれていたが、需要に即した増便や駅の新設などの対策を行い2017年には黒字を達成した」と記されます。
青い森鉄道の八戸行き始発列車は5時40分に青森駅を発車しました。
青森駅を発車すると高架線を走り始めました。
市街地の家並が朝陽を受けて輝きます。
列車は6分後に筒井駅に停車しました。
筒井駅は東北本線が青い森鉄道に移管後初めて開業した駅で、通勤通学の利用促進を目的に新設されたそうです。
列車は東青森、小柳、矢田前、野内の各駅で停発車を繰り返します。
青い森鉄道でも駅名票の撮影を試みましたが、限られた駅でしか撮影できませんでした。
しかし今思えば、駅の様子だけでも撮影しておくべきでした。
そして列車は浅虫温泉駅に停車しました。
車窓に、青森湾に浮かぶ湯ノ島が見えています。
列車は西平内駅を通過し、次の小湊駅に停車しました。
この辺りから野辺地にかけて見られる杉林は、日本初の鉄道防雪林です。
列車が清水川、狩場沢駅を過ぎて野辺地に停車すると、車窓に「日本最初の鉄道防雪林」の碑を認めました。
この鉄道防雪林は、東京帝国大学造林学教授である本多清六の進言によって植栽され、本多はドイツ留学の帰路に立ち寄ったカナダの、パシフィック鉄道の防雪林からこのアイデアを学んだそうです。
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