息子の(小中高等)学校は脱皮中~ホワイトPTA目指して~

PTA問題に目覚めてしまい活動を始めたのは2015年。
私立高校でも、県立高校でもPTAが…。終わらないな。

あるPTAの改正個人情報保護法への取り組み

2017-02-11 09:45:33 | 個人情報保護法関係
【2017年5月21日 ご連絡】
後藤さんから預かった改正個人情報保護に
対応したPTA文書は形式を変えました。
ダウンロードしやすくなっています。
追加もあります。
ご確認下さい。



KKです。
毎日寒いですね。当地は雪が降っています。
インフルエンザがまだ猛威をふるって 
います。
どうぞ皆さん、ご自愛下さい。

改正個人情報保護法5月30日に施行され
ます。
個人情報の保護に関する法律
(平成15年法律第57号)

PTAにおいてどれ位影響があるのかがが
まだ分からず手探りな感じもある事で
しょう。

そんな中すでに対策をしているPTAが
ある事を知りました。
今回はそのPTA会長をされている
後藤美信さんとのコラボ企画です。


後藤さんは前高等学校のPTA会長
さんです。
後藤さんのご協力により、PTA内で
作成された改正個人情報保護法に
対応した資料を拙ブログにて公開と
なりました。


待望のコラボ企画ではありますが、
回を重ねる度に私の実務能力のなさを
実感してしまう、ある意味恐ろしい企画
でもあります。(´д`)
ITスキルが足りず技術面で課題を感じる
回でもありました。


さて、後藤さんはお勤め先でPマーク
(プライバシーマーク)

取得する際に学ばれた事をいかし尽力
されました。
また熊本PTA裁判、神奈川県教育委員会
のPTA活動ハンドブックの任意団体の記載、
憲法学者の木村草太さんの
『結社の自由』(結社しない自由)、
任意加入を公開している自治体のWEB、
任意加入を行っている学校のWEB

などを基に学校に話した上で任意加入を進め
ました。 

そのPTAは加入申込書は以前からあった
のですが、その年から氏名だけでなく
連絡先の記載も追加したそうです。
そして、PTA役員にも話を通し、改正個
人情報保護法に即した書面と様式を整備
されました。

本当に頭が下がる思いでいっぱいに
なります。
でも、規定が難しすぎてPTA役員とPTA
担当教員の頭が????になっている
そうです。


PTA会長さんの職業もいろいろあると
思います。
しかし後藤さんのように詳しい方は
少ないのではないかと思います。
本部役員の中に詳しい方がいなくても
保護者の中に詳しい方がいるかもしれ
ないのでまだ整備が出来ていないPTAは
可能ならば協力を募るとよいのでは
ないかと思います。
強制された行事や仕事をこなすよりはるかに
建設的だと感じます。

私も素人なりに調べてみましたが、理解
できずちんぷんかんぷんでした。(笑)
仕事で日常的に個人情報に接しているので
全く知らない訳ではありません。
細かいルールがあり取扱については慎重に
しています。

個人情報に敏感な会社は下記のような対応ではないでしょうか。

同意を得た個人情報は鍵のかかるキャビ
ネットに保管する。取扱者を決めておく。
パソコンでデータを使用する時はIDや
パスワードで管理をする。
パスワードは各自の責任で変更し管理
する。
パスワードは他人の目に触れないように
する。
席を立つ際は画面をそのままにしない。
ロックをかけたり画面を閉じて第三者
が盗み見る事がないようにする。
個人情報は紙・データに関わらず、
持ち出しは許可がある場合以外は厳禁。
廃棄する際は廃棄時期を決めて、一般の
ゴミではなく専門の業者に処理を依頼
する。
個人で取り扱い不要になった物は保持
せずシュレッダーにかける。
外部の人が出入りする際は記録を付け
同行する。
パーテーション等で立ち入り制限を
する、等。



改正個人情報保護法により取り扱う
個人情報の数が5000件以下であっても
企業と同じ事業者になります。


後藤さんは法改正によりPTAが取り組む
べき点として以下の3ルール挙げて
います。

1.利用目的のルール
2.保管管理する際のルール
3.第三者に提供する際のルール

が必要になる。


また紙で会員の個人情報を得て保管して
いれば適用除外と思っているかもしれな
いが、バインダーに
『○○年度加入申込書』として綴じると
個人情報データベースに該当する

指摘しています。



個人情報は奥が深いですね。
以前PTA本部役員と話した際、
個人情報は持っていないと返答された
経験を思い出しました。

私はPTAに年度初めにどの子どもで
一人一役を受けるかを用紙に書き提出
した。
PTAが個人情報を持っている認識
だった。
なぜならば、子どもの名前、クラス名
を記入したからだ。
しかし肝心の本部役員はそんな認識は
なく、きっぱり個人情報は持っていない
と言い切った。
前校長もあえて口出しせず放置した
過去がある。
運用をするPTA側の教育が重要だと
痛感します。

では早速下記の通り書式と様式を紹介
します。なおE-mailアドレス、電話番号
などは実在のものではありません。



【書式】
PTAへの個人情報漏えい事案への対応、
個人情報保護方針、個人情報保護規定、
個人情報保護施行細則


【様式】
個人情報管理台帳、個人情報事故報告書、
個人情報の開示等の依頼票、
個人情報の開示請求に関するご通知、
個人情報の訂正等のご通知、
個人情報の利用または提供の停止のご通知、
個人情報に関する苦情・相談対応票、
個人情報保護教育実施記録、
個人情報に関する内部監察報告書、
是正処置報告書、予防処置報告書、
利用目的変更同意書、
秘密保持及び個人情報保護に関する誓約書
個人情報保護関係組織図


PDF版はこちらです。
ワード版はこちらです。



様式の内訳を見ると開示・訂正・削除
請求への対応、役員委員への教育、
内部監査、苦情対応、個人情報を扱う
本部役員には誓約書
まで用意されて
います。
細部までよく練った様式です。
ここまで後藤さんがこだわった理由は
何でしょうか。

以下のように後藤さんは考えています。

PTAを構成する保護者の個人情報保護
に対する認識は低いです。
毎年一定数の保護者が入れ替わります。
個人情報保護に理解がある保護者もいま 
すが、そうではない保護者もいて活動に
対する余分な仕事が増えると認識されて
います。
個人情報保護に対する過剰反応に嫌悪感
を抱く保護者もおります。
これは個人情報保護の理解が進んでい
ないためだと思われます。
PTAが収集する個人情報は氏名、
生徒氏名、住所、電話番号、E-mail
など基本的には項目だけです。
要配慮個人情報は集める必要はありま
せん(ただし、多くのPTAでは保護者
の活動免除のために※要配慮個人情報
を集める場合があります)。
改正個人情報保護法の趣旨に鑑みれば
PTAが加入者の個人情報を、責任を
持って管理しなければなりません。
一般保護者の目にPTAは任意加入であり
PTAに対する個人情報保護の意識改革
を進めるためにも厳格なる対応が必要と
思います。
個人情報取扱事業者になることにより、
今のような安易な考えで個人情報を
取扱うことが無いようにするべきです。
そのための労力をPTAが払うことに
より社会からの信頼も得られると思い
ます。
利用目的の特定・公表、適正管理、 
第三者への提供、本人の権利と関与、
本人の権利への対応、苦情の処理、
違反時の罰則などがPTAで行われる
ようになれば保護者が安心して
個人情報を提供する
と思います。



※本人の人種、信条、社会的身分、
病歴、犯罪の経歴、犯罪により害
を被った事実その他本人に対する
不当な差別、偏見その他の不利益
が生じないようにその取扱いに
配慮を要するものとして政令で
定める記述等が含まれる個人情報
をいう。
(個人情報保護法2条3項)。
また個人情報取扱事業者は、法令に
基づく一定の例外を除き、あらかじ
め本人の同意を得ないで、要配慮
個人情報を取得してはならない
(個人情報保護法17条2項)。


ここまで熟慮したPTAがある一方で
何ら手を打っていないPTAもあること
だろう。
後藤さんは拙ブログで公開を快諾して
下さったのは広く知って欲しいと願った
からではないかと推測します

法に則り適切な運営をするPTAである
ならば私は敵対しようと思いません。
出来る人が出来る範囲で無理のない活動
をする。
会員になるにあたっては任意加入を周知
し、PTA自らが入会届けでもって個人
情報を取得する。
適切に管理・運用するならば何ら問題が
ないと思います。
PTAは家族やPTA会員となる保護者の
要配慮個人情報を本人が嫌がるのに言わ
せる事は許されません。

桜が咲き新入生が学校の門をくぐる
時期がすぐそこまで来ています。
今まで適切ではない運営をしていた
PTAは今ならまだ改善をする余地
があります。
どうかこの機会に自校PTAの運営 
に違法性がないのかどうかよく考え
て欲しいと思います。


最後になりましたが、後藤美信さん、 
ご協力ありがとうございました。
大変貴重なよい資料をご提供いただき
ました。
参考にするPTAもある事と思います。

また私の技術的に劣る点を補い助言や 
サポートくださったCさん、ありがとう
ございました。
今回もいろんな方に助けていただき
感謝しています。

今回はここまで。
では、次回!


【追記】
職場では定期的に個人情報保護法の理解が
出来ているかどうか○×二択のテストが
あります。10問程度の小テストです。
外部の講師を呼び研修?講演を聞く事も
あります。
継続的な教育は必要だと思っています。