「花燃ゆ」で國創りの第6回は松陰の妹「文」がいよいよ自分の存在を外に示す時を迎えます。
松陰と共にペリー船に密航を企てた金子重輔は庶民であったために松陰とは違って待遇面が圧倒的にひどい岩倉獄に入れられ病のために亡くなります。実際の獄の現場に行くと岩倉獄と、松陰が入った野山獄は真ん前にあったようです。ドラマであったような声高な議論や口論の様子はきっと直に聞こえたでしょう。それほど二つの獄は向かい合わせです。
松陰には文が、重輔には母が何度も何度も面会を求めるが叶わず、次第に文と重輔の母は親交を深めます。そしてついに重輔が亡くなり母親に文が「松陰の妹」だったことが知られ関係は断絶します。。文は牢番の恩情で兄との面会が叶いますが、そこで「重輔を殺したのは兄だ」と言い放ちます。杉家への世間の重圧、重輔の母の悲しみ、自分自身どうしようもなくぼろぼろに壊れた心をそのまま兄にぶつけたかのようです。
そして松陰は妹の責めにあいながらも「ペリー船の向こうに光を見た。重輔と二人はその光を見た」と語ります。それでも責める妹・文は憮然と野山獄を出ていきます。このドラマは文が主人公です。文や家族は(優香を除いて)全員お人好しばかりに描かれています。「世話あ~ない」と何かにつけニコニコ顔で大人を装う檀ふみの演技に少々違和感はありますが、松陰を守ることに徹した家族、その代表として文がいて先週には兄の代わりに世界を見て、異人を知って兄の代わりに勉強すると志を立てたばかりの文でした。流石に兄の同志の死、その母の悲しみを目の当たりにしてごく一般の庶民の気持ちを代弁するかのように兄を責め立てました。かといって重輔は一切松陰を恨んでもおらず、病を治して再び松陰先生と異国船を目指そうと熱き志を胸に亡くなります。
死をかけて行動し続ける松陰の志、
叶わずとも死を迎えても共に松陰と生きようとする重輔の志、
そしてやっと芽生えたばかりの幼い文の志。
今回はその文の立ち位置を振り返りつつ、野山獄、岩倉獄の現場を案内いただいた萩の漁師さんらの「花燃ゆ」を追走します。また東日本大震災被災地の災害FMの関係者の皆さんと共に東北の旅についても振り返ります。
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