無法松の一生という有名な映画があります。昨夜は三船敏郎主演、最近亡くなった高峰秀子特集の一つのようでした。
車夫、車ひきというか人力車をひく人が無法松ですがその名の通り「無法」な生き方をしています。しかし実際は学力が無いので現実社会の法には従順なのですが生き方としては無法です。軍人のエライさんでも気に食わぬと頑として乗せません。身分制がまだ濃い時代(明治30年頃)ですがその気風に難しい軍人さんや、地域のまとめ役として存在するやくざの親分も惚れます。
無法松の生活は単純明快で自分の信じるままに生きる。曲がったことは大嫌い。筋を通す。面倒見ることになったぼんぼんの母、未亡人役の高峰秀子には惚れても一生プラトニックラブを通し、遂には亡き夫の写真に懺悔するという純粋さです。いさかいや社会的騒動も多いのですがその都度の周囲の人々の反応も生き生きしています。日本人の生活空間は人間力に満ち満ちていたのでしょう。
震災時には無法松のような人がまずは先頭切って動きます。現場の知恵が必要です。しかし復興がある程度できてきたら次の出番は将来像を描けて実現できる人です。未亡人となった高峰秀子の夫、軍人ですが知識人で無法松と仲良しでした。ここが大事だと考えます。無法松のような市井の人々のことを根底にして地域の将来を考えられる人。この段階は知識が必要です。さらに専門性の高い学者さんも必要です。同じくNHKの衛星でハーバード大学の講演があってました。聞いていると現場のことをとてもよくわかっている学者さんが説得ある東日本大震災の対策を話していました。
これらの人々の世界、プロセスを継続的につなげていけるネットワークが今ICTを使ってできる時代です。総務大臣懇談会でもプレゼンしましたが今こそ東日本大震災復興に貢献するネットワークの出番です。
@福岡県飯塚市に嘉穂劇場がありますがそれを髣髴とさせる明治の芝居小屋が生き活き描かれている。無法松が練炭の火鉢で焼き物をしてるシーン。