幕末気象台

おりにふれて、幕末の日々の天気やエピソードを紹介します。

百万石 殿様も楽ではない

2024-11-29 18:29:58 | Weblog

今は、加賀百万石の藩主 温敬公の日記を読んでおります。
百万石の太守ともなれば、安楽に暮らしているように思っていましたが、そうでもないようです。

日記には八朔の登城の様子が書かれています。
登城の、天保四年八月一日はたまたま台風が通過して、江戸は大荒になりました。
曰く

今日登城中より風雨烈敷、退出且西丸登城退出之節大ぬれ、カッパは不用故、一入ヌルル、駕之内雨シブキ込、甚難儀、足袋も駕之内ニてヌグ、帰宅四時半頃也【温敬公日記】【江戸】

とあります。

要約すれば、登城中風雨が烈しく、御城を退出して西の丸に伺候して退出した際に合羽を着ていないので大濡れになってしまった。駕籠の中までしぶきが入り込み、大変難儀で駕篭の中で足袋を脱いだほどだ。といった具合でしょうか。

台風の為とは言いながら殿様大難儀、殿さまも楽ではないようです。
それでも、駕籠に付き従う家来よりはましかも知れませんね~。

コメント
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