河野談話 慰安婦証言を検証・公開せよ(2月22日付・読売社説)
いわゆる従軍慰安婦問題をめぐる河野官房長官談話がどのように作成されたのか。政府はしっかり解明すべきだ。
菅官房長官が、衆院予算委員会で、河野談話の作成過程を検証する政府チームの設置を検討する考えを示した。
河野談話は、元慰安婦に対する「おわびと反省の気持ち」を表明したもので、1993年に発表された。だが、河野談話の根拠となる元韓国人慰安婦16人の証言に、なんら資料的裏付けがないことは、既に明らかになっている。
菅長官は学術的観点からの検討が望ましいとも述べた。歴史学者らが内容をチェックできるよう、機密扱いになっている元慰安婦の証言録は公開すべきだろう。
委員会には、93年当時に官房副長官だった石原信雄氏も参考人として出席した。
石原氏は、韓国側の強い要請を受け、元慰安婦から聞き取りを行ったと述べたうえ、「証言の裏付け調査を要求できる雰囲気はなかった」と明かした。
だが、確たる証拠もなく談話を発表したため、日本軍が強制的に若い女性を慰安婦にしたという形で世界に受け止められている。
河野談話が禍根を残したことは間違いない。
例えば、韓国系米国人が中心となって米国のグレンデール市に慰安婦像が設置され、碑文には「20万人以上の女性が性奴隷にされた」と記された。米国各地にそうした運動が広がりつつある。
河野談話の中に強制連行を認めたかのような表現があるために、日本側は韓国側の主張に有効な反論を展開できない。
委員会で質問に立った日本維新の会の山田宏氏は、談話作成の段階で韓国側と文章をすり合わせたのではないかとただした。
石原氏は、直接確認していないが、「すり合わせは当然行ったと推定される」と応じた。談話の核心部分である「官憲等が直接これに加担したこともあった」との表現に、韓国側の意向が働いたとすれば極めて問題だ。
韓国政府は、河野談話が発表された後、しばらくは慰安婦問題を提起することはなかったが、近年、蒸し返している。朴槿恵(パククネ)大統領も、日本政府に対し新たな解決策を求めている。
政府は、未来志向の日韓関係を築くために、韓国側に「善意」を示して、河野談話を発表したが、結局は通用しなかったということだ。河野談話の検証作業を急ぎ、誤りを正さねばならない。