*戦前の日本海員組合の組合歌です。よく右派組合と呼ばれる海員組合ですが、この組合歌、なんという戦闘的、革命的、階級的でしょう。協調会史料1931年(昭和6年)度の日本海員組合大会事業報告書に載っていました。1928年の日本初の産業別最低賃金制を獲得した大海上争議、残酷な差別に怒って決起した全国の社外船員1万8千人、371隻の大ストライキの闘いの歴史を彷彿とさせる組合歌ですね。
日本海員組合歌
―「民衆(赤旗)の旗」の譜―
(1931年度大会事業報告書より)
一
血に燃ゆる大旗(はた)樹(た)てり
弾圧搾取に抗(こう)し
思えば苦闘の幾星霜(いくせいそう)
血盟の日 偲(しの)ばるゝ
強権は影ひそめ
専制は滅びゆく
搾取なき社会をば
建(た)つるは我等(われら)の使命
二
我等の大旗(はた)の靡(なび)くとき
港湾(みなと)に、海洋(うみ)に、船舶(ふね)に
圧迫虐使はあとを断ち
正義と自由みなぎる
強権は影ひそめ
専制は滅びゆく
搾取なき社会をば
建(た)つるは我等の使命
三
精鋭こゝに一(いつ)に集(つど)う
我等の団結成れり
私利追求に暇(いとま)なき
資本の牙城(がじょう)は潰(つい)ゆ
強権は影ひそめ
専制は滅びゆく
搾取なき社会をば
建(た)つるは我等の使命
四
見よ闘争に、協約に
進む我等の巨歩を
迎ふる者とは提携し
遮(さえ)ぎるものをばひしぐ
強権は影ひそめ
専制は滅びゆく
搾取なき社会をば
建(た)つるは我等の使命