先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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1923年 朝鮮・台湾における労働争議 (読書メモ—「労働年鑑第5集/1924版大原社研編)

2022年02月21日 07時00分00秒 | 1923年の労働運動

1923年  朝鮮・台湾における労働争議 (読書メモ—「労働年鑑第5集/1924版大原社研編)
 朝鮮におけるストライキ件数は1912年6件、13年4件、14年1件、15年9件、16年8件、17年8件(1,128人)、18年50件(6,105人)、19年84件(9,011人)、1920年81件(4,599人)、1921年36件(3,403人)と、とりわけ1919年の3.1運動の前後から急激に増加している。

1923年の朝鮮における主な労働争議(p270)
 平壌靴下賃金値下反対争議(3月)
 青城子鉱山朝鮮人労働者賃金値上げ要求争議(4月)
 開城普通学校教師ストライキ(6月)
 仁川島塩田争議(7月)
 仁川加藤精米所朝鮮人労働者争議(7月)
 京城泰興工場賃金値下げ反対争議(7月)
 京城ゴム女性労働者争議(7月)
 京城錺職賃金値下げ反対争議(7月)
 平壌靴下賃金値下げ反対争議(8月)
 平壌水道労働者賃金値上げ要求争議(9月)
 仁川籾磨工場値上げ要求争議(9月)
 釜山朝鮮紡績会社全焼と全員解雇(12月)
 小作争議7件

1923年台湾における労働争議
 高雄台湾鉄工所争議など6カ所でストライキなど労働争議、また基隆郡400名農民による3件の小作争議が起きている。9月には台湾金瓜石田中鉱山が鎔製錬中止で労働者を半減した。(「労働年鑑」第5集では、朝鮮・台湾の労働争議のそれぞれの経過や中身についてはこれ以上の記述はない。)

1923年の朝鮮における弾圧・社会運動
1月16日、朝鮮の雑誌「新生活」が、「ロシア革命を讃美し我邦の制度を誹謗し、共産主義を樹立すべし」等と主張したと、発行者被告6名に対し懲役1年6ヶ月から2年6ヶ月という重い判決で弾圧した。
2月7日、義烈団事件。総督府警務局は、義烈団14名を捕縛。
2月15日、間島で朝鮮人懇民会「日本国籍離脱運動」決議
2月16日、30団体約300名は「朝鮮人は、朝鮮の製品を使え」とデモをして、「日本の専売煙草は絶対に喫煙しない」と断煙同盟会を組織した。
3月1日、「朝鮮革命宣言」発行 
 http://yeonso.world.coocan.jp/kankoku/kakumei.htm
3月1日、独立記念日。元山の私立学校教師が、受け持ちの教室の黒板に「不穏唱歌」を書き付け、それを4千余名の生徒に唱和させたという理由で、数名の朝鮮人教師が検挙された。
3月1日、在東京の朝鮮人40余団体の学生と労働者千余名は上野公園西郷銅像前に集合し、「朝鮮独立記念日の会」を開催しようとしたが、70余名が検束され解散させられた。 
5月1日、日本における第4回メーデーで、官憲は朝鮮人労働者のメーデー参加を許可せず、芝公園会場入り口で朝鮮人とみれば一人残さず検束しようとした。
5月1日、朝鮮でのメーデー。京城にて洋服職工組合、自由労働組合、無産者同盟会、煙草専売局労働者、京城電気会社労働者、拳闘団等が野外集会やデモを計画したが、朝鮮総督府と警察はすべて禁止する弾圧を加えてきた。やむなく夜、メーデー講演会を開催した。しかし、全南務安郡智島の青年会と普通学校生徒120余名が秘密に集合し、韓国国旗を押し立て、「大韓国万歳」を三唱しながらデモを敢行し巡査と衝突した。
6月、朝鮮総督府は、「朝鮮における新聞紙取締法」と朝鮮以外の地から発行された新聞・雑誌を朝鮮に輸入させないための弾圧方法を準備しはじめる。
7月4日、東洋学院私立中学を拠点にする24名の朝鮮人が検挙された。
7月13日、日本政府は閣議で赤池警視総監の共産主義者の状勢報告をもとに、「これを絶滅するため将来具体的方法を取ることに決定」した。これを受けて朝鮮総督府は、7月16日、「この内地の傾向に従い鮮内主義者に対し、厳重な取締りをなすこととなった」と発表した。(p620)
12月、岩泰島小作争議。岩泰島小作人会は、地主側に小作料の減額を要求したが、地主側が頑強に拒否したため大きな争議となった。小作人幹部の逮捕に抗議した農民は、幹部の即時釈放を要求して木浦警察署や検事局へのデモを展開し、最後は全羅南道知事との交渉で小作料減額と逮捕者の釈放を勝ち取った。 
 
1923年日本における朝鮮人の運動
 1月朝鮮人硝子製造労働者40余名による協議と決議
 2月函館の朝鮮人労働者、労働組合北鮮労務組組織結成
 3月1日、在東京の朝鮮人40余団体の学生と労働者千余名は上野公園西郷銅像前に集合し、「朝鮮独立記念日の会」を開催しようとしたが、70余名が検束され解散させられた
 4月大阪で朝鮮新聞「新鮮日報」を発刊(販売中止命令)
 4月朝鮮人学友会主催「朝鮮人学生労働者聯合春季運動会」1,500余名参加、東京駒場グランドにて開催
 5月兵庫武庫川朝鮮人野外懇親会、500余名参集、広田神社境内
 5月下関朝鮮人労働者の「労友会」発会
 6月岐阜朝鮮人「共助組合」発会
 6月東京における朝鮮人労働者大会
 10月八幡市朝鮮人東洋聯合労働共済主催の運動会と懇親会

関東大震災時の朝鮮人虐殺事件について
 9月1日の関東大震災時における朝鮮人・中国人大量虐殺事件に関しては、この「労働年鑑」第5集では「確固たる報道に接しなかったために、これを割愛せざるを得なかった。ただこの事件によって内地人と朝鮮人との相互の間にある一種の感情が横たわるに至ったことだけは特に注意しておきたい」としか記載されていない。



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