先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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1923年農民の共同耕作、労働者の自主生産、消費組合(読書メモー「労働年鑑」第5集1924年版大原社研編)

2022年03月07日 07時00分00秒 | 1923年の労働運動

日本農民組合の共同作業(1923年)

1923年農民の共同耕作、労働者の自主生産、消費組合(読書メモー「労働年鑑」第5集1924年版大原社研編)

1、農民の共同購入・共同耕作の闘い
 小作争議の中、農村の小作労働者自身が相寄って耕地の共同購入・共同小作を行う運動が出てきた。

『岡山県邑久郡邑久村尾張田中小作組合の共同購入・共同耕作』
 同村の小作組合は貯蓄した資金をもって二反余歩の土地を購入し共同耕作を始めた。

『岡山県浅口郡連島町の農業経営組織改革組合』
 同地の農家20戸が現在の耕地24町歩に新たに9町歩の田地を共同で購入し、すべての耕作権を共同で行い、最後に利益の分配をすることで、自らは働きもせず利益だけを取り上げる地主階級の存在自体を否定しようとした。

『岡山県上道郡可知村の共同耕作』
 同村では小作争議において地主より土地返還を迫られた田んぼを、小作組合員総出で共同耕作したこととが動機となり、秋の収穫を迎え、いよいよ恒久的な共同行動となり、収穫用発動機などを共同で購入した。炊き出しや寝食のためのバラック建築も設置し、〈新しき村〉建設を目指している。

『岡山県兒島郡福田村の共同購入・共同耕作』
 同村の小作農民200余名は富豪から土地を共同で購入し、産業組合法による共同経営を行うこととなった。小作人は「自治農組合」を作った。

『長野県上水内郡朝陽村農業組合の土地の共同管理』
 2月、同組合は不在地主の小作地10町歩を共同管理とすることと決めた。

『福岡県絲島群深江村有限責任信購販利用組合』
 7月、田んぼ150町、畑30町を共同管理と決めた。

『岐阜県安八郡仁木村下大榑』
 不在地主の小作地の共同管理計画中。

その他、肥料の共同購入・配合、産米の共同販売、農業倉庫の共同設置・管理、みそ醤油の共同醸造などの動きも出ている。

2、労働者の自主生産
『自動車製造の生産組合組織』
 岸和田紡績争議で退職を余技なくされた150余名の労働者は、12月自ら生産組合を組織し自動車の製造を開始することと決定し、工場を岸和田市外に設置し、新春早々操業を開始する予定である。

『芝浦製作所解雇職工の工場経営』
 震災により芝浦製作所の1500名の解雇された労働者の中の20名が、互いに資金を持ち寄り、合弁会社丸二電機工業所を、芝浦日の出町に設立した。技術能力の違いによって日給額に差はあるが、利益率は投資額の平等なることより均等分配することとした。

3、自立的共済組合(労働者階級自らがその手で作り出し、自ら運営する共済組合の動き)
『復活共済組合』
 神戸において賀川豊彦らにより、会員ひとり一年間30銭(夫婦は二人で50銭)を拠出し、一週間以上の病気やケガに10圓、死亡30圓、出産30圓の支給等を規約とする共済組合を設立した。会員は労働者だけでなく市内近郊のキリスト教会の信者にも積極的に働きかけた。

4、消費組合
 1922年末現在消費組合は台湾・樺太の24組合を加えて全国で282組合。1923年7月までに11組合が設立された。工鉱労働者の間に消費組合員が激増した。労働者の運動が好況時の進撃的姿勢から一転して持久的姿勢と変化した反映である。組合員数は、調査した46の組合員総数は3万6千501人で一消費組合は平均884人である。市価より安値主義や配達制度、掛け売り制度等で発展している。

5、女性が先頭にたつ購買組合「友愛社」設立
『購買組合友愛社』
 3月24日、大坂市西区西野田に、女性を先頭にした労働者のための消費組合「友愛社」が生まれた。附帯事業として、医薬、助産婦、法律相談の施設も設けた。組合長は吉田和佐子、理事は山名初子、高柳花江、後藤紀子と男性3名であった。
 発会式での宣言
  一、婦人の社会と家庭における権利を回復することを期す
  二、消費組合運動の完全なる無産階級化を期す
  三、消費組合運動の国際的連絡をはかること
  四、生活必需品の税金の撤廃を期す
  五、米価の高騰を企画する政府の買い上げに反対す

6、信用組合、庶民銀行の成立
 千葉、長野、福岡、静岡、仙台、広島、甲府、岐阜、佐世保、佐賀、横浜等全国各地で信用組合、庶民銀行が設立された。



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