低姿勢の陽射しがのぞき込むから
逃げ場を失い影の中に座り込んだ
本当はカラカラに乾く光で
涙ごと浄化してしまえばいいのに
ほんわりとした空気の匂いに
思い出の面影を重ねてみたけど
反射する光の粒が所々消し去るから
現実の柵を飛び越えてしまった
戻りたいけど眠たくて
見ていたいけど眩しくて
ひねくれた心の隙間に
涙がにじむ
間違えて覚えてしまった言葉
書き順なら最後の形は同じだけど
使い方が気持ちを捨てて変化する
そうじゃないと首を振り
言い訳の罠に沈む
ここで口を閉ざせば悪人で
ほとぼりが冷めると善人になる
何で言わなかったのと責められて
飲みこんだ言葉が毒になる
黙り込んでも言葉を選んでも
正解が見つからなければ
心の中に渦を巻く
その言葉で温度が変わり
その笑顔で空も飛べる
頑張って一生懸命の中を生き
へこたれても何度でも前を向き
それで願いが叶うなら
苦しいと言う文字さえ放さない
いつでも自分勝手な欲望が
膨らんだりしぼんだり
夢を見たり悲しんだり
分かっているけど無くならない
何も望まなくなったら
このままを続ける事より難しくて
満足の限界を知ったなら
空の飛び方も忘れてしまう
物語を書き始める前に
あらすじを考える
リアルな日付で夢を見られるだろうか
知ってる場所で運命の出会いがあるだろうか
過ごした時間を悔やまずに文章に奇跡を託す
虚しい想いがページを埋めて
あり得ない想像が結末を変える
それでも優しい気持ちになれるなら
題名を付けて物語を始める
主人公と登場人物が次をめくる
おとぎ話にも昔ばなしにも属さない
たったひとつの物語が始まる
可愛い笑顔で許されるなら
その場限りの憑依も辞さない
一番痛くて泣きたいのに
耐えることが特権だなんて
誰が決めたか結界の中
逃げ出す以前の雁字搦め
狭すぎる集中攻撃に
あっけなく両手を挙げた
さぁ今さえ乗り切れば
次なる天使が羽を広げ
可愛い笑顔でほほ笑んでる
輪の中覗けば青空がある