私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

片付けると見えてくるもの

2009-02-16 | 10住む・暮らす
外は春の嵐だ。
昨日までの暖かさとはうって代わって、冷たい風が吹き荒れている。

春一番は既に吹いたらしいが、本当の春が訪れる前の、名残の寒とでも言ってしまおうか。
寒波は、今週いっぱい存在を誇示しそうだ。

さて、私はというと、春本番を前にせっせと掃除に励んでいる。

整理しないまま、ボックスに保管しておいた書類。
購入したまま積み上げられた本。
居場所を定めぬまま、我が家の中で流浪の民となってしまっている雑貨。

埃を払い、居場所をつくり、整然と並べる。
あるいはしまい込む。

少しずつ姿を見せ始めた本来の住まいは、無駄のない機能的な構成で、なかなか住みよいではないか…と今更認識する。

若いころから、ブランドショップやデパートのジュエリーコーナーを訪れるより、家具店や雑貨屋をハシゴする方が楽しかった。

気分転換は、部屋の模様替えであったし、購入する家具については珍しく我を押し通した。

飽きのこない、丈夫でシンプルなインテリアが好き…という自分の好みを思い出したりする。

一方で、部屋が片付くに従い、何かしら不安な思いが首をもたげる。

こんな雑然としたところに、よく客人を迎えたよね…とか。
随分、効率の悪い住まい方をしていた…とか。

今まで目をふさぎ、意識しないようにしてきた、好ましくない現実が、顕わになる。
これでは、いささか心もとない。

「見ざる聞かざる言わざる」を、ここ数年来、生活全般でやってきたのだ。
その事実は、認めねばならないらしいのだ。

すっきりと片付けば片付くほど、恐ろしく冷たく厳しい風が吹き込んでくる。
コメント
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