私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

島にかかる橋を行く①

2010-05-07 | 14楽しむ
GW、この春乗り換えたT社のコンパクトカーで、走り初めとなる長距離ドライブを何度か楽しんだ。

いわゆる1,000円高速の恩恵は全く受けず、選んだコースもマイナーなものばかりだったようで、渋滞にかかることも無く、その幸運を喜びながら、多数派になれない自分を再認識した。

安芸灘の四つの島と本州を結ぶ四つの橋。
青い海と、瑞々しい新緑を背景に、海にかかる橋は、どれもみな美しかった。

島を、其々みな海岸線に沿って一周してみる。
漁港に停泊する船や釣り糸と垂れる人たち。きらきらと眩しい海に面した段々畑。
のんびりとした島の生活がうかがえる。

穏やかな午後、漁港には20名余りのお年寄りが海岸に面したベンチに腰掛け、やわらかな面持ちで各々海を眺めておられた。
沢山の御老人が会する情景は、老人施設などの催事で目にするが、そこには何の行事も無く、ただ自由に御自分達の意思で集まっておられる様子の御老人達だった。
背景がコンクリートの施設などではなく、海であり山であり、おそらく御老人方が生まれ育たれた故郷の自然だ。

まだ架橋計画は未完成。
連絡橋を得た島の人々の生活は豊かになったのだろうか。
プラスとマイナスのどちらが多いと感じておられるだろうか。

橋が一つ増える度、観光客は増えているだろうが、計画上未完成の現在、終点は四つ目の島であって、まだ通過点となる状態にはない。
其々の島を巡ってみると、設営されたどの集客施設も、観光客をもう一つ上手くさばけていない様子がみえた。

観光客の数が一定しない為もあるだろうが、そもそも島で働く人が少ない。
一年の内何日かある観光ピーク日の終盤、施設で業務にあたる人々の顔には疲労の色が濃くうかがえた。

人手が十分ではなく、競争もない訳で、サービスの質も自ずと低くなる。
浴場の溝を素手で掃除していた女性が、10分後には同じシャツでソフトクリームをつくっていたりする。
愕然とするが、とにかく人がいないのは明らかなので文句のつけようもない。
コメント
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