私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

三年寝太郎

2010-05-18 | 5考える
今朝の日経コラムに「三年寝太郎」の話が引き合いに出されていた。

「寝太郎」を引きながら、やって欲しくも無いことばかりつつきまわし、挙句やるべきことをほったらかしの政権を「時の盗人」と強く批判している。

「そうだわね、確かにね」と思うのだが、引き合いに出された「三年寝太郎」は昔から私が愛してやまない昔話の主人公である。

ぐうたらで、怠け者の「寝太郎」が、何の努力もなく夢をきっかけに出世するというお話で、勤勉・誠実・正直を語り継ぎたい昔話の中にあって、異色のストーリーだ。

決して文部科学省推奨のお話とはならず、日経の記者さんも「何がいいたいのか」と好意的ではない。

日経の記事が引いた民話では「寝太郎」はただの怠け者であるばかりか、インチキと騙しの悪人でさえあるという内容らしい。
善人から巻き上げる悪人はちょっとぉ…とは思うのだが。

山口の民話だったと思う。
山口の道の駅などで「寝太郎」という地酒を見つけると、いつも買おうかどうしようかしばしば悩む(酒に弱いので結局買わないのだが)。
萩のある山陰側ではなく、山陽側が民話の舞台だからだろうか、維新の原動力となったかの地が「寝太郎」を語り継いだのも不思議な気がする。

「寝太郎」のようなヒーローは、時代が豊かであってこそ許される存在だろう。
少しずつ世の中が窮屈でゆとりを失ってゆくと、かの「寝太郎」タイプの存在は許容されない。

地中海の恵みに育まれたギリシャでは、5人に1人が公務員だとか。
今時「パソコン操作手当」なんてものが支給され、年金は現役時代の9割が保障されていたという。
国家が破綻状態で、それが7割になるといって大規模なデモにつながっている。

リストラ効果あって黒字続出決算のニッポン企業では、リストラの為に給与の3割カットなんて話はもう十数年来あちこちで耳にしてきた。

エリートを集めた形の国家公務員の給与が、地方公務員のそれよりずっと低く抑えられているのはもう二十年も前からの話だと記憶している。

粉飾決算?でEU入りしたギリシャのつけを、堅実財政のドイツなどが肩代わりしたくないと言っているのは良く分かる。

生き方は、お金の使い方にあるという表現は誤っていないと思う。

理想は、大胆かつ繊細・緻密に。

日本の国の中にギリシャ型とドイツ型があって、そのどちらが多数派となりうるか。
ギリシャ型であっても未来はないので、早急にドイツ型の勢力を固めるべきだろうけれど、そうなってくると「寝太郎」は禁書となるだろう。
コメント
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