私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

値段

2010-06-24 | 10住む・暮らす
家たたむ片づけをしていると、生涯に一度出会うかどうかの値段に遭遇する。

例えば耐火金庫の処分にかかる費用。

家の権利書や有価証券などをしまっていたものだが、これを廃棄したくても行政では引き取ってくれない。

昨年度までは「専門業者に引き取り依頼してください」という冷淡な記載を備考欄に目にするだけだったのだが、当年になってゴミ出しの手引きに依頼業者の連絡先が記されている。

耐火金庫なんてものは、プロの手にかかれば防犯上ひとたまりもないのだろうが、耐火という点においては耐火時間○○時間なんて記載が一応されていて、とにかく尋常ではない重さを誇っている。

我が家にあったものは最小サイズの耐火金庫だったと思われるが、それでも40kgを超える重量だったと思う。

業者に問い合わせてみると、基準が50kgで設定されていて、処分費用と引取費用で約15,000円だという。

もしも、金庫が2階に設置してあるようであれば、1階まで降ろす費用として+10,000円。
また、50kgを超える重量であれば更に+10,000円とまぁ実に大雑把な料金体系である。

しかし、違法投棄する訳にもゆかず、おそらくその耐火金庫の購入額と遜色ない金額を支払って廃棄処理をお願いすることになる。

最近「何でも引き取ります」とスピーカーで大音量の誘い文句を流しながら街をゆく軽トラを呼びとめるよりは、正しい処理をしてくれるのだろうが、電話をしてみるといささか怪しげな印象を持たざるを得ない点もあったりして…それでも、善良な市民が取るべき対応として他に選択肢はない。

実際に対応してくれたのは、行政の案内に名前のある業者ではなく、そこから依頼を受けたと思われる別の名前の運送業者で、電話対応こそスマートなものの、現場を任された人物は酔いが残っているのではないかと思しき赤ら顔。

依頼主が警察関係者であったなら、担当ドライバーは無傷ではなかったでしょうに…という有り様だ。

行政推奨の処理手順をとったつもりだが、ニッポンの現実とはそうしたものなのだろうか。
生涯に一度あるかないかの場面でも、出くわす現実は哀しい限りのものであった。
コメント
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