ペリカンのM620グランプラス。
「世界の史跡シリーズ」として、2006年に限定販売されました。
グランプラスとは、ベルギーのブリュッセルにある広場で、1998年に「世界で最も豪華で美しい広場」として、ユネスコの世界遺産に登録された史跡だそうです。
ペリカンが、その広場のイメージをペン軸に表現したモノが、この茶色と黄色とブルーのマーブル模様の美しい万年筆です。
昨年、2016年に限定販売されたM800のグランプラスは、その10年前に販売されたグランプラスのM600サイズからM800サイズにサイズ変更して発売したモノになります…以前に紹介しましたね!
せっかくなので、M620とM800の2本を並べてみました!
マーブル模様の美しさは変わらずですが…
M620の方が茶色が薄め…
そして、首軸と尻軸の色が、M800が黒いのに対して、M620は、茶色…
M800の力強い感じに対して、M620は、全体的に優しい感じがします。
M800が男性的?で、M620が女性的⁇な感じか…。
M800のグランプラスは、そのシックで落ち着いたマーブル模様が、大のお気に入りの万年筆。
以前に発売になったM620グランプラスもサイズ違いで、ぜひ欲しいと思っていましたが…なんせ10年以上前の万年筆…なかなか良い状態のモノにめぐり合えずにいました。
今回、運良く、状態の良さそうな…マーブル模様も全体的にブルーの色がバランス良く行き渡っている…自分好みのモノを入手することが出来ました。
早速、M800に入れているのと同じインク、Pelikan4001ロイヤルブルーをM620にも入れて試し書き!
ペン自体の大きさの違いやペン先の大きさの違いもありますが…今までの他のスーベレンと比べて、全く違った書き味にビックリ⁉︎
角度によって書き味が…ある角度では、驚くほどヌラヌラで滑らかな書き味なのに、そこから角度がズレると急にインクのカスレが…これは、ハズレを掴まされたたかな⁉︎と思いましたが…
それにしても、スイートスポットと言うか、あるポイントの角度にハマった時のヌラヌラ感が良すぎて、悪いペン先とは思えなくて…ん〜???
同じFニヴのスーベレンのペン先と比べると、M620の方が、ペン先のポッチ(イリヂウム?って言うんでしょうか…)が、小さいような気がしないでも…
…色々、ネットで調べて判ったことですが…ペリカンのスーベレンのペン先って、7、8年程前に角研ぎから丸研ぎに変更されてるそうで、、、今まで自分が所有しているスーベレンは、全てここ5年以内の丸研ぎのペン先のだということが判りました。
角研ぎとは、ペン先を平たく研ぎ出す事で、紙への接地面積を広く取って、インクを紙に供給。
ヌラヌラのスベスベの書き心地となることから、人気が高かったそうですが…その反面、広く接地面積を取っているスイートスポットから角度がズレると、インクのカスレが起こってしまうというデメリットがあるそうです。
この角研ぎのメリット、デメリットの特徴は、特にBニヴなどの太字になるほど顕著に現れるそうです。
一方の丸研ぎは、角研ぎのヌラヌラとした書き味は少ないけれど、ペン先を丸く研ぎ出すことによって、ペン先のスイートスポットを広く取り、向きや角度をそれ程気にしなくても、インクのカスレを起こさず書くことができるメリットがあるそうです。
マニアウケの角研ぎと万人ウケの丸研ぎ…といった感じでしょうか…。
いやぁ〜…勉強になりました。
今回、念願のサイズ違いのグランプラスを手に入れるコトが出来て大喜びしてましたが…
それにプラスして、オマケに角研ぎのペン先を楽しむ機会にも恵まれました。
文字を書いてると、内側に手首を捻る癖のある自分にとって、このM620グランプラスは…書いてる途中でカスレを起こしたりして…正直、扱いやすい万年筆ではありませんが、スイートスポットにハマった時のヌラヌラスベスベの書き心地の快感は、そのイライラを吹き飛ばし、逆に楽しませてくれる万年筆になりそうです。