棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

賢犬-サクラ--狩の醍醐味・その1

2008-01-16 17:32:49 | Weblog
お父さんの家には以外にも、ヒマラヤンの立派な成猫がいるではありませんか。
私はお友達になりたかったのですが、どうも匂いが違う。
強烈なイッパツをくらって以来、猫というヤツが嫌いになった。
二ヶ月もしたら、私のほうが大きくなり、ニラミがきくようになった。

もう地の利もわかっただろうからと、フリーになった。
そおなると、オイという名の猫をおいかけだし、
この家をのっとってやった。

「サクラはどうしてもオイと、なかよくなれなかったか・・」
お父さんは、寂しそうにいった。

「オイがいなくなったら、野ネズミがでるようになった。
かわりにサクラが捕ってくれなきゃー。犬のお前ジャー無理か」
なんと、馬鹿にしたいいかた。
それならと、ガサッと音がすれば、ともかく突進。
やつらは、早い。
お父さんは、大笑いして「ネズミ捕まえたら、牛の骨やるからな」
それがなんだかわからないが、ともかく馬鹿にされたみたい。

それから数日後、ネズミのニオイや行動パターンを研究。
外から入り込み、お勝手に出没するやつを、次々と捕まえては、
晩酌でご機嫌なお父さんのところへ持っていった。
さらに、オイ猫がやっていたように、蛇も運んだが、喜ばれなかった。
それから、皆は私の秘められた能力を認めだした。

これからが、私の本領です。

サクラ--散歩のこと

2008-01-16 10:07:28 | Weblog
まだ薄くらい朝、お父さんの部屋に散歩の誘いに行く。
あいかわらず、酒のニオイが漂っているが、鼻声と足で起こす。
「まだ暗いじゃんか。
お前はフリーなんだから、一人で行って来い。
いけねー、とうぶんは放し飼いわ止めておかなきゃー。まだあとだ」

なんだかわからないが、保健所騒ぎ以来、私は一度も鹿を追いかけていない。
散歩はお父さんとするから楽しいのであって、一人では張り合いが無い。

8時にいつもの山ろくコースを行く。
昨朝ほどではないが、気温は-3度と、鼻にピリピリくる。
におう。ぷんぷんと鹿のニオイが。
ピタリと止まり、前足をあげる。
これが、お父さんに獣がいるという合図だ。
大声を出したら相手にさとられてしまうから、クンクンと鼻声でたのむ。
いつもだったら、開放してくれるのだが・・・。

お父さんは、番犬にならないというが、私たち猟犬は獣を追い込むときしか
ほえません。
やたらとほえる仲間は、どちらかというと牧童犬の特徴です。
ついでだからはなしますと、私のダーリンは、チベット犬の雑
でよくなきます。

この辺は禁猟区ではなく、よくハンターと行き会い、
すっかり知り合いになりました。
ときどき、鹿の肉などをいただきます。
「しかさし」も美味しいが、しっかりと煮込んだシチューが一番
お父さんにはあげないけれど、アナグマを畑のすみに隠してあるんだ。

いま私は所在ないので、お父さんを見ています。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本