4月始め、我が屋敷の藤の花をめでる宴に、夕霧殿をご招待し、二人の長い歳月のおもいをかなえてやった。
月日がたち、娘は家庭内の世話に明け暮れし、容貌の衰えが気になった。
夕霧の婿殿も他の姫にこころが移り、それを知った娘の狂乱振りは、少々情けなくなってしまった。
といって、自分や源氏殿の女道楽を棚に上げて、両親とも説教もできず、娘・雲居の雁にはかわいそうだが、なんのてだてもなかったのです。
イヤイヤ本当に親の立場は難しい。若い頃はそんなことを思ってもみなかったが、親としては言い寄る連中を追い払いたい心境だ。
子供の自主独立を勧めても、我が子は別になってしまう。
ダメオヤジといわれても、しかたがないテイタラクでした。