・2015/12/07 kcc主催、さわやか大学、(第5回)に出席しました。
・講師:京都府立大学教授 大谷貴美子
・演題:和食文化にみるこころ
*2013/12/04 和食の無形文化遺産登録
・これは、自然を尊重する日本人の心を表現したものであり、伝統的な社会慣習として世代を超えて受け継がれていると評価された。
・日本政府は和食の特徴として、次の4点を挙げている。
1.多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
2.栄養バランスに優れた健康的な食生活
3.自然の美しさや季節の移ろいの表現
4.年中行事との密接な関わり
*”5”に学ぶ健康食(和食に影響を与えた陰陽5行思想)
・5采
・5味
・5色こぶ
・5法
・5感
*陰陽5行からみたお節料理
・黒豆:道教では】黒は魔除けの色
・数の子:春告魚といい、春の使者であり、黄色は5行の中心の最も重要な色
・伊達巻:同じく黄色は5行の中心のいろであり、結ぶという縁起物
・海老:赤は瑞祥(吉兆)の色であり、老人、長寿を象徴する。
・昆布:黒は黒豆と同じ、また喜ぶにつながる こぶ(子生)と字をあて、子孫繁栄を意味する。
・金団:金の塊は招福のシンボル
・蒲鉾:紅白の蒲鉾は慶事、祝い事を象徴
・鯛:鯛はめでたいに通ずる魚であり、福の神、恵比寿様が釣る瑞祥の印 赤は慶賀の象徴
・柚子:柚子の黄色は5行の中心の色
*お節料理のルーツ
・平安時代の朝廷行事にさかのぼります。
・もともとは季節の節目となる節日(節句)に朝廷内で食べられていた(お節供)のことでしたが、江戸時代後半には、正月の料理だけをお節料理とよぶようになった。
・お重に入る料理は、いずれも語呂合わせも含めて、無病息災と子孫繁栄を願う縁起のよい食材が中心になります。
・地方や家庭によっても違いますが、例えば黒豆はまめに元気、数の子は子孫繁栄、ごまめは豊年豊作、昆布巻きは喜ぶ、レンコンは見通しが利く、キントンは金運を、伊達巻は文化発展、八頭は人の上に立つなどです。
・お雑煮やお節に用いられる食材は、今でもその地方の、そしてそれぞれの家庭の味が伝わる数少ない料理といえます。
*お節料理の意味を聞きながら、家族で新年を寿ぐ、そんな心を忘れずに、家族揃って新年を迎えられたらよいですね。