土塊も襤褸も空へ昇り行く:北村虻曳

随想・定型短詩(短歌・俳句・川柳)・写真
2013/11/11開設

離身律 I 15首

2013-11-11 | 短詩
離身律 I


おぼろ雲広がる空の陽のありか鶴さしかかり光に溶ける

雲の吊る梯子をつたい人降るやがて始まる文字を携え

旅人の行き交う姿遠景に熱き豆降る始原のアジア

二滴三滴窓刷く雨か玄界灘に黄色が動く

光河より Harley-Davidson 流し来る頭蓋に著き萍つけて

夕暮の夏の畠に祖母立ちて牛の頭の釣瓶引きおり

風すじに筵がよじれ乾きたる夏は終らん地平の雷に

海溝の深き磐より生まれたる闇迫りあがり真昼を踊る

空を飛ぶ小さき姿で不時着し畝の間で蟻と争う

縄抜けて不明なりしを雲一頭伊賀は上野のちゃぶ台につく

な寄りそ私を覆ふまくなぎに高圧電気通電中(こわいでんきがながれています)

外套のポケットの闇へ身を投じ世界曳きこむクライン・ボトル

三日月の番える矢先は正確に地底を降る赤き円盤

橋落ちるランプの光砕けたり影を負い立つ老都稀物(ロートレアモン)

鉄塔にちろちろ燃える炎がのこり龍昇りたる暁の丘

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ありがとう ()
2013-11-22 22:39:58
最初のコメントです。ブログはホームページ作成よりかなり楽ですね。即興はフェイスブックで、ここは書庫的にやっていこうと思っています。
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ブログ開設おめでとうございます。 (rei)
2013-11-22 14:29:04
きれいなブログですね。写真もすてきです。
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