土塊も襤褸も空へ昇り行く:北村虻曳

随想・定型短詩(短歌・俳句・川柳)・写真
2013/11/11開設

2018-05-07 | 短詩
ロシアの河


  


草折れて銀鼠色の水を突く

西域のバッタをこぼす法隆寺

黒雲が海を釣る

花びらの行方を知らぬタネツケバナ

柿食えばどこかで漏れる汚染水

耕運機ガバリと立って空を掻く

キリギリス毀れ茶碗にふれている

海に出てなお屈曲する泥の河

風凪げば黒いTシャツ翩翻と  (翩翻=へんぽん)

田一枚煙残してひきあげる



        豈五十七号(2015)所収・小修正



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