土塊も襤褸も空へ昇り行く:北村虻曳

随想・定型短詩(短歌・俳句・川柳)・写真
2013/11/11開設

泉 正子 歌集

2017-04-26 | 短詩
私の生家の家族はすでにすべて亡くなった。その浮沈の家族史は重くて書き記す気は無い。ただ父が母、泉正子の短歌をまとめている。今回鎮魂の意を籠め、それを自分のブログに含めて残しておく。 収録できたうちでは、次のようなものが私の好みである。全般にとても自省的な歌と感じる: * ゆきのした繁るを憎みひきをればゆきのしたの花を訪い来る蜂あり * 我等心通わぬものを水がめに金魚入れつつ涙ぐみゐぬ * もんぺをつけし幼な女よわが嫁は戦の日をかく育ちしか * 発言の多すぎたりしと帰り来てひとり思ふに悔いのみ多し * 鼻の上に皺を作りてわれに笑む細きうなじの入院の孫 * 新婚の記念にもらいし掛図絵の尉に似てきし夫の口もと この他に朝日歌壇、おそらくは前川佐美雄氏の選による、作が数種程度あるはずだが、今回は発見できなかった。 . . . 本文を読む
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